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IBMi海外記事2023.06.28

POWERUp 2023からのPowerに関する最新情報

Timothy Prickett Morgan 著

普通でない年月を過ごした後では、普通と感じられることを行えると励みになります。たとえば、かつてはCOMMON春季ユーザー カンファレンスと呼ばれ、今はPOWERUpと呼ばれているもの、つまりはPOWERUp 2023へ出掛けることもその1つです(大文字小文字の使い分けについては、私はひたすら正式な表記を使用するようにしています。そうでないと編集時にJennyに直されるので)。穏やかな暮らしから外へと出掛けるのは億劫なものがあります。長年、月に何度もあちこち飛び回る生活をしていた後ではなおさらそうですが、私が賑やかな会話や美味しいビールや料理を楽しんでいたこともまた、嘘ではありません。

では本題に戻ります。今回、参加できなかった皆さんのために、Alexと私とで、POWERUp 2023に参加して見聞きしたことについて、その概要を皆さんにお伝えしようと思っています。COMMONのプレジデントのDawn May氏の講演は、冗談交じりのたとえ話で始まりましたが、それについてはここでお伝えすることはしません(おそらく、COMMONはPOWERUp 2023サイトで、講演の模様を抜粋した動画を公開すると思います。もっとも基調講演の全編公開まではしないでしょうが)。IBMのPower Systems担当バイスプレジデント兼グローバル オファリング マネージャーのSteve Sibley氏は、IBM i ビジネスについて、そしてIBMがこのプラットフォームで行い、このプラットフォームのために行っている重要なことについて、プレゼンテーションを行っています。

Power Systemsのエグゼクティブたち。写真左から、Steve Sibley氏(バイスプレジデント兼グローバル オファリング マネージャー)、Gina King氏(ISVエコシステム担当ディレクター)、Dave Nelson氏(IBM i 開発担当ディレクター)、Alison Butterill氏(IBM i プロダクト マネージャー)

「2022年は、とてつもなく好調な1年でした」とSibley氏は説明します。「IBM Powerの業績を見てみると、昨年は2桁の伸びを達成しています(2021年末にPower10を投入し、昨年のCOMMONの直後にはスケールアウト システムでアップデートを行っています)。そして、IBM i の視点で見れば、非常に力強い2桁の伸びと言えます。つまり、IBM i は、プラットフォーム全体と比べても、より力強い伸びを示しているということになるでしょう。顧客が機能を拡張し、フル活用しようとする傾向は、今後も続きそうです。」

こうした伸びのおかげで、Power Systemsプラットフォームを支える資金も増えていますが、実のところ、Power Systemsプラットフォームに移って来る新たな顧客も増えているようです。その数がどれくらいなのかについては、たとえ知っていたとしても、Sibley氏は自由に話せる立場ではなかったようです。IBM i とPower Systemsの売上額について話せないのと同じことです。米国証券取引委員会(SEC)は、一般に公表していない財務情報の選択的情報開示に対しては眉をひそめています。

「今年はISVやビジネス パートナーと話をする機会が多かったのですが、もうひとつ、私にとって非常に興味深いことは、実際のところ、彼らがこのプラットフォームに新規顧客を連れて来てくれているということです」とSibley氏は続けます。「つまり、このプラットフォームおよびそのビジネスを利用しているコミュニティが全体として支えてくれているからこそ、このプラットフォームに投資し続けることができているのであり、また、ビジネスに合わせてアプリケーションを強化拡張するのに必要なものを提供し続けることができているのです。IBM i ビジネスはIBMにとって実に心強い存在であり、何世代にもわたって投資し続けられることになるでしょう。イノベーションはあと35年続くと私は予言します。少なくとも次の10年に向けてのプランがあるのは確かです。」

IBMがPower11、Power12、およびPower13をいつ投入するかにもよりますが、Power Systemsの世代で言うと、あと2.5世代~3.3世代ということになるでしょうか。

その他にも、Sibley氏がプレゼンテーションの中で話してくれた、興味深い情報がいくつかあります。

  • Large User Group(LUG)には100社以上の企業が参加しており、そのうち55%では、IBMがIBM i 環境に統合してきた数多くのオープンソース システム ソフトウェア パッケージの1つを使用している。その数字が思ったほど高くなかったことは多少驚きだが、増加すると思われる。
  • Power10プロセッサーに統合されているMatrix Math Accelerator(MMA)ユニットは、AI推論を実行することを目的に設計された。現時点では、低精度推論実行モードで、1台のPower10プロセッサー単独で、Power9プロセッサーと無数のGPU(おそらくはIBMが2017年および2018年に同社のスーパーコンピューターと接続して使用していた「Volta」V100 GPU)との組み合わせを、8倍差で圧倒できる。
  • Power S1014は、IBMで出荷台数が最も多いPower10サーバーであり、IBMは「それらを数千台」出荷している。
  • Power9の売上推移とPower10の売上推移とを見比べてみると、Power10は、出荷開始時点および売上拡大時点でPower9を上回っている。売上額がこれを裏付けている。
  • IBMのPower Virtual Serverクラウド サービスの顧客数は、昨年の今頃の時点で約300社だったが、この12か月で倍増し、600社を超えている。それらの顧客のうち、1/3はIBM i インスタンスを稼働している。
  • 今年末までに、IBM i スタックのすべてのライセンス プログラム製品(LPP)は、永続ライセンス&「ソフトウェア・メンテナンス」だけでなく、サブスクリプション料金プランでも利用できるようになる。
  • • IBMは、P05クラス マシンを、ハードウェアのサブスクリプション料金プランで提供しているが、今年半ばには、ハードウェア サブスクリプションがP10クラス マシンで利用できるようになる。

POWERUp 2023では、数多くのセッションに参加し、多くの人達と話をすることができました。POWERUp 2023についてのレポートは、まだまだ続きます。

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