IBM i デバッガーがVS Codeに登場
ようやく、IBM i 開発者は、Rational Developer for IBM i またはMerlin以外の開発環境で、コードのデバッグを行えるようになりました。この知らせが届いたのは、先週、Liam Allan氏が、Code for IBM i でILEデバッグ機能が利用可能になったと発表したときのことです。Code for IBM i は、Liam Allan氏によるサードパーティ製の、IBM i 中心のVisual Studio Code向けプラグインです。
「いつもと同じように@code内でILE COBOLやRPGLEもデバッグできる!」と、Allan氏は自身のTwitterアカウント、@Notesofbarryからツイートしています。「このリリースにワクワクしている #ibmi。」
実際、この日は、長い間、待ち望まれていました。RDiに対する嫌悪感を遠慮することなく表していたAllan氏は、何年もの間、RDiからデバッガーを切り離すよう IBM に求めてきました。
彼がデバッガーについて声を上げ始めたのは、RPG開発者向けのRDiの軽量な代替製品に対する彼の初めての挑戦だった ILEditorを開発し始めた 数年前 のことでした。そして、彼は、Halcyon Software社で彼と彼のパートナーが開発した無償のVSCodeプラグイン、 Code for IBM i に取り組みながら、解放運動を続けます。
Allan氏のデバッガー解放運動は、昨年、IBMが、重量なJavaベースのRDiクライアントの代わりとなる、IBM独自の軽量なブラウザベース製品、 Merlinをリリースしたことで、大きく弾みがつきました。Code for IBM i と同様に、MerlinはVS Codeベースで稼働し、CI/CDプロセスを管理するGitおよびJenkinsのようなオープンソース ツールや、 ARCAD Software 社からのIBM i ツーリング( Red Hat社からのOpenShiftコンテナは言うまでもなく)も組み込まれています。
IBMがMerlinを開発してリリースしたのは、Allan氏が目にしたのと同じものを目にしたからです。すなわち、IBM i インストール ベースの間での、より使いやすい、軽量の、よりオープンな開発環境に対する要望です。これらのオープンIDEは、PHP、Python、およびNode.jsのようなオープンソース言語で作業するIBM i 開発者にはすでに利用できるようになっていました。しかし、RPGやCOBOLのような、IBM i でよく使用されているネイティブなILE言語に関しては、IBMのラインアップには隙間があったということです。
IBMは、Merlinをリリースした際に、ゆくゆくはRDiからデバッガーを切り離す必要があるだろうと実感していました。IBMが統合されたデバッガーなしで思い切ってMerlinを市場に送り出したことからは(RPGおよびCOBOLアプリケーションを本番向けに十分にテストすることはできません)、IBMがこの製品を開発者の手に届けることに、どれほど前のめりだったかがうかがわれます。
いずれにしても、IBM幹部は昨年の COMMON POWERUpカンファレンスで、RDiおよびIBM Toolbox for Java(デバッガーはJARファイルとしてバンドル)から すでにデバッガーを切り離して おり、ラボでワーキング コピーを稼働させていると述べていました。後は、Merlinで新たに切り離されたデバッガーをテストし、リリースに向けて準備を整えるだけだとIBM幹部は述べました。
そして、その発言の通りに、IBMは、秋のIBM i 7.5、7.4、および7.3向けテクノロジー リフレッシュの一部として Merlinのデバッガーを発表 しました。Merlin向けIBM i デバッガーの詳細については、 IBMドキュメンテーションのこちらのページを参照してください。
今度は、Code for IBM i がデバッガーを統合する番です。先週、Allan氏は、Visual Studio Marketplaceで IBM i Debug が利用可能になったことを発表しました。同製品のページの説明によれば、IBMデバッガーをベースとしているこのプラグインは、Debug Adapter Protocol(DAP)クライアントを提供し、MerlinまたはCode for IBM i とともに動作するということです。
IBM i Debugのドキュメンテーションによれば、デバッグ サービスには、PTFのインストールが必要です(IBM i 7.3、7.4、7.5のいずれを稼働しているかによってPTFは異なります)。デバッグ サービスのセットアップ プロセスは、Code for IBM i による画面の案内に従って進めることができます(まだ稼働していない場合)。
デバッグ サービスが稼働したら、ユーザーはCode for IBM i のUIを通じて作業を行えます。ユーザーは、ボタンをクリックするだけでデバッグ セッションを開始できます。ドキュメンテーションによれば、デバッガーは再生モードをサポートします。ブレークポイントは、デバッグに先立って設定することも、デバッグ セッションの途中で設定することもできます。
IBM i デバッガーをRDiから解放することは、IBM i コミュニティの多くのユーザーの長年の目標でした。そして、MerlinおよびCode for IBM i への接続により、新たに解放されたデバッガーを開発者が稼働できる場所が2つできたことになります。