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サポートチーム便り2023.08.23

ACS データ転送を自動化できますか?

Question

これまで IBM i Access for Windows(iAW)や Personal Communications(PCOMM)を使用していましたがIBM i Access Client Solutions(ACS)への移行を検討しています。

現在は"STRPCCMD コマンド実行(データ転送を呼び出すバッチファイルを指定)→ データ転送の実行"までを自動化していますが、ACSでも同じ事が出来るでしょうか。

必要な設定などをご教示いただきたいです。

Answer

お伺いした現在の仕組みから考えますと、サインオン・ポップアップも省略されているかと思います。

その場合は、大まかに以下の設定が必要です。

  1. ACSでのサインオン・ポップアップの省略
  2. データ転送定義ファイル側での設定
  3. バッチファイルからデータ転送定義を実行するための記述

1.ACSでのサインオン・ポップアップの省略

サインオン・ポップアップの省略には2通りあります。

いずれかの方法にてサインオン・ポップアップを省略してください。

①/PLUGIN=logon を使用する
②_netrcファイルを作成する

【共通設定】

どちらの方法でも共通して「システム構成」での設定が必要です。

ACSメイン画面の中にある「システム構成」を開いて、対象システムを選択し「編集」ボタンを押します。

「接続」タブを選択して「パスワード・プロンプト」の設定が「デフォルト・ユーザー名を使用して...」になっている事を確認してください。

①/PLUGIN=logon を使用する

サインオン・ポップアップを省略する方法として /PLUGIN=logon があります。

記述例:

--------------------------------------
cd C:\...\Start_Programs\Windows_x86-64
acslaunch_win-64.exe /PLUGIN=logon /SYSTEM=xxx.xxx.xxx.xx /USERID=BELLUSR /PASSWORD=BELLPWD
--------------------------------------

※まずは、PCのコマンドプロンプトにて手で実行して、上手く実行できたらバッチファイルとしてスタートアップなどに組み込むようにしてください。

②_netrcファイルを作成する

PCにて、ユーザーのホーム・ディレクトリーに「_netrc」ファイルを作成する方法です。

下記の記事をご参照頂ければ幸いです。

ACS利用時にサインオンポップアップを省略するもう一つの方法(netrc)
https://www.e-bellnet.com/category/technology/2106/2106-01.html

記述の例:

machine xxx.xxx.xxx.xx login BELLUSR password BELLPWD

※「_netrc」がファイル名になります。拡張子はありません。

2.データ転送定義ファイル側での設定

対象のデータ転送定義を開き、「プロパティー」ボタンを押します。

「接続」タブの中にある「IBM i サインオン情報」にて、「IBM i Access Client Solutions 設定を使用する」になっている事を確認してください。

次に、ダウンロード・プロパティ―の画面にて、「開始」タブを選択します。

「転送要求を自動的に実行する」と「完了時に閉じる」にチェックを入れて、設定を保管してください。

もし、転送後の完了メッセージを表示させたくない場合には、以下の設定もあります。

ダウンロード・プロパティ―の画面にて、「ディスプレイ」タブを選択します。

「転送完了メッセージを表示する」のチェックを外して、設定を保管してください。

3.バッチファイルからデータ転送定義を実行するための記述

ACSとしてデータ転送を呼び出すために /PLUGIN が用意されています。

/PLUGIN=download ダウンロード(.DTFX)用のPLUGINです
/PLUGIN=upload アップロード(.DTTX)用のPLUGINです

記述例(/PLUGIN=download):

--------------------------------------------------------------------------
cd C:\\Start_Programs\Windows_x86-64
acslaunch_win-64.exe /PLUGIN=download C:\<データ転送定義ファイルまでのフォルダーパス>\TEST.DTFX
--------------------------------------------------------------------------

※フォルダーパスやデータ転送定義のファイル名などは、ご利用の環境に合わせて適宜変更してください。

/PLUGIN=upload でも上記と同様の記述になります。

/PLUGIN=download、/PLUGIN=upload にはユーザーID/パスワードの指定が無いので、上記1のサインオン・ポップアップの省略が必要です。

※PCのコマンドプロンプトにて実行して、上手く実行できたらSTRPCCMDで指定するバッチファイルとして組み込むようにしてください。

バッチファイルを実行すると"保管された要求 C:\......\TEST.DTFX を実行しています"というプロンプトの画面が表示されますが、データ転送が完了すると自動的に消えます。

上記の設定にてシステムから STRPCCMD を実行してデータ転送の自動化ができるはずです。

iAW や PCOMM で実装していた方法とはちょっとずつ違う所もありますので、ご参考にして頂ければ幸いです。

by 槻樹

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