IBM、ACS 1.1.8.5を発表
先週、IBMは、管理者、プログラマー、エンジニアによって広く使用されているIBM i クライアント、Access Client Solutions(ACS)の新たなリリースを発表しました。バージョン1.1.8.5での主なアップデートとしては、「SQLスクリプトの実行」に対する機能強化、新たな5250表示オプション、IFSでの選択ファイル表示のパフォーマンス向上などが注目されます。
ACSの新たなバージョンに関する リリース ノート には、 IBM がバージョン1.1.8.5で行ったいくつかの変更が記載されています。
まずは、「SQLスクリプトの実行」に対する機能強化から見てみましょう。ACSに組み込まれているこのユーティリティは、SQLの機能および統合性の高いDb2 for iデータベースを活用できるため、ますます幅広く使用されるようになっています。
「SQLスクリプトの実行」のContent Assist機能では、F4ボタンを使用した代替のアクティベーション ショートカット、構文提案の提供のサポート、データベースでの組み込み関数のサポートなど、いくつかの方法で強化されています。
Content Assist使用時に、提案が選択されると、SQLステートメント内で予想される次の変更がハイライト表示されるようになりました。また、IBMは、提案リストでのフィルタリングのパフォーマンスを改善し、Content Assist内でのカーソルの「インテリジェント配置」機能のサポートを追加しています。さらに、OLAPおよびCASE式を含む様々な照会アーティファクト、VALUES照会、派生表、およびJOIN節などのサポートも追加されました。
リリース ノートによれば、「SQLスクリプトの実行」のVisual Explain機能を使用すると、ユーザーはマウス ホイールの動作が以前と異なる(おそらく改善されている)ことに気付くだろうということです。
データベース スキーマでの作業では、ユーザーは、プロシージャーでの「Call in Run SQL Scripts」アクションが追加されていることに気付くことと思われます。また、関数での「Query in Run SQL Scripts」アクションも追加されています。また、データベース スキーマでは、ジャーナル処理されたオブジェクトには、追加詳細も生成されます。
ACSでIFSの参照を行うと、IBM i ユーザーは、選択された列属性に基づいてディレクトリーの内容を表示する際のパフォーマンスが向上していることに気付くはずです。また、ダウンロード ダイアログには、ユーザーのワークステーションで表示できるように、テキスト ファイルをUTF-8に変換するオプションが追加されています。
ユーザーがACSでオプションとして使用することができる5250エミュレーターでは、ウォーターマーク オプションに&SYSNAMEおよび&SYSDESCキーワードが追加されました。また、ユーザーは、「接続」タブを確認する際に、サービス表で構成された特定のSSHポートを表示することができます。さらに、「接続の確認」画面には、それぞれのサービスで使用されているポート番号が表示されるようになるとIBMは述べています。「パスワード」タブでは、ユーザーはプロファイルでのソートも行えるようになりました。
IBMが2012年に初めて発表したこのJavaベースの製品には、5250エミュレーター、5250プリンター エミュレーション、データ転送機能、IFSファイル表示機能、スプール ファイル管理、およびLANおよびHMC管理のための仮想コンソールなど、IBM i 環境での作業に必須の数々のツールが組み込まれています。「SQLスクリプトの実行」も、幅広く使用されているユーティリティであり、また、ACSは、YUM経由のオープンソース コンポーネントの更新でも使用されます。
IBMでは、Windows、Linux、Mac OS、およびPASE環境向けパッケージなど、複数のACSのアドオンを提供しています。IBMによれば、ACS(IBM製品番号5733XJ)は、5250エミュレーションおよびデータ転送機能を使用するために、他のIBM i Accessファミリー製品と同じIBM i ホスト サーバーを使用し、同じIBM i Accessファミリー ライセンス(5770-XW1)を必要とするとのことです。
ACS 1.1.8.5での新たな機能強化のうち、IBMに寄せられたRFE(機能拡張の要望)を受けて追加されたものが4件ありました。今回の新リリースは、2020年4月にリリースされたACSバージョン1.1.8.4の後継となります。次回のリリースは、12月に予定されています。