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IBMi海外記事2026.02.12

Bobは単なるコード アシスタントではない、IBM i チーフ アーキテクトのWill氏は語る

Alex Woodie 著

先日、IBM i チーフ アーキテクトのSteve Will氏は、IBM i プロフェッショナルがようやくBob(現在IBMのラボで開発中の新たなAI搭載ツール)に触れてみたら、Bobが単なるコード アシスタントをはるかに超えるものであることを実感するだろうと述べています。「Bobは物知りです」と彼は述べます。「BobはIBM i をよく知っています。」

Bobのリリースのタイミングについては、正確な詳細はほとんど明らかにされていませんが、IBMは、2026年初めにも、VS Code向けの新たなAI搭載プラグインのパブリック プレビューをリリースすることを大いに期待されています。IBMがIBM i 7.6 TR1および7.5 TR7向けの 秋のテクノロジー リフレッシュ を発表したのと時を同じくして 10月初旬に公開された この新たなソフトウェアは、大規模言語モデルから開発された主要なコーディング コパイロットとして Watson Code Assistに置き換わる ことになります。

Bobは、表向きはコーディング コパイロットです。これは、広く一般的に利用されるようになってきた生成AIツールの2つのカテゴリーのうちの1つです。 OpenAI 社のGPT-1のような初期のLLMは、Microsoft社のGitHub Copilotのようなツールを通じて試用され、導入されていました(GitHub Copilotは、OpenAI社がChatGPTで生成AI革命を引き起こす丸々1年前の2021年にリリースされています)。また、大手小売業者および通信会社は、2022年11月下旬にChatGPTのあの歴史的瞬間が起こるずっと前から、Google BERTのようなオープンソースのLLMを使用して、コール センターの人員を削減するためにカスタマー サービス チャットボットを構築していました。

しかし、Will氏によれば、Bobはコーディング コパイロットをはるかに超えるものだということです。Will氏は、先日の「IBM i Guided Tour」で、Bobの先進的な機能について詳細な展望を示しました。「Bobは、私たちの能力を爆発的に拡大させました」とWill氏は述べています。「単なるチャットボットではありません。単なるコード アシスタントでもありません。Bobはユーザーが何を行おうとしているかを理解することができます。」

Regular Joe(普通のジョー)かSuper Bob(超人ボブ)か

IBMは、6つの主要なテーマまたはモデルを念頭に置いてBobを開発しています。すなわち、理解、説明、リファクタリング、生成、変換、およびテストです。開発作業の多くは、アプリケーション モダナイゼーションとの関連で行われます。IBM i のショップには、現代に適合させる必要がある大量のレガシー コード(あるいは「伝説的なコード」。先日、あるIBM幹部がそう呼んでいます)があります。しかし、RPGの構文をモダナイズすることは、問題の一部に過ぎません。

Bobのコア機能は、これらのカテゴリーに分類されます(画像出典:IBM)。

他にも、アプリケーション モダナイゼーション プロジェクトの際に作用し始める要素があります。確かに、固定フォーマットRPG IIIコードを固定フォーマットILE RPG IVコードにアップグレードすることができるかもしれません。これは1つの改善でしょう。また、固定フォーマットRPG IVコードからフリーフォーマットRPG IVコードに移行することもできるかもしれません。これも改善でしょう。そのコードはJavaに変換することもできるかもしれません。それも改善であるかもしれません。

Bobは、これらのことすべて(そしてさらに多くのこと)を行うことが見込まれています。しかし、それ以外に、アプリケーション モダナイゼーション プロジェクトの際に持ち上がってくる不確定要素や懸念事項があります。JavaとRPGとの組み合わせは、パフォーマンス向けには最適だとしたらどうでしょうか。SQLおよびデータベース アクセスについてはどうでしょうか。どのようにしたらモダナイズされるアプリケーションを最も適切に設計することができるでしょうか。そして、重要なことですが、どのようにしたらアプリケーションのセキュリティを確保することができるでしょうか。

これらの課題の多くは、通常、ミッドレンジ開発者に期待される能力を超えるものです。それらは、一線を越えて他の役割(システム アーキテクト、データベース エンジニア、およびセキュリティ アナリストなど)の領域に入ります。理想的には、IBM i のショップは、アプリケーション モダナイゼーション プロジェクトの中で、こうした専門技能にアクセスできるでしょう。しかし、IBM i スキルの不足によるところもあり、常にそうなるわけではありません。

そこでBobの出番です。IBMの開発方針に則って、Bobはそれらすべての領域で専門技能を提供します。

Bob一体型アプローチ

Bobは、RPG、CL、およびSQLだけでなく、COBOL、Java、およびPythonでも、アプリケーション モダナイゼーション プロセスの際に複数の段階を支援することができるようになるだろうとWill氏は述べています。さらに、Bobは英語やスペイン語、およびその他の言語も理解します。

「Bobの機能は、RPGを超えてこれらのプログラミング言語すべてに拡張されます」とWill氏は述べています。「RPGで新しいものを開発するほとんどの開発者は、RPGの最新のバージョンを使用しているということです。そして、Bobは本当にそれが上手いことが分かります。しかし、Bobはそれらの他のことを処理することもできます。」

Bobは、VS Code向けプラグインとして、対話式の開発者エクスペリエンスを提供します(画像出典:IBM)。

IBM i のショップの約70%は、自家製アプリケーションを稼働しています。それらのアプリケーションの多くは、20~40年前に書かれたものであり、アップデートする必要があります。しかし、モダナイゼーションには、そうした古いコードを理解する人材が必要であり、ほとんどのIBM i のショップには、そうした高度な技能を持つプログラマーがいないとWill氏は述べます。Bobは、そこに足を踏み入れ、そうした機能を補うことができるでしょう。しかし、それはBobという氷山の一角に過ぎません。

Will氏はデモの中で、説明プロセスの際に、Bobと開発者との対話がどのように行われるかを示しています。Bobは、IBMについての組み込みのナレッジを備えているため、モダナイゼーション プロセスの際に必要となる情報(ファイル名、プログラム構造、プログラム フロー、およびSQLについての詳細情報など)について把握しています。

「どのコード アシスタントでも、その程度ならできると思います。私たちのコード アシスタント(Watson Code Assist)の初期バージョンでも、同程度のことはできていました」とWill氏は述べています。「しかし、私がここで示そうとしていることの多くは、Project Bobがどのようにして単なる説明以上のものを提供しているかということです。」

Bobの超人的パワー

一例として、プログラムがどのように機能するかについてのBobによる説明を受けて、Will氏は、このプログラムの中で改善できる部分があるかどうかをBobに尋ねてみました。「これは、従来のコード アシスタントが支援機能として行う範囲を明らかに超えています」とWill氏は説明しています。

Bobは、単なるチャットボットまたはコパイロットではありません(画像出典:IBM)。

Will氏のデモで、Bobはいくつかの改善の提案を行っています。エラー処理は限定的で、もっとモジュール化することができるはず。SQLをもっと効果的に使用すべき。また、ユーザー インターフェースも月並み、と指摘されたとWill氏は述べています。「このコードは、いくつかのモダンなRPGのコーディング プラクティスを使っていない。ドキュメント化が十分になされていない。」とも指摘されたと彼は述べています。

また、Bobは、IBM i アプリケーションにおけるセキュリティ上の問題を見つけることもできます。Will氏はデモの中で、データベース構造に関する具体的なセキュリティの推奨事項の提案をBobに求めました。Bobは、アプリケーションに過剰なパブリック アクセスが付与されていると指摘しました。

「漏洩する可能性がある機微なデータがあります」とWill氏は述べています。「これに対する所有権が適切に割り当てられていません。Bobは、まさしくIBM固有の情報(攻撃ベクトル、潜在的なセキュリティ脆弱性)のリストを示しました。」

Will氏は、Bobで開発される機能のリストに「セキュリティ アナリスト」を追加することは考えもしなかったと述べています。セキュリティの観点からAIが提供するアドバイスを検証するように依頼すると、従来のコード アシスタントが行うことの範囲を超えることになるとWill氏は述べます。

「Bobはコード アシスタントを超えるものです」と彼は続けます。「BobはIBM i のことをよく分かっており、IBM i がどのように攻撃される可能性があるか、IBM i 向けにソフトウェアを書いているときにどのようなことを行うべきか分かっているため、回答しようとすることができるのです。これはコード アシスタントをはるかに超えるものです。」

IBMは、Bobですべての要件を満たそうとしたため、Bobが確実にIBMマニュアルのナレッジや推奨事項を正確に反映できるようにしました。しかし、Bobはその先に進んで、エクスペリエンスを改善させる「独自の強み」をもたらすとWill氏は述べています。

「Bobは単なるチャットではありません。単なるコード アシスタントでもありません」と彼は述べます。「Bobはユーザーが何をしようとしているかを理解することができます。対話を通じて、相手の意図を明確にするための質問を尋ねます。軌道修正することもできます。」

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