見えている仮想テープのサイズは幻なのかも?
Question
弊社ではディザスターリカバリーの一環で、バックアップはテープへの保管と、e-bellnetで過去紹介されている仮想テープを用いたテープ複製の内容を活用し仮想テープを用いた保管を実施しています。
参考:1つのテープドライブでテープの複製をしたい
https://www.e-bellnet.com/category/technology/1803/1803-130.html
さて、実は先日ディスク容量の不足があり警告メッセージが発報されてしまいました。
そこで各オブジェクトのサイズを確認していたところ、テープ・イメージの割り振りサイズがかなり大きいことに気づきました。
サイズ的に*ALLUSRライブラリーを取ったのではないかというくらいです。
確かに過去取る対象を絞っていなかった時は*ALLUSRで取っていましたが、今はもっとサイズが絞れているはずです。
更に毎度取得後、FTPでテープ・イメージをローカルPCに転送後、INZTAPを実行してデータ消去*YESにしているため、データは消えているものと考えています。
WRKIMGCLG(イメージ・カタログ項目の処理)から、12(項目の処理)を開いてみると、割り振りサイズは1になっています。
割り振りサイズのヘルプを見ると、イメージ・カタログ項目に関連した仮想ボリュームの現行割り振りサイズ(メガバイト単位)とあるのでデータ的には1MBしかないはずだと思っていたのですが、WRKLNKにてイメージファイルのサイズを見ると、オブジェクトの割り振りサイズが全然違いました。
INZTAP実行前と実行後でオブジェクト・データ・サイズの値は小さくなったのですが、オブジェクトの割り振りサイズに変化がみられないのです。
ディスク容量にも変化がないため、この「オブジェクトの割り振りサイズ」値が実際の容量に関係していると推測しています。
百歩譲って表記がページごとに違うのはいいのですが......実際の容量問題を解決しないとまた警告が出てしまうのではないかと思っています。
Answer
今見えている割り振りサイズ、それ、まぼろし~👆
という事で、厳密には勿論、意味のある数値なのですが、イメージファイルの実際のサイズを判断されたい場合には、どうにも厄介ですよね。
実は仮想テープイメージファイルの実際のサイズというのはWRKLNKで確認いただいたオブジェクトの割り振りサイズ分を確保しています。
→図2. の167,772,160(byte)のほうです
重要なのは一度、同じイメージのボリュームに*ALLUSRを取ったことがある。という点になります。
その*ALLUSRを取得した際に、オブジェクトの割り振りサイズが*ALLUSR容量分に拡張されてしまっているのです。
この拡張されたサイズの変更はテープ初期化(INZTAP)のタイミングでサイズの変更はされません。
割り振りサイズを開放するにはCHGIMGCLGEコマンドによるオブジェクト割り振りサイズの変更操作が必要となります。
-
イメージ・カタログからテープ装置をアンロード
またはLODIMGCLG IMGCLG(IMGCLG名) OPTION(*UNLOAD)
WRKIMGCLG より9=アンロード
-
イメージ・カタログの最小化
CHGIMGCLGE IMGCLG(IMGCLG) IMGCLGIDX(n) ALCSTG(*MIN)
※nはイメージ・カタログ内のボリューム順序番号です
実行すると
オブジェクトの割り振りサイズは確りとスリムになりました。
ディスク容量にも同様の変化が見て取れるでしょう。
まぼろし~👆 じゃないスリムボディを手に入れるためには一手間が必要ということですね。
by 大熊猫橋