夏のTRでIBMがDb2 For i に準備しているもの
先週、IBMは、IBM i 7.6および7.5向けテクノロジー リフレッシュの一部として、数多くの新たなDb2 for i 機能および機能強化を含むPTFを発表しました。データベースはIBM i 7.6 TR2および7.5 TR8の全体の一部に過ぎませんが、それは極めて重要なパズルのピースです。ここでは、使用できるようになった新たな機能をプレビューしてみようと思います。
先週の記事で取り上げた夏のTRの一部として、IBMは、Db2 for i に対する5つの機能強化を提供し、1つのセキュリティ強化および1つのデータベース エンジニアリング向けの機能強化を導入しています。また、17の新たなIBM i サービスを披露し、さらに10のIBM i サービスの機能強化を行いました。
「あらゆる種類の機能強化があります」と、IBMのシニア テクニカル スタッフ メンバー(STSM)で、データベース アーキテクトのScott Forstie氏は、先日の「Guided Tour」で述べています。「プログラマー向けのものもあれば、管理者向けのものもあります。セキュリティ、セキュリティ、セキュリティ。誰もがセキュリティについて話しています。そして、私たちは、IBM i を理解し、そのセキュリティを向上させることができるSQL手法の提供で、大きく一歩を踏み出そうとしています。素晴らしいことではないでしょうか。」
Forstie氏がウェビナーで述べたように、ミネソタのこの冬はとても長くて寒く、北部地方の人々がしばしば過ごしていたタイプの冬を思い起こさせました。しかし、屋内に留まることを余儀なくさせられたことで生まれた一番良いものの1つは、Db2 for i における新たなCREATE_DATA_JOURNAL_READERスカラー関数でした。これは、ジャーナリングされたデータベース ファイルに対して行われた変更を人間がより簡単に理解できるようにします。
データベースの挿入、更新、および削除のジャーナル項目は16進形式で格納されているため、それらが何を意味しているのかを理解するのは困難です。7.6 TR2および7.5 TR8で追加される新たなスカラー関数は、ユーザーが「データ またはジャーナル項目を理解したいと思う任意の表に対する」独自のヘルパー関数を作成するためのフレームワークを提供するとForstie氏は述べています。
IBMは、本質的にIFSにおける不要な蓄積を防ぐためのディレクトリー プルーナーの働きをする、1つの新たなデータベース エンジニアリング機能をDb2 for i に追加しました。SYSIBMADM.QIBM_SQEDEBUG_BY_DAYSと呼ばれるこのアップデートは、SQL照会エンジンによって作成され、デバッグ情報を含むIFSディレクトリーを保持する日数を示すグローバル変数です。この機能は、IBM i 7.6および7.5の両方をサポートします。
IBMは、IBM i 7.6でのみ利用できるセキュリティ機能を1つ追加しています。QIBM_IOSYSCFG_DDMと呼ばれるこの機能は、*IOSYSCFG特殊権限を使用する代わりに、新たなQIBM_IOSYSCFG_DDM機能使用IDを通じて、管理者が分散データ管理(DDM)操作を許可できるようにします。
IBMは、Db2 for i に対する5つの新たな機能強化を提供しています。それらはすべて両方のOSで利用可能です。以下のものがあります。
- SQLエラー ロギング機能(SELF)に対する機能強化 - 具体的には、QSYS2.SQL_ERROR_LOGです。ユーザーが独自のユーザーIDによって追加された行におけるエラーを表示することを可能にします。また、重複行を識別するのに使用されるキーは、ステートメント操作を含むように拡張されました。
- トリガー疑似列の追加。通常の列の名前解決が失敗した後で、トリガーを起動させたファイル、ライブラリー、およびメンバーにアクセスする新たな方法です。
- URL ENCODEサービスに対するアップデート。SQLプログラマーに、SQLを介してREST呼び出しを行う機能を提供します。このリリースは、RFC3986エンコードのサポートを追加します。
- 2つの新たな関数、FROM_SYSTEM_TIMESTAMPおよびTO_SYSTEM_TIMESTAMP。タイムスタンプを管理するためのさらなるオプションをプログラマーに提供します。
IBMは、IBM i 7.6 TR2では7つの新たなIBM i サービス(7.5 TR8では2つ)をQSYS2に提供しています。これらのIBM i サービスのうち、以下の4つは7.6 TR2でのみ利用可能です。
- CHANGE_SERVICE_TOOLS_SERVER_CONFIGURATION_ENTRY
- SERVICE_TOOLS_SERVER_CONFIGURATION_ENTRY
- DD_SERVICE_TOOLS_SERVER_CONFIGURATION_ENTRY
- QSYS2.REMOVE_SERVICE_TOOLS_SERVER_CONFIGURATION_ENTRY_INFO
これらのサービスは、管理者がSQLを使用してサーバーの構成エントリー情報を表示および変更できるようにします。これは、異なるハードウェアでのIPL時に有用な場合があります。
また、IBMは、QSYS2.EKM_INFO()表関数もリリースしました。これは、外部鍵管理(EKM)の構成に関する情報を返します。これも7.6 TR2でのみ利用可能であり、これは、 先週の記事で取り上げた、Bring Your Own Key(BYOK)機能もサポートします。これらの先進的な鍵管理機能は、IBM i 7.5では利用可能になりません。
両方のOSリリースをサポートするQSYS2のIBM i サービスが2つあります。上述したCREATE_DATA_JOURNAL_READERスカラー関数と、QSYS2.GEOGRAPHIC_MIRRORING_INFOビュー(地理的ミラーリングが構成されている独立補助記憶域プール(IASP)の地理的ミラー情報を返すビュー)です。地理的ミラーリングは、IBMのPowerHAおよび現在はMigrate While Active製品でも使用されるデータ レプリケーション方式です。
一方、SYSTOOLSカタログ(IBMはここではオプションのユーティリティおよびヘルパー関数を提供しています。これに対して、QSYS2にはコアとなるSQLサービスおよびカタログ ビューが収容されています)では、IBMはさらに10の新たなIBM i サービスを提供しました。これらはすべて両方のOSで利用可能です。以下のものがあります。
- AUDIT_JOURNAL_JD()およびSYSTOOLS.AUDIT_JOURNAL_RU()。特定の監査ジャーナル項目タイプのサポートを追加します。
- CHECK_COMMAND_SYNTAX()。CLコマンドの構文を検証するスカラー関数です。
- CVE_INFO()。Common Vulnerabilities and Exposures(CVE: 共通脆弱性識別子)エントリーのリストを返す表関数です(Navigatorでも表示されるもうひとつの新機能。 先週の記事を参照)。
- GROUP_PTF_CURRENCY_LOCAL()。IBM Preventive Service Planning(予防保守計画) Webサイト(ユーザーの間で好評を博しているようです)から利用可能なサービス レベルのバージョンを含むIFSファイルを使用して、区画にインストールされているPTFグループを比較する表関数です。
- OVERRIDE_INFO_ALL。現在のジョブにおけるファイルのオーバーライドごとに1行を返すビューです。
- そして最後は、特定のジョブに関する情報を返す一連のスカラーおよび表関数、SYSTOOLS.JOB_NAME、SYSTOOLS.JOB_NUMBER、SYSTOOLS.JOB_USER、およびSYSTOOLS.JOB_NAME_DETAILSです。
また、IBMは、7.6 TR2では10の機能強化されたIBM i サービス(7.5 TR8では9つ)を提供しています。7.5にはない1つのIBM i サービスはQSYS2.ASP_INFOで、ASPに関する情報を返します。これは地理的ミラーリングをサポートするようにアップデートされました。
両方のOSに共通して利用できる機能強化されたIBM i サービスは、以下の通りです。
- JOBLOG_INFO(ジョブ ログ内のメッセージに関するデータを返す表関数)。メッセージの順序、制限、およびタイムスタンプの新たなパラメーターをサポートするように強化されました。
- QCMDEXC() (CLコマンドを実行するのに使用することができるプロシージャーおよびスカラー関数)。CLコマンドをジョブ ログに書き込むオプションを提供するようにアップデートされました。
- SCHEDULED_JOB_INFO(スケジュールされたジョブに関する情報を返すビュー)。他のCLコマンドで使用できるように、先頭に0が埋め込まれる新たな列によってアップデートされました。
- SYSDISKSTATおよびQSYS2.SYSDISKSTAT() (ディスクに関する情報が含まれているビューおよび表関数)。HyperSwap用の追加の値を含むようにアップデートされました。
- GENERATE_SPREADSHEET() (照会の結果またはデータベース ファイルに基づいて、スプレッドシートをIFSに生成するスカラー関数)。シート名を追加するオプションを提供するようにアップデートされました。
- そして3つのサービス、QSYS2.SYSTEM_STATUS()、QSYS2.SYSTEM_STATUS_INFO、およびQSYS2.SYSTEM_STATUS_INFO_BASIC(現行区画に関する情報を返す表関数およびビュー)。PARTITION_UUIDの列を追加するように強化されました。
この他にも、IBMは、先日のTR発表の一部として、オペレーティング システムの他のコンポーネントおよびIBM i プラットフォーム全体向けに、数多くの新機能を提供しています。それらについては、今後の『 The Four Hundred』の記事で深く掘り下げる予定です。
