ニューオーリンズで新しい曲に合わせてCOMMONは踊る
ニューオーリンズでCOMMONカンファレンスが開催されるのは初めてではありませんが、今この時期のIBM i プラットフォームの立ち位置や、先週のバイユーの下流地域での出来事を考えると、今回が最高だったのかもしれません。
まず、この4日間のイベントは、約1,300名の参加者を集めました。昨年のカリフォルニア州アナハイムでのカンファレンスの参加者は1,200名だったので、着実に増えていることになります。しかし、一番の驚きは、COMMON POWERUp 2026参加者の約3分の1は、このカンファレンスへの参加は初めてだということです。つまり、約400名の参加者は、はるばる国内を旅して、ルイジアナ州南部の蒸し暑さの中で4日間を過ごしてもいいと思えるほど、IBM i 教育およびコミュニティは重要だと考えたということです。
言うまでもなく、ニューオーリンズは陽気な街です。有名なバーボン・ストリートやフレンチ・クォーターは、IBM i 系の人たちが1週間占拠したマリオット・ホテルから歩いてすぐのところです。「よく働き、さらによく遊べ」というタイプの人にとっては、国内広しといえども、これ以上の場所はほぼないでしょう。しかし、IBM i コミュニティが若い世代の躍動の最中にあることに変わりはありません。そして、そのことは、先週のPOWERUp 2026でも一目瞭然でした。
中には、飲酒が認められる年齢に達していない参加者もいました。 COMMON Education Foundation は、9つの大学から38名の学生をカンファレンスに招待しています。どんよりした長い年月が終わり、カンファレンスに健康的な若々しい輝きがもたらされるようになりました。 数年前にMarina Schwenk氏と彼女の同僚が陣頭指揮を執った New to i(N2i) グループは、会員数を増やし続け、「大人」も若者も含めて、様々な人々をこのプラットフォームに引き付けています。POWERUpセッションに参加している「若い子犬たち」に加えて、このカンファレンスには、「Pups & Cups(子犬カフェ)」プログラムの一環で、何匹かの愛くるしい本物の子犬たちも招かれていました。
若い学生たちが、IBM i の先輩たちから学ぶためにPOWERUpに集まったのだと思われるかもしれないと、COMMON Education Foundationの代表を務めるPete Massiello氏は述べています。しかし、その認識は間違いかもしれません。
「皆さんがここにいるのは、これらの学生たちから学ぶためだと私は思います」と、4月27日のPOWERUp 2026のオープニング セッションでMassiello氏は述べています。「昨晩、これらの若手プロフェッショナルたちと話をした20分間で、私は多くのことを学び、彼らが知っていることにただただ驚かれされました。彼らが情報を入手する速さ、彼らが行うこと、彼らが話すことは驚きでした。彼らはAIについて話すだけではありません。彼らは空気のようにAIを呼吸しているようです。」
POWERUp 2026では、iMPACT Challengeの受賞者の表彰が行われました。このチャレンジの受賞者として発表されたのは、ペンシルベニア工科大学(PCT)のGavin Bowers氏と、ペンシルベニア大学(UPenn)のKyle Schuller氏でした。このチャレンジでは、IBM i からデータを引き出して、機械学習技術を使用して小売業環境におけるデータを分析する、学生たちの腕前が競われました。IBM Power Skills Academyが主催したこのイベントは、IBM i を様々なテクノロジーとともに使用することに対する意識と関心を高めることを目的としたものでした。「中には、コンテストの前には一度もIBM i にアクセスしたことさえないという学生もいたようです」とMassiello氏は述べています。
カンファレンスでは、AIの姿を見失うことはありません。Massiello氏の言葉を借りれば、AIは空気中を漂っているようでした。 2週間前のCOMMONのプレビュー記事で触れたように、POWERUp 2026ではAIに関する約50のセッションが開催されました。これらのセッションのいくつかは、Bob(IBMが3月に提供し始めた新たなコーディング コパイロット)に関するものでしたが、他のAIトピックをテーマとした、さらに多くのセッションも開催されています。
最も盛況だったAIに関するPOWERUpセッションのいくつかは、このプラットフォームで存在感を高めつつあるIBMの若手エンジニアたちによって提供されました。Adam Shedivy氏、Sanjula Ganapeola氏、Ashwin Srinivas氏、およびLiam Allan氏といった若手エンジニアは、IBM Bobの機能から、 新たなMCPサーバー の可能性(技術的にはまだプレビュー段階にあるものの、本番環境で使用しているIBM i のショップもあるようです)に至るまで、最新のイノベーションに関する議論をリードしました。
AIテクノロジーをIBM i とともに使用することの極めて大きな可能性は、IBMのPower Systems部門の新たなゼネラル マネージャー、Hillery Hunter氏がオープニング セッションで行った基調講演の中心テーマでした。IBMフェローで、「インフラストラクチャー」事業グループのCTO(最高技術責任者)でもあるHunter氏は、IBM Researchを経て就任した、相当に高度なハードウェア技術の持ち主です。オークリッジ国立研究所(ORNL)の「Summit」スーパーコンピューターおよびその相方であるローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)の「Sierra」スーパーコンピューターにも携わっています(Summitは、2018年夏の公開時点で世界最速のスーパーコンピューターでした)。Hunter氏は、まったく初めてのCOMMONカンファレンスで、IBM i ベースに対して実直な印象を与えました。そして、好意的な印象はお互い様だったようです。
「IBM Powerのゼネラル マネージャーに就任して約6か月になります。他のコミュニティには内緒ですが、IBM i のミーティングは私のお気に入りです」とHunter氏は述べています。「Power Systemsで起こることに対する情熱や熱意は、テクノロジーと向き合い、皆さんにとってより良いテクノロジーを開発するよう私たち一人ひとりを駆り立てる原動力となっています。」
IBM i ユーザーの日々の現実は、スーパーコンピューターや、何兆ものパラメーターでのAIモデルのトレーニングという世界からは遠く懸け離れています。IBM i のショップは、最新の大規模言語モデル向けのトレーニング セッションのチェックポイントのことよりも、月末の人件費の処理が確実に問題なく進むようにすることの方がはるかに気になります。しかし、Hunter氏は、典型的なビジネス マシンと、急速に進化しているAI(人工知能)の機能が実り多い形で交差することを見込んでいます。
「皆さんには明らかとは思われないかもしれませんが、業界でも最も速いペースで移行できるまたとない機会があります」とHunter氏は述べています。「IBM i ならそれが実現できると心から信じています。なぜなら、エンドツーエンドで統合されているシステムは他にほとんど存在しないからです。そして、これからお話しするのはそういうことです。すなわち、エンドツーエンドで統合されているシステムを使用している場合に、どのようなものが得られ、どれくらい迅速にAIに移行することができるでしょうか。つまり、皆さんがいるのは、部品はすべて存在していても、自分たちで組み合わせてスタックを構築しなければならない環境ではなく、すべての部品が効率的に事前定義され、パッケージ化されており、すぐに使用できる環境だということです。」
Hunter氏は、IBM i のショップが、その気になれば、どれくらい迅速に、AIを採用してAIから真のビジネス上のメリットを得られるようになるかについて、いくつかの非常に際立った主張をしています。オープン システムでデータ レイクを稼働している組織は、基本的なデータ管理およびデータ ガバナンス タスクで悪戦苦闘していると彼女は正しく指摘しています。データ レイクの概念の支持者たちは、分散システム全体で拡張性を得るためにデータベースを分解した後で、自身のデータの信頼性が失われたことに気付いたため、データにおけるトランザクションをサポートする層を追加しなければなりませんでした。
しかし、これらの保証および制御は、統合されたDb2 for i データベースのおかげで、IBM i プラットフォームには元々組み込まれています。IBMがPower11に組み込んだ新たな行列演算アクセラレーターや、AI推論ワークロードに取り掛かるのを待つばかりの新たなSpyreアクセラレーターは言うまでもなく、セキュリティ、信頼性、数十年にわたって最も要求の厳しいアプリケーションを稼働してきた実証済みの性能といった、このプラットフォームの他の特性を足し合わせると、この方程式は、Hunter氏の立場からはかなり有望に見えるようです。
「データ アクセスおよびガバナンス制御、データ品質、基礎となるシステムの可用性、こうした考慮事項はすべて、CIO(最高情報責任者)コミュニティが悪戦苦闘していることです」とHunter氏は述べています。「だからこそ、最もAI対応できている基盤が皆さんの手の中にあると大胆な主張をしたわけです。皆さんはそうした重要データをお持ちだからです。それは適切に管理され、適切に制御されています。そうなると、問題は、それを使って何を行うかということです。」
Massiello氏などからも指摘があったように、若者層はすでにAIを使って速やかに前進しています。この先どうなるかは誰にも確かなことは言えませんが、先週のニューオーリンズでのPOWERUp 2026カンファレンスから判断できるとすれば、AIは、このマシンとそれを支えるコミュニティに再び若々しい活力を吹き込むきっかけとなることも十分にあり得るのかもしれません。
