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IBMi海外記事2021.06.23

IBM、新たに追加および改善されたIBM i サービスを発表

Alex Woodie 著

IBM i サービス(オペレーティング システムの幅広いタスクをSQLベースで実行できる機能)がお気に入りという方には朗報です。昨日発表され、今週金曜日にリリースされるIBM i 7.4および7.3向けのテクノロジー リフレッシュ(TR)に、いくつかの新たに追加および改善されたIBM i サービスが含まれているからです。

IBM は、このオペレーティング システムの過去数回のリリースで、IBM i サービスとの親和性を深めてきました。当たり前でしょう。ユーザーは、CLコマンドおよびAPIに対するSQLベースの代替手段があることを好ましく思っているようです。そして、IBM i サービスがAccess Client Solutions(ACS)から非常に簡単にアクセスできることは、IBMと顧客の双方にとってのメリットとなっているようです。

IBMのDb2 for iアーキテクトのScott Forstie氏によると、IBM i 7.4 TR4およびIBM i 7.3 TR10では、新たに10のIBM i サービスが追加され、7つのIBM i サービスが機能強化されるということです。

以下では、今回のリリースに含まれる、興味深いIBM i サービスのいくつかについて概要を紹介します。

NVME_INFO: Forstie氏はこのIBM i サービスを、NVMeドライブの「燃料メーター」と呼んでいます。「燃料メーターは何を知らせるものでしょうか?それはデバイスがどのような状態に向かいつつあるのかを知らせてくれます。つまり、そのデバイスの寿命が終わりに近付いているのかどうかということです」と彼は述べます。「この燃料メーターは、SSDおよび回転ディスクの管理や状態把握を行う上で、予防的措置を取ろうとする場合に有用です。」

SYSDISKSTAT: これも、ディスクの「燃料メーター」のもう1つのコンポーネントであり、回転ディスクおよびソリッドステート ドライブ(SSD)についての統計的情報を提供します。

USER_SPACE_INFOおよびUSER_INDEX_INFO: これらのIBM i サービスは、ユーザー スペースおよびユーザー索引についての詳細情報および属性情報を提供するビューです。

USER_SPACEおよびUSER_INDEX_ENTRIES: これらは、ユーザー スペースおよびユーザー索引の内容を照会するために使用できる新たな表関数です。

「現在、ユーザー スペースおよびユーザー索引がある場合、それらが存在することをどのように知るのでしょうか」とForstie氏は尋ねます。「それらの属性およびその中のデータはどのようにして確認するのでしょうか。こうしたSQLサービス以前は、オブジェクト処理(WRKOBJ)コマンドを使用して、ライブラリーを調べて確認していたかもしれません。SQLでは、非常に簡単にライブラリー全体を見渡して、作成者、所有者、最終使用日時、およびサイズといったすべての属性情報を確認できるようになります。」

「また、さらに詳しく掘り下げて中のデータを確認できる、対になる表関数もあります」とForstie氏は続けます。「SQLサービス以前の、それの代わりとなる手段は、システムAPIに対して独自のプログラムを書くというものでした。そのため、システム管理者だけではなく、アプリケーション開発者にとっても、使いやすくなるということです。」

SECURITY_INFO: このサービスは、現在のセキュリティ構成についてのビューを提供します。Forstie氏の予想では、SECURITY_INFOサービスを使用して、簡便なダッシュボードを更新することで、セキュリティ関連の情報をあちらこちらで探し回る必要がなくなる、ということのようです。

「セキュリティというのは、その実装がどうなっているか、どうすれば管理しやすくなるかをクライアントに理解してもらうために、もっとやれることがあるのでは、という気持ちにいつもさせられてしまうトピックです」と彼は述べます。「今回のTRでは、非常に興味深いサービスがいくつか追加されます。1つ目は、SECURITY_INFOです。これは、すべてのIBM i セキュリティ構成の管理ためのワン ストップ ダッシュボードです。」

その他にも、新たに追加および機能強化されたIBM i サービスには、次のようなものがあります。

OBJECT_STATISTICS: オブジェクトの検索に使用される表関数が、総称オブジェクト名のサポートを通じてパフォーマンスが向上するように機能強化されました。

MESSAGE_QUEUE_INFO: メッセージ待ち行列についての情報を引き出す表関数が、メッセージ タイプ フィルターを使用できるように機能強化されました。これにより、特定のメッセージを検索するときのパフォーマンスが向上します。

QCMDEXC: これは「クライアントがSQLベースのシステム管理ソリューションをモダナイズするのに不可欠な構成要素」を提供する新たなスカラー関数だとIBMは述べています。

System Limits:このサービスは、システム制限に接近または超過したときにより多くのアラートが送信できるように機能強化されました。

ACTIVE_JOB_INFO: WRKACTJOBのSQLでの代替手段となるこのサービスは、「ジョブ名、ジョブ ユーザー、およびジョブ番号用の戻り列を追加することによって」機能強化され、「アクティブ ジョブの詳細をより簡単に検索およびサブセット化できるようになっている」とIBMは述べています。

IBMは、ここ数年の間に、このオペレーティング システムに何百ものIBM i サービスを追加してきました。そして、今回、新たに追加および機能強化されたサービスも、それらを使用する管理者や開発者に価値をもたらすことになりそうです。

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