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IBMi海外記事2026.04.08

IBM、Power10システム販売の段階的縮小を開始

Timothy Prickett Morgan 著

信じられないかもしれませんが、Power10プロセッサーをベースにした、大型で強力なPower E1080は、 2021年9月から販売されてきました。エントリーおよびミッドレンジ マシンなど、他のPower10ラインのマシンは、 2022年7月に発表されています。そして今、Power S1112 Mini(間もなく発表されるはずです)を除いて、上位マシンから下位マシンまで、 Power11が大量に出荷されることが昨年7月に発表されておりIBMがすべてのPower11マシンでBTO(Build To Order: 受注生産方式)を採用していることからすると、IBMができるだけ早くPower10アイアンの販売を終了しようとするのも至極当然のことと言えるでしょう。

新たな世代へ移行するべき時です。

ただし、慌てることはありません 。IBMは、Power10プロセッサーをベースにしたシステムの販売を終了した後も、長期にわたってPower10マシンをサポートするからです。さらに、多くのPower10周辺機器は、在庫がなくなるまで、今後数年間は販売されるでしょうし、中古システム再販業者を通じて入手可能なPower10機器もかなり大量に供給されるでしょう。

IBMは、何かの販売を終了する際に、いきなり終了するというようなことはしません。IBMは、通常は約6か月前から(場合によってはもっと前から)、顧客に様々な通知を行います。今回、中国と韓国は、Power10アイアンを購入できる期間が、他の国に比べて1年長くなっていますが、これは特異なケースです(詳細については後述します)。

1月13日付けの 発表レター「AD26-0012」で、IBMは、2026年7月31日より、中国と韓国を除く、すべての国で、以下のマシンは販売されなくなると述べています(中国および韓国では、2027年7月30日までIBMからこれらのマシンを購入することができます)。以下のマシンが対象です(大型から小型の順に並べています)。

  • Power E1080: 9080-HEX
  • Power E1050: 9043-MRX
  • Power S1024: 9105-42A
  • Power L1024: 9786-42H
  • Power S1022: 9105-22A
  • Power L1022: 9786-22H
  • Power S1022s: 9105-22B
  • Power S1014: 9105-41B

営業活動終了のリストに、「Bonnell」 Power S1012 Miniシステム( 2024年5月に発表されたハーフワイドのPower10マシン)が掲載されていないことにお気付きでしょうか。これは、後継となるPower S1112 Miniが、これまでのところまだ発表されていないためです。

この営業活動終了は、Power E1080向けのマシン アップグレード(IBMの用語で「MES(Miscellaneous Equipment Specification: 各種装置仕様)」)には適用されません。以前のシステムからこのマシンへのアップグレードは引き続き利用可能であり、シリアル ナンバーを保持して償却期間を長くするのに有用です。これは、大型のPowerアイアンを使用する企業のバランス シートにとっては重要です。Power10製品ラインの他のマシンは、私たちが知る限り、以前のモデルからのMESアップグレードは利用可能ではありません。IBMは、Power Systemsラインで、エントリーおよびミッドレンジ マシンのシリアル ナンバー保持アップグレードをずっと以前に終了しています。

IBMは、営業活動終了となるマシンに加えて、これらのマシンでの、あるマシンから別のマシンへの移行(これは、IBMが使用している意味での アップグレード と同じものではありません)の過程で使用される、静的およびモバイル プロセッサー アクティベーションも、2026年および2027年7月のそれぞれの終了日より後には販売されなくなるとしています。また、様々なレベルのIBMからのAdvanced Expert CareおよびPower Expert Careサービスについても、それらの終了日より後には、これらのPower10マシン向けには販売されません。さらに、一部のネットワーキング ケーブルおよび電源コードも、時を同じくして販売カタログから外され、小型のマシンでは、数多くのプロセッサー フィーチャー カード、アダプター カード、DDR5メモリー カード、フラッシュ ストレージ デバイス、およびその他の周辺機器も販売終了となります。この営業活動終了の適用対象は、新規のシステムのオーダーのみです。つまり、既存のPower10マシンに追加される個々の周辺機器のオーダーには適用されないようです。

皆さんはどうか知りませんが、今のような不安定なサプライ チェーンについては、私はまったく信頼していません。したがって、私のアドバイスとしては、Power10マシンをお持ちであり、そのマシンに何か追加した方が良いかもしれないと思う場合には、基本的には今年の7月末までに購入の処理を「 git 'er done 」(完了)する必要があります(中国および韓国を除く。中国の場合は、来年の7月までに「 把它做完 」(完了)する必要があり、韓国の場合も、「 ヘネダ 」(完了)する期限は同じです)。一部の周辺機器がそれ以降も直接IBMから入手できた場合は、それはボーナスと思ってください。

通常通り、これらの営業活動終了は、Power10プロセッサー アクティベーションまたはメモリー アクティベーションには適用されません。IBMは、これらのCPUおよびメモリー キャパシティでは、マシン内に残されている潜在的なキャパシティをいつでもアクティベートさせてくれます。ともかく、お金を受け取れるのは嬉しいことです。

それでは、中国と韓国の話に戻ります。Power9プロセッサーおよび後続のPower10プロセッサーは、これらの2か国(およびその他のアジア太平洋地域諸国)では、バンキング、金融サービス、および保険代理店でのアプリケーションの稼働で非常に幅広く利用されています。もしかすると、これらの顧客からもっと長くPower10アイアンを利用したいとの要望が寄せられているのか、はたまた、これらの国で過剰在庫を抱えているのかもしれません。あるいは、IBMは、Power11に関して中国への輸出規制発動の可能性について懸念しているのかもしれませんが、それでは韓国についての説明にはなりません。あるいは、関税がひっきりなしに上下しているため、IBMまたは再販業者が中国および韓国ですでにPower10マシンの在庫を抱えていて、Power11の売り込みを本格化する前に処理しておきたいというだけなのかもしれません。

確かなことは、IBMが本当にPower11アイアンを販売したがっているということだけであり、そのことは、多くのPower8およびPower9アイアンが中古市場に出回ることを意味します。サイクルの非常に早い時期にPower10を購入した場合を除けば、多くの顧客がPower10からPower11へ移行するとは思われません。確かに、Power10とPower11との間には重要な違いがいくつかありますが、そのために、厄介で大変なアップグレードまたはシステム移行を行わなければならないというほどの違いでもありません。また、テクノロジー リフレッシュ メカニズムのおかげで、IBM i 7.5が、完全に最新に保たれているからというわけでもないでしょう。Power10顧客は、今から数年後、おそらく3年後あたりに、Power12アイアンの登場を期待しているのでしょう。

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