PHP on IBM i はそのままZendで
PHPは、IBM i サーバーに影響を与えた最初のオープンソース テクノロジーの1つでしたが、IBMとZend社との取り決めのために、PHPのテクノロジーは、Zendが管理する特定のソフトウェア ディストリビューションに結び付けられていました。現在では、PHPを使用したいが、最初の1年間の無料サポート期間終了後にZend Serverディストリビューションに料金を支払いたくないというIBM i のショップは、無料オプションを利用できようになりました。しかもこれは、Zend社から提供されるものです。
12月2日、Zend社では、同社のWebサイトにCommunity PHPの リポジトリを掲載 しました。Community PHPは、名前が示すように、コミュニティによってサポートされる、IBM i 向けの無料版のPHPです。このオープンソース ソフトウェアは、IBM i でのオープンソース ツールの 推奨の配布方式 となっているRPMおよびYumを介してIBM i に配布されます。
Perforce Software社のZend担当シニア ソリューション コンサルタントであるErwin Early氏の Twitterメッセージ によると、IBM i 向けのCommunity PHPバージョンは、現在、PHPバージョン7.3.11をサポートし、計画ではバージョン7.3.12および7.4をサポートするとのことです。
Early氏は先月の ブログ投稿 で、同リリースについて解説するとともに、同社がIBM i 向けのPHPのコミュニティ バージョンをリリースすることにしたいくつかの理由について述べています。
「Community PHP(無償版PHP)は、このWebスクリプト言語の、コミュニティが保守管理を行うバージョンです」とEarly氏は記しています。「どの商用製品からも独立しています。IBM i 向けのCommunity PHPは、今年ようやく利用可能になりました。」
Early氏は、Zend Server ProfessionalおよびZend Server EnterpriseといったZend Serverエディションに含まれている機能の多くが、コミュニティ エディションには含まれていないことを強調しています。たとえば、Z-Rayコード トレーシング機能、XML Toolkit、様々なPHPエクステンション、および認証といった機能は含まれないそうです。
しかし、IBM i 開発者が行っていること次第では、それらの機能は重要でない場合もあります。IBM i 顧客であれば誰でも受けることができる、Zend Serverの1年間の無料サポートを利用し終えたところで、Perforce社(今年初めにRogue Wave社を買収)によるサポートに料金を支払うことを躊躇っているIBM i プロフェッショナルにとっては、この新たなコミュニティ ディストリビューションは良い選択肢となるかもしれません(Rogue Wave社は2016年にZend社を買収しています)。
「なぜCommunity PHPがIBM iプラットフォームに提供されているのか疑問に思うかもしれません」とEarly氏は記します。「簡単に言えば、IBM i 向けのCommunity PHPを利用可能にすることで、IBM i プラットフォーム上でのオープンソース ソリューションやrpm/yumエコシステム(サポート終了が発表されている5733-OPSのリリースで始まり、2018年5月のRPMブートストラップ サポートのリリースで本格運用)の利用拡大につながるからです。」
オープンソースの世界が拡大し続けるのにつれて、オープンソースのIBM i への影響力はますます大きくなっています。特定のどのサポート パッケージにも結び付けられていない、RPMおよびYumを介して提供される無償バージョンのPHPがあることは、IBM i でオープンソースを普及させ、使いやすくするという、IBMが表明した目標に沿った大きな一歩となります。