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IBMi海外記事2015.06.24

開発言語とネイティブのフラッシュ・ストレージにハイライトが当たるテクノロジー・リフレッシュ

Guild Company, Inc.
Dan Burger 著

IBMがIBM i 7.1と7.2のテクノロジー・リフレッシュを発表したので、IBM のSteve WillとAlison Butterillに、高い評価が期待され、簡単に実装できる拡張は何であるかを訊ねました。彼らが選択したのはポピュラーな開発言語Java 8とPythonのサポートで、これに加えて仮想接続ストレージに代わるネイティブのフラッシュ・ストレージのサポートの拡張でした。

IBM iのチーフ・サイエンティストWillとIBM iのプログラム・オファリングマネージャーButterillは、TR 10 for 7.1とTR 2 for 7.2と指定されているこのOSのアップグレードについて多くを語ってくれました。この二人のエグゼクティブはIBM iのロードマップの運営、及びエンドユーザーとIBM i のISVからのフィードバックを取り入れての社内開発能力の活用に長けています。Technology Refreshesに組み込まれている全ての拡張がこのOSの全バージョンに向けて設計されているわけではありませんが、本稿では7.1と7.2に適用される拡張に触れます。

Java 8とPython

「このTRの結果ユーザーが最初に行うことの一つはJava 8への移行であろう」とWillは予想しています。さらに「人々は存在を知って以来Java 8を求めてきた。IBM iコミュニティーのJavaユーザーたちはパフォーマンスとセキュリティー双方の向上を熱望している」と付け加えました。

IBM社内では、Java 8のサポートによってIBM iが他のプラットフォームと同じレベルになり、IBM iのソフトウエア・チームがこれからは会社全体のJava開発プログラムに参画します。また各種の調査では2011年に導入されたJava 7に比べてJava 8の導入率が極めて速いことを示しています。

古いバージョンのJavaがセキュリティー上の弱点を数多く有していたことがJava 8の導入率を急速に高めるひとつの理由です。Java 6、7とJava 8の間で操作上の違いは特に有りません。

IBM iショップで仕事をしているJavaプログラマーの数、あるいはなんらかの数でJavaプログラミングを行っているIBM iのショップ数は不明です。しかしながら、2014年に行われた調査(IBM i Marketplace Survey)ではiショップの38パーセントが新しい開発にJavaを使っていることを示しています。これに比べて87パーセントのショップが開発にRPGを使っています。これらの数字を併せた合計が100パーセントを超えていることは、ショップが双方の言語を使っていることを示しています。

Willは「顧客たちがモダニゼーションを検討しているのでJavaについて多くの質問を受けた。言えることは、顧客たちは現在使っているRPGとCOBOLのスキルにJavaを加えるべきか否かを検討している」と言います。

IBM iのコミュニティーに明らかにJavaの開発者が居て、彼らはIBM iがJavaの最新のバージョンをサポートすることを期待しています。Java 8が使えるようになってからIBM iでサポートされるまでに13ヶ月のギャップが有ることで、サポートは急がれていないといえます。

「Java開発者が1年前よりも今日の方が多いか少ないかを明確には言えない。はっきり言えることは、いっそう多くの顧客が既存のコードを増やすために言語を他に拡げることを検討しているということ。その多くが、異なる種類のユーザー・インターフェースの必要に駆られてのこと。Javaは異なるユーザー・インターフェースに移行するのに良い言語だが、PHP、Ruby、Pythonも然り。我々には人々が他の言語にスキルを構築しているのが見える」とButterillは述べています。

WillとButterillによれば、IBM iにサポートされているプログラミング言語ということになれば多くの選択肢が存在していることが明らかです。二人は、過去5年間にわたりIBM iのコミュニティーでは、複数の選択肢が存在してそれらをOSがサポートすることを求める意識が高まっていると信じています。

企業はRPGから離れようとしているのではない、とWillは言います。企業はJava、PHP、そしていまRubyとPythonによる開発でRPGを拡げようとしています。これがIBMのこれらの分野に資源を割り当てようとしている理由です。

Willの推定によれば、Rubyのサポートを求めている顧客とPythonのサポートを求めている顧客の数は同数です。ISVのパートナーシップがRubyを容易にしたのでRubyのサポートの方が早く実現しました。RubyのサポートがPythonのサポートの関心に拍車を掛けました。

Willは「次の言語が何であるかは私には分からないが、人々が現代的なオープン言語と考える言語のセットを我々は完成した」と述べています。

IBM i上のPHPの成功はRubyとPythonを載せるための直近の取り組みに重要でした。

Zend Technologiesによるオープンソースの取り組みで早期に開発されたXMLサービスは、iのPHPに向けたインターフェースにより、プロセスの流れを作りました。このインターフェースはまたRubyとPythonで使われているとButterillは説明しています。

Pythonで多くの作業を行っている幾つかのベンダーが有ります。PowerコミュニティーはそのPython ISVの幾つかの領域、特にLinuxの分野を調査研究しています。
またButterillは、PythonのISVとIBM iのパートナー・ネットワーク間のパートナーシップの可能性を模索しています。

ネイティブのフラッシュ・ストレージ

この拡張はButterillの提言でTRに加えられました。Butterillはシステム管理者たちが最も強く求めていたのでTRのリストに含めたと説明しています。このTechnology Refresh以前は、IBM iのユーザーに向けたフラッシュ・ストレージはVIOS接続で行われていました。しかしながら一部の人々には受け入れられず、そのことが今回の結論を導いてネイティブに使用できることになったものであり、人々は直ちに導入すると思われます。

Willは「フラッシュが導入された当初、ネイティブ接続ではなかったのでiの市場には向いていないと考えられていた」「我々は先ず新しくVIOS接続にして、その後IBM iの顧客が欲していることが明らかになったときにネイティブ・サポートに持ってゆく」「フラッシュ・テクノロジーの最初のVIOS実装の後に我々はネイティブ・サポートにしたいと欲していた。仮想接続は満足のゆくものではなくなり始めており、これを我々の顧客が教えてくれたので今回TRのリストに加えた。高速のデータアクセスを必要としている顧客たちがネイティブ接続を欲しており、我々が真剣に取り組んでいることを知っていた」と説明しています。

「VIOSをサポートしているPowerVMなどを使っている多くの顧客は仮想化が大変複雑だと考えている」とButterillは言います。さらに「しかし私は、それは感じ方の違いだと強調したい。必ずしも事実ではない。我々はこの時点までPowerVMとVIOSでやって来ており、VIOSで接続することは彼らが考えているほど複雑ではない」と言います。

Willは、VIOSで簡単にできる事項も有り、ネイティブ接続を好む人々はそのひとつの方法しか経験したことが無い人であろうと言います。

Butterillは「経験のレベルに依存する。しかしながら、VIOSはPowerHAやLive Partition Mobilityといった他のタイプのテクノロジーの接続にドアを開いている。これらを行っている人々はVIOS接続を複雑とは感じていない」と語りました。

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