IBM iの市場調査で初めて判ったこと
IBM iのミッドレンジ・コミュニティーは現状維持主義者であるとの評判が一般に抱かれています。しかしながらそれは変化に反応しないという意味ではありません。経済環境の変化、経営層からの対費用効果に対して強まるプレッシャー、そして競争力の強化はモダニゼーションを必要とする現実、これらによって現状維持主義者の考えは動くでしょう。果たしてそうでしょうか。ただ、今日までIBM iのショップに関する統計がほとんど存在しませんでした。
しかしながら、今回新たにHelpSystems社がその調査を行い、未だ調査結果の全ては公表されていませんが、私はいくつかの事を知らされて驚いています。例えば;
この調査においてIBM iを稼働させている企業の約63パーセントが現在7.1バージョンのオペレーティングシステムを使っています。そして24パセントは6.1です。合計すると87パーセントであり、 7.2及びV5R3とそれ以前のリリースのユーザーが1桁台のパーセンテージになります。
(調査結果はIBM i 6.1 と7.1が支配的であることを示しています)
これらの数字を以下とマッチさせると;
調査対象者の38パーセントは1台のPower Systemsサーバーで業務を行っており、50パーセントがIBM iシステムを 2システムから5システム使って業務を行っています。私が計算によって導いた結論は、すべての調査対象者の88パーセントが5台あるいはそれ以下のカテゴリーに入ります。これらの数字を考慮すると調査したグループの62パーセントがIBM iのパーティションを使っています。
なお、調査対象企業を従業員数で見た場合、約60パーセントが1,000人以下で残り40パセントが1,000人以上です。
調査参加企業が懸案事項としてトップに挙げているのはアプリケーションのモダニゼーションで、59パーセントがこのボックスにチェックを入れています。第2番目の懸案事項はハイアベイラビリティ―です。第3番目はIBM iのスキルを持った従業員の減少です。
これは単なる氷山の一角です。私が此処でお知らせできることは極めて基本的な事柄です。しかながらそれはIBM iのコミュニティーが我々に見せている絵とは別のぼやけた絵に色を添えるものです。
調査内容の全てが3月に公開されるとき、そのデータから更に広がる詳細が含まれるでしょう。例えば、上記のサーバデータと比較することができるパーティションの使用に関るデータです。併せて、サーバーを自社外のサイトに移動してサービスプロバイダーに管理させる傾向に関るデータ等です。
調査におけるその他の質問は、ビジネス・インテリジェンスとデータ解析、テープバックアップとディザスターリカバリー、IT部門におけるPower Serverと他のサーバー上のAIXとLinuxの頻度などに掘り下げられています。
このデータの大部分は2014年9月と10月に収集されました。HelpSystemsは自社の顧客と見込客にEメールを送って調査への参加を促しました。
調査で得られた回答の数は350社でそのうち52社は北米の調査対象者です。
この最初の調査は将来における継続調査で変動を知るための基準値になると私は考えています。傾向は基盤がなければ把握するのが困難です。人は知り始めたとき、そこに至る道程がいかに遠かったかを知らなければなりません。これはさらなる追加調査、分析、及びレポートの基盤を形成するものです。
これらのデータから他の事項を自然に評価することもできます。データは特定の製品とテクノロジーに関する満足度及び普及度のレートを明らかにします。これはIT戦略をサポートあるいは正当性を確認するのに役立つツールとも成り得るものであり、また見逃されていたトレンドを見いだすのにも使えます。
HelpSystemsがこのプロジェクトを成功させるために強く望んでいるのは賢慮されたリーダーシップと信頼できるアドバイザーの存在です。過去、PowerTechが「State of IBM i Security」と題する10年間のレポートを発表して、その価値は実証されています。