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IBMi海外記事2024.04.10

IBM、VS Code向けのDb2 For i拡張機能をリリース

Alex Woodie 著

VS Codeでの、Db2 for iデータベースを利用するILEアプリケーションの新規開発に興味をお持ちではないでしょうか。興味をお持ちの方には朗報です。先日、IBMが、VS CodeでのILEプログラミングを可能にする超人気の開発環境であるCode for IBM i 向けの、オープンソースのデータベース拡張機能、「vscode-db2i」を開発してリリースしたからです。

ちょうど2年ほど前に、Liam Allan氏が開発してリリースした Code for IBM i の高い人気は、どれだけ誇張してもし過ぎることはありません。このオープンソースのプラグインは、MicrosoftのVS CodeにILE機能を提供し、重量で高価なRational Developer for i(RDi)とは対照的に、軽量なブラウザベースのIDE(無償でもあります)で、プログラマーがRPG、COBOL、C、およびCLコードを書いたり編集したりすることを可能にします。

現在のところ、このプラグインのダウンロード数は22,000回を超えています。これは、世間から隔絶気味のIBM i エコシステムとしては目を見張る回数です。しかし、このIDEの人気は非常に高く、また、IBM i デバッガーへのアクセス機能( 昨年2月にCode for IBM i に導入された 極めて重要な機能です)の追加など、統合性が高められてはいるものの、その他にも、データベース機能など、機能ギャップはいくつか残されていました。

そのギャップは、開発者がDb2 for iデータベースをVS Codeアプリケーションに取り込むことを可能にするデータベース拡張機能である、vscode-db2iによって埋められることになります。

ミネソタ州ロチェスターのIBMラボでDb2 for iデータベースの開発を担っている、シニア テクニカル スタッフ メンバーのScott Forstie氏は、Code for IBM i 内でのデータベース機能の必要性は一目瞭然だったと述べています。

「IBM i は、数多くの特徴で知られていますが、一番、顕著に知られているのは「データベース マシン」としての役割です」と、Forstie氏は『 IT Jungle』に述べています。「Code for IBM i は、IBM i 上での稼働が意図されたアプリケーションを開発するためのオープンで拡張性の高い環境を提供します。他のアプリケーション開発ツールと同様に、時間の経過とともに、アプリケーション開発者が必要とするデータベース機能をツールに取り入れることが、広く求められるようになってきたことは明らかでした。そうしたことから、Code for IBM i 向けのデータベース拡張機能が開発されることになりました。」

新たなvscode-db2i拡張機能は、Code for IBM i を使用している開発者に、Db2 for iデータベースへのアクセスを提供します。

vscode-db2iの開発には、何人かの開発者が関わり、7月にバージョン0.3.2のプレビュー版としてリリースされました。開発メンバーには、今はIBM社員となっているAllan氏や、ロチェスターのオープンソース担当ビジネス アーキテクトのJesse Gorzinski氏、そして何人かのIBMのソフトウェア エンジニアも含まれています。

vscode-db2iが、VS Codeで作業する開発者に提供する機能には、Db2 for iの広範囲にわたるSQL機能へアクセスできる機能も含まれているとForstie氏は述べています。

「このデータベース拡張機能は、開発者が必要とするものへの統合された超高速なアクセスを提供します」と、Db2 for i担当IBMビジネス アーキテクトは述べます。「開発者が物理データ モデルや仮想データ モデル内のレイアウトおよびデータを理解する必要がある場合は、Schema Browser(スキーマ ブラウザー)をクリックしてドリルインすることにより、必要なものを素早く見つけることができます。SQLはIBM i で非常に幅広く使用されている言語であるため、開発者がSQLステートメントを作成し、実行できる必要があることもはっきりしていました。SQLは、その次の優れたアプリケーションの基盤的な構成要素となることもできますし、あるいは、エンタープライズ アプリケーションによって使用される、重要な既存のデータ アクセス方式との調整役となることもできます。」

SQLを使用するのが初めてというVS Codeユーザーは、vscode-db2iによって、SQLステートメントの作成を支援する用例や機能が提供されることを知って何よりだと思うでしょう。SQL Job Manager(SQLジョブ マネージャー)には、様々なスタイルのアプリケーションおよび環境の要求を満たすのに必要なすべての構成用コントロールがあります」とForstie氏は述べています。「これらすべての機能により、ユーザーは、1つのツール内に留まったまま作業することが可能となり、ユーザー エクスペリエンスの向上を実感できます。」

Db2 for iは、IBM i 開発者に非常に多くの機能を提供しています。そのため、オープンソースの拡張機能の最初のリリースで、そうしたすべての機能をサポートするのは不可能です。そこで、IBMが目標としたのは、データベース開発に必要なより少数のコア機能をユーザーに提供し、まずは開発を始めてもらうことだったとForstie氏は述べています。

「私たちの戦略は、広範囲かつ詳細にわたるデータベース機能の中から、IBM i アプリケーション開発者の作業環境をさらに活気にあふれるものへと拡張するようなトピックを見極め、その部分に焦点を合わせるというものです」と彼は述べています。

7月にプレビュー版としてリリースされて以降、vscode-db2iは、10,000回以上ダウンロードされ、五つ星の評価を獲得しています。

vscode-db2iデータベース拡張機能に加えて、IBMは、このデータベース拡張機能が機能できるようにするのに必要なサーバーサイド環境を提供する、「CodeForIBMiServer」を開発してリリースしました。CodeForIBMiServerはGPL-3.0ライセンスの下でリリースされます。一方、vscode-db2iデータベース拡張機能はMITライセンスの下でリリースされています。

「このDb2 for i拡張機能は、現行の形態ではサーバー コンポーネントを必要とします」とForstie氏は説明しています。「このコンポーネントは、パフォーマンスの向上を実現し、先進機能を簡単に追加できるようにします。」

このデータベース拡張機能は、サーバー コンポーネントのインストールの管理を行うとForstie氏は述べています。「Code for IBM i がインストールされているシステムに接続すると、ユーザーは、CodeForIBMiServerのインストールまたは更新のいずれを行うか確認するように求められます」と彼は述べています。「データベース拡張機能を介して接続されるIBM i 環境にインストールされるようにするには、ユーザーはそのまま「yes」と応答する必要があります。」

vscode-db2i拡張機能は、Microsoft Visual Studio Marketplace のこちらのページ からダウンロードすることができます。または、直接、GitHubの こちらのページから入手することも可能です。CodeForIBMiServerの詳細については、GitHubの こちらのページを参照してください。

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