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IBMi海外記事2026.05.27

初期バージョンのBob、Medhost社のIBM i での試用テストで優れた成果を上げる

Alex Woodie 著

IBM Bob AIツールの早期テスターとなった企業の1つに、長年にわたって地域および地方病院向けの統合されたIBM i ベースのヘルスケア アプリケーションの開発を手掛けてきたMedhost社があります。先週のIBMと同ソフトウェア ベンダーとの共同プレゼンテーションによると、Bobは、Medhost社が、同社のRPGおよびSQLコードベースを理解するだけでなく、それらをモダナイズし、強化する一助にもなったことから、ベータ テストは成功だったということです。

IBM i チーフ アーキテクトのSteve Will氏と、 Medhost社のテクノロジー担当シニア バイスプレジデントのMichael Bowen氏は、 先週のウェビナー で、このEHR(電子健康記録)ソフトウェアのプロバイダーが、IBM Bob(折しも先週、 一般公開 された新たなAI搭載コーディング アシスタント)をどのように導入したのかについて話しをしています。

Michael Bowen氏、Medhost社テクノロジー担当シニア バイスプレジデント。

具体的には、Medhost社は、クロスリファレンスおよび影響分析、コード生成、従来のRPGバージョンからフリーフォームRPGへの変換、およびより良質なSQLステートメントの生成などの領域でBobを導入しています。

以前は、クロスリファレンスおよび影響分析は「極めて時間の掛かる取り組み」だったとBowen氏はWill氏とのウェビナーで述べています。しかし、Bobはそうしたコード分析を加速し、「大きな助け」になったということです。

「ソフトウェア エンジニアから得たフィードバックによれば、Bobの導入で良い成果を上げることができたということです。ある特定のプログラムについての実に大量の情報を迅速に理解するための情報処理能力がエンジニアにもたらされました」とBowen氏は述べています。「Bobは、プログラムの用途および依存関係を見落とすなど、多くの異なるエンジニアによって行われる、より人力ベースのレビューで生じ得る多くのリスクを取り除きます。」

Bowen氏によると、RPGコード生成に関して言えば、Bobの初期段階の成果は、今後に期待を抱かせるものだということです。「Bobは、特にAIコード アシストをまったく使用しない場合と比べて、手作業によるコーディングの労力を著しく削減できることを実感できました」と彼は述べています。「私たちが試したところでは最大で50%削減できたプロジェクトもありました。これは非常に衝撃的でした。」

Bowen氏によれば、Bobは、フリーフォームRPGへの移行や、より良質なSQLを生成することによるデータベース アクセスのアップグレードなど、Medhost社が同社のIBM i アプリケーションをモダナイズするのを支援するツールとして有望だということです。

「以前のバージョンのRPGコードに取り組む際に、そうした多くの組織が向き合う典型的な実例と言えば、内部的に定義されたデータベース ファイル構造に関するものだろうと思います」とBowen氏は述べています。「IBM BobのようなAIツールを使わずに、データベース フィールドおよびこれらの構造を拡張するとしたら、非常に人力を要するプロセスになります。多数のプログラムにわたる場合は特にそうです。」

「Bobを利用することにより、私たちの試験プロセスを通じて実現できたことは、従来のバージョンのRPGをフリーフォーマットに変換し、データ アクセスをSQLおよびデータ アクセス オブジェクトへ変換することができたということです」と彼は続けます。「この時点で、人手による労力は、本当にはるかに少なくなります。私たちは、データベース表を変換するだけだからです。」

また、Medhost社は、Bobを使用して、一部の既存のSQLステートメントも最適化しています。Bowen氏によれば、高度に複雑な一部のSQLステートメントについては、エンジニアは最適化できる限界に達していたということです。Medhost社は、それらのSQLステートメントを最適化するようBobに求めたところ、Bobはそれを首尾よく行ったとBowen氏は述べています。

「Bobは、それらの複数のSQLステートメントをはるかに効率的な単一のステートメントに統合することができました。そして、パフォーマンスの観点から見れば、それらの2つのプログラムが大幅に最適化されたことになります」とBowen氏は述べます。「IBM i のSQL機能がどれほど大きく進化してきたか、そして、IBM i 上のDb2に存在していたことを認識していなかった機能をどのように実装したらよいかをBobは明らかにしてくれました。」

Will氏との対談の間ずっと、Medhost社は、開発およびエンジニアリング作業のスピード アップを追求する中で、コード品質を妥協しないとBowen氏は力説しています。AI生成のコードはすべて、ソフトウェア開発ライフサイクルの一環で人力生成のコードと同じ品質検査を受けます。

「AIは能力増強ツールです」とBowen氏は述べています。「私たちの目標は、スループットを向上し、効率性を高めつつ、最高品質を維持したいということです。そして、分かったことは、AIツールの推進力と私たちのSME(対象領域専門家)や技術エキスパートがうまく連動することが成功の秘訣だということです。それは、まさにAIツールと私たちのリソースとのコラボレーションということです。」

Bobは、RPG、SQL、CL、COBOL、およびその他の言語をサポートするAIコーディング コパイロットです。

AI出力の品質は、様々な要因の影響を受けるとBowen氏は述べています。主なものとしては、コード ドキュメンテーションの品質およびユーザーが提供するプロンプトの品質です。Bowen氏は、Medhost社のコードはかなりきちんとドキュメント化されているものの、創業40年のソフトウェア企業であるため、コードベースの一部には手を入れても良い部分もあると述べています。

「良質なコメント、良質なドキュメンテーションは、本当にプロセスの効率性を高め、より優れた成果を上げられるようにします。そして、何度もやり取りを繰り返すことなく、補足情報を追加し続ける必要がなくなります」と彼は述べます。

AIの成功の要因となる他の要素には、ユーザーから支持を得ることも含まれます。段階的アプローチを取り、プロジェクトをより小規模なまとまりに分解することは、AI支援のモダナイゼーションでも有益だと彼は述べています。また、開発者およびエンジニア向けの教育および訓練に投資することも重要です。特に、それがAI学習曲線の向上に関わるためです。

「プロセスが始まった頃は、数日、数週経ってからと比べると、成果が上がるどころではありませんでした。そこで、より小さなコンポーネントに分解し始め、適切にドキュメント化する方法や、プロンプトを正確にする方法など、様々なことを学び始めました」とBowen氏は述べます。「つまり、そうしたエンジニアとAIテクノロジーとのコラボレーションを学ぶことは本当に重要でした。しかし、そうは言っても、特にプログラムの使用法の効率的に説明できる能力に関して言えば、あっという間に得ることができました。これは、特に既存のソフトウェアを修正しているときには大きな影響を及ぼします。時間および品質の観点から見ると、それは本当に重要な要素の1つです。」

また、Bobは、Medhost社が設計実験およびプロトタイピング段階を加速させる一助にもなります。Medhost社は、常に様々な手法を試みてきましたが、Bobでは、開発チームは、以前は数時間掛かっていた概念実証を数分で生成することができるとBowen氏は述べています。

「Bobを使用して分かったのは、私たちが試した他のどのAIテック ツールと比べても、私たちのRPGおよびIBM環境にとって最も有益なAIコード アシスト ツールだったということです」と彼は述べます。

Bowen氏とWill氏のインタビューは こちらでご覧になれます。

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