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IBMi海外記事2026.05.13

IBM、Bob 1.0の一般公開へ向けて準備を進める

Alex Woodie 著

今月、IBMは、Bobのリリースにより、ようやくコーディング コパイロットをIBM i インストール ベースの手に渡すことになります。そして、3月24日のBob 1.0.0の一般公開は、IBM i 顧客(特に、大勢のRPG開発者)が、IBMブランドのAIソフトウェアを使用して、IBM i ソフトウェアを保守および開発し始めるのを待ち続けていた長い日々の終わりを告げるものとなります。

生成AIの世界は急速に動いています。最先端プロバイダーの大規模言語モデル(LLM)は、週ベースで(日ベースとは言わないまでも)改善されています。コーディング コパイロット、チャットボット、およびAIエージェントの機能がますます向上しているため、これは刺激的でもあり、困難だが挑戦のしがいのあるものです。IBMは、すでにメインフレームのコーディング コパイロットからの収益を勘定に入れている一方で、目まぐるしく変化する環境の中で、同社のミッドレンジ顧客群に販売できるAI製品を開発するべく奮闘してきました。

2025年10月にTechExchange 2025開発者カンファレンスで「Project Bob」を公開した時点では、IBMは優位に立つことを目指していました。この新たなAI搭載コーディング アシスタントは、IBMがすでにSystem Zメインフレーム向けに展開していたWatsonx Code Assistantを置き換えることとなりました。また、Bobは、2024年5月にPOWERUp 2024カンファレンスで IBM i CTOのSteve Will氏が発表 して以来、IBMのロチェスター ラボがIBM i コミュニティ向けに開発していたCode Assist for RPG製品に取って代わることにもなりました。

Code Assist for RPG製品(IBMはWatsonx Code Assistant for i へと名称変更しています)は、IBM i 顧客がこのプロジェクトに提供していた 大量のRPGソース コード のおかげもあり、RPGコードがどのように機能するのかを理解するという点では進歩していたものの、より広いAIの世界についていけるほど急速には進歩できなかったようです。

2024年初め、AIモデル(Watsonx Code Assistant製品で使用されるIBM Graniteモデルを含む)は、RPGコードを理解しようと必死になっていました。RPGは、IBM i コンピューター ラインでのみ使用されるプロプライエタリな言語であることから、IBMメインフレームでビジネス ロジックを実行する、よりオープンなCOBOL言語と比べると、より隔絶されていると言えます。しかし、2025年末までには、 Anthropic社のClaudeなど、主要な基盤モデルは、RPGと呼ばれるこの一風変わった言語の理解、文書化、および生成において著しい進歩を示しています。

こうしたRPGでの想定外の進歩は、IBMにアプローチの再考を促すことになり、その結果がBobでした。Bobは、Anthropic社のClaude、Meta社のLlama、および Mistral AIとともに、IBM独自のGranite基盤モデルを併用するマルチモデル アプローチを使用します。

Bobは、一見すると、コードの理解、文書化、さらには生成など、開発者のワークフローを支援するコーディング コパイロットのようですが、実際には、それよりもはるかに多くのことを行うとWill氏は 昨年末のプレゼンテーションで述べています。「Bobは単なるチャットボットではありません。単なるコード アシスタントでもありません」とIBM i チーフ アーキテクトのWill氏は述べます。Bobはユーザーが何を行おうとしているかを理解することができます。」

Bobは、IBM i 上で、RPG、CL、SQL、COBOL、Java、およびPythonなど、様々な言語でコードを説明、リファクタリング、生成、変換、およびテストできるようになります。このソフトウェア(VS Codeプラグインとして提供)は、固定フォーマットRPG IIIからフリーフォーマットRPG IVへのアップグレードなど、コード モダナイゼーション プロジェクトを支援することができるようになります。Will氏の12月のプレゼンテーションによると、Bobは、英語およびスペイン語で動作し、さらに多くの言語での動作が想定されているということです。

Will氏によれば、Bobは、IBM i がどのように動いているかについての基本的なレベルを上回る知識を有しているということです。Bobは、RPGとJavaを組み合わせてアプリケーション開発を行うなど、ある1つの言語と別の言語のそれぞれの強みと弱みを理解するようだと彼は述べています。また、BobはDb2 for i パフォーマンス特性についても理解しているように思われ、さらに、セキュリティについても十分に理解しているようです。

たとえば、Will氏は12月のプレゼンテーションで、データベース構造に関するセキュリティ上の推奨事項をいくつか提案するようBobに求めたところ、Bobはいくつかの有用なアドバイスで応答しています。「Bobはコード アシスタントを超えるものです」とWill氏は述べています。「BobはIBM i のことをよく分かっており、IBM i がどのように攻撃される可能性があるか、IBM i 向けにソフトウェアを書いているときにどのようなことを行うべきか分かっているため、回答しようとすることができるのです。これはコード アシスタントをはるかに超えるものです。」

IBMの 2月20日付けのソフトウェア発表レターには、こうした詳細情報は記載されていませんが、そこでは、Bobを、開発者がアプリケーション コード ベースを「理解し、計画し、改善し、自信を持って作業する」ことを支援することができる、「AIソフトウェア開発ライフサイクル パートナー」と表現しています。IBMの発表の中で最も参考になった記述は、Bobが、MCP(Model Context Protocol)をサポートするということであったかもしれません(MCPは、「AI向けのUSBポート」と呼ばれ、顧客がBobを他のありとあらゆるツールに接続することを可能にします)。

新製品向けの「 IBM Services Description(サービス記述書) 」では、Bobの主要機能には「コードの生成、リファクタリングとデバッグ、ドキュメントの作成と更新、質問への回答、タスクの自動化、およびファイルとプロジェクトの作成機能が含まれています」と記されています。IBMは、BobをSaaS(Software as a Service)(あるいは、IBMのマーケティングの達人たちによる新造語では「XaaS(Anything as a Service)」)として販売します。

Bob(5900-BVU)では、複数のエディションが提供されます。すなわち、Pro、Pro Plus、Ultra、およびEnterpriseです。また、IBMは、最大30日間使用できるBobの無料評価版も提供します。Bobの有料バージョンにはテクニカル サポートが付属しますが、30日間無料評価版には付属しません。

Bob Proは、Bobのベース バージョンであり、40 Bobcoinが付属しています(30日間無料評価版と同じ)。Bob Proでの40 Bobcoin(リソース単位(RU))の購入には、1ユーザー当たり月額20ドルが掛かります。Bob Proのサポート料金は、月額3ドルです。Bob Pro Plusには、160 Bobcoinが付属し、追加の160 Bobcoin(RU)を購入する場合は、月額60ドルが掛かります。Bob Pro Plusのサポート料金は、月額9ドルです。Bob Ultraには、500 Bobcoinが付属し、追加の500 RUごとに、月額200ドルが掛かります。Bob Ultraのサポート料金は、月額30ドルです。

Bob Enterpriseには、Bobの基本機能が含まれており、さらに、詳細な使用状況レポート、個人およびチームのクォータ管理、およびシングル サインオン(SSO)統合など、いくつかの機能が追加されます。顧客はBobクライアント向けのサブスクリプションを購入する必要があり、これは1ユーザー当たり月額20ドルです。また、顧客はBobcoinを購入する必要もありますが、これはBobユーザー間でプールすることができます。Bob Enterprise向けの1 RUは、月額約500ドルです。また、Bob Enterpriseプール利用RUサポートの料金は、年額75ドルです。

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