IBM、Power8マシーンのハイエンドとローエンドをアップグレード
IBMは公式ではありませんが、4月末の発表レター(announcement letter 115-021)でローエンド、スケールアウトバージヨンPower S822とPower S822Lマシーンに幾つかのプロセッサーオプションを追加するとともにPower S814とPower S824Lマシーンのメモリーの増強を発表しました。さらに既存Power E870エンタープライズクラスのマシーンのメモリーを増強し、トップエンドの最大マシーンPower E880のプロセッサーオプションを発表しました。これらの大型システムはPower 770、780、795の後継機として出荷されましたが、Power 770、780、795はPower7チップで2010年に出荷され、以降Power7+へのアップグレードは提供されませんでした。従ってIBMがプロセッサーのリフレッシュ、アップデートを提供したのは5年ぶりということになります。
下図がPower E870とPower E880に加えられた基本的なフィードとスピードを示しています。
トップエンドPower E880は12コアのプロセッサーを持ち、各4ソケットを有するNUMA接続の4ノードのすべてで稼働する192コアの構成です。これら12コアのPower 8チップは多くのコアを持つ単一チップの実装あり、ひとつのソケットを共有する2個の6コアチップではありません。このコアは4.02 GHzで稼働します。このシステムの中の各4ノードは32個のメモリースロットを持ち、1ノードについて合計4 TBのメモリーを有しています。各ノードは8個のPCI-Express x 16スロットで、バックエンドから極めて印象的な256 GB/秒のI/O帯域幅を提供します。4ノードPower E880は16 TBのメインメモリーと1 TB/秒のI/O帯域幅を持つ32スロットで構成されている極めて巨大なサーバーです。メインメモリーはIBMの特性128 GBのメモリーカードによって構成されており、Power 8アーキテクチャーに向けた巨大メモリーバッファを使っています。
下図によってトップエンドPower 8ラインのイメージを掴んでください。
Power E870とPower E880マシーンの異なるオプションを検討するとき、メモリー容量、クロックスピード、コア数の相互関係に注意を要します。アプリケーションソフトウエア用に1コアごとに料金を支払う顧客はなおさら注意が必要です。
下記は、拡張されたPower E880のパフォーマンスに関して現時点で得られた情報です。
上図はIBMがAIXとLinuxワークロードの相対パフォーマンス(rPerf)を測るために使うオンライントランザクション処理のベンチマークテストで得られた数値です。私はこれらのマシーンのCPW値を追跡して把握してみます。それによってRPGとDB2 for iのワークロードにどのように匹敵するかが理解できるでしょう。しかしながら一般的に適用されるルールを採用します。またその内容は、128コアのPower E880は256 コアのPower 795とほぼ同じパフォーマンスであり、また192コアで稼働するPower E880はPower 795の約40%のパフォーマンスであろうということです。
(いいえ、IBM iのワークロードは128コア以上で測ることができ、IBM iとAIXワークロードの双方についてベンチマークテストは64コアの論理区画を使う傾向があります)
私はいつも言っているのですが、Powerのエコシステムを強化することはIBM iの寿命を延ばすことになります。いま重要なことはIBMがIBM iをOPAL及び廉価なOpenPowerプラットフォームに載せることだと私は考えます。Power7あるいはそれ以降をまだ使っていない約100,000のOS/400とIBM iのショップを前に向かって動かすことが望まれます。
Power SystemsラインアップのローエンドでIBMは4.1 GHzで稼働する8コアのPower 8チップをPower S822に加えました。以前のチップは3.4 GHz及び3.8 GHzで稼働していました。Power S822システムはいっそう速い4.1 GHzのPower8プロセッサーを使っており、16 GBあるいは32 GBのメモリーフィーチャーをサポートすることができるので(64 GBモジュールは不可能)、最高512 GBのメインメモリーになります。
Power S814とPower S824Lのメインメモリーが128 GBのメモリーカードを使って最大2 TBまで拡張されました。Power S824Lは4.15 GHzで稼働する8コアのプロセッサーあるいは3.52 GHzで稼働する12コアで構成されます。