Rustプログラミング言語をIBM i に追加すべき時では?
今年2月、IBMは、Rustプログラミング言語をAIX Unixオペレーティング システム バリアントに導入したことを発表しました。Rustは、言うまでもなく、Red Hat Enterprise Linux上ではずいぶん前から利用可能でした。しかし、IBM i プラットフォーム上では、Rustはこれまでサポートされてきませんでした。PASE AIXランタイム(UnixアプリケーションをIBM i に導入する一般的な方法)でのサポートも、IBM i 内でネイティブに再コンパイルされることもありませんでした。
AIX向けRust SDKの初期リリースは、安定版のRust 1.84リリースをベースにしており、IBMのAIX向けC、C++、およびFortranコンパイラーで使用されているのと同じLLVMコンパイラー フレームワークを使用しています。このAIX向けRustコンパイラーは、Red Hat Enterprise Linuxや他のシステム ソフトウェアと同様に、サポート付きのサブスクリプション契約で利用可能です。
5月16日、IBMは、Rustコミュニティの時流に則して、Rust 1.86をベースにした、AIX向けRust SDKのアップデートをリリースしました(詳細については、 発表レター「AD25-1068」を参照)。これを受けて、IBM i でもRustが利用できるようになるべきではないかと考えるようになりました。その場合、多くの機能やデータベースやプログラミング言語がそうであるように、RustをPASEに組み込むのが、これを実現する良い方法だと思います。
Rustは、2010年に発表され、2015年に1.0リリースに至りました。Rustは、Amazon、Google、Microsoft、Meta Platforms、および他の多くの企業によって使用されており、CおよびC++と同等のパフォーマンスを実現し、また、Javaとは異なり、パフォーマンスの抑制要因となるガベージ コレクションを必要としません。Rustは、Cおよびアセンブリ言語とともに、Linus Torvalds氏がLinuxカーネルへコードを受け入れる3つの言語の1つである点で注目に値します。Rustは、RPGやCOBOLに比べると、はるかに低水準の言語ですが、CまたはC++に比べてはるかに使いやすく、Javaほど煩雑でも低速でもありません。Rustは、最も急速に普及しているプログラミング言語の1つであり、そのことが、IBM i プラットフォームに導入するべき主な理由です。さらに、新しいプログラムがますますRustで書かれるようになるでしょうし、Rustがサポートされれば、新たな素晴らしいものがIBM i プラットフォームにもたらされるでしょう。
ご賛同いただける方は、IBMにそう伝えてください。