調査に見るIBM iの環境
弊社(Guild Companies, Inc.)の協賛でHelpSystems社が行った調査から、IBMミッドレンジ・コミュニティにおけるオペレーティングシステム、プログラミング言語、IBM i環境の拡張あるいは縮小フットプリントにわたる現状の多くを知ることができます。IBM iのショップ834社の参加を得て行われた第2回年次調査IBM i Marketplace Surveyの結果が公開されました。
IBM iはときにより「最も厳守されている秘密」と評されます。不運にも、多くのITプロフェショナルがこのシステムについての知識が乏しく、誤った情報に基づいた見解に固執しています。この調査の結果によって幸いにも我々は全体像を見ることができ、どのようなテクノロジー、機構、機能が使われているか、その実態を知ることができます。40種の質問で明らかにされているいくつかの項目はIBM iのエキスパートさえ驚くもので、それらの多くがITの意思決定者が念頭に置くべき事項です。
最初の質問は、「貴社のエグゼクティブITリーダーはIBM iプラットフォームの経験がありますか?」で、回答者の3分の1が「no」と答えています。これらのエグゼクティブは、調査がIBM iをベースにしているからではなく、IBM iをベースにしていないから特にこの調査結果に注目する必要があります。調査は有難い報道であり、我々がどこで生き、どのように生きるのかのスナップショットです。エグゼクティブがIBM iを知っていると思い込んでいるか、知らないことを容易に認めるかにかかわらず、このデータには学ぶべき事項が含まれています。
例えば、投資利益率に関する質問です。94パーセントがIBM iの投資利益率は他の全てのサーバーに勝ると信じています。これには偏見的な忠誠心が有るかもしれませんが、それにはかかわらず94パーセントは極めて高い満足レートです。さらに、これは「少ないコストでより多くを行う」ことに常に専念している個人の回答です。他方、2015 Marketplace サーベイの結果も投資利益率に関する質問に関して同じレベルの満足度を示しています。ポイントは、忠誠心と投資利益率に関して人々は曖昧な言葉で語る可能性がありますが、これはその話題を裏付ける得点表示板です。
この議論に適合するもうひとつの質問は:コアとなる業務プロセスの何パーセントがIBM iで稼働しているか?IBM iショップの約半分がコアとなる業務のプロセスの少なくとも3分の一を稼働させており、これらの組織の75パーセントがコアとなる業務プロセスの少なくとも半分をIBM iで処理しています。ミッションクリティカルなアプリケーションの過半数が単一サーバー上で稼働しているわけです。IBM iに経験の無いエグゼクティブはこの事実を知る必要があります。
ただ、解釈に余地が有り、コアとなる業務プロセスの意味の定義が異なっている可能性もありますが、此処でコアとは一般にERPを指していると思われます。但し、コアの範疇にe-mailとWebサーバーを入れるとする考え方も有り得ます。
企業のi環境の使い方になんらかの変化が現れるでしょうか?
先ず、45パーセントがiのワークロード・プランに変更は無いであろうと答えていることに注目してください。しかしながら、22パーセントがIBM iのフットプリントを増大させる計画が有ると答えています。この回答を予測していた人は少数でしょうが、人々はさらに多くのワークロードをiに置くことを考えているということです。このことは朗報です。しかしながら、20パーセントが一部のアプリケーションを新しいプラットフォームに移行することを計画しており、8.5パーセントが全てのアプリケーションを新しいプラットフォームに移動することをすでに決めています。そして自社のIBM iに対する計画を知らない人が12パーセント居ます。
もし、意思決定者たちが実際にiのショップでiのフットプリントが拡大していることを考慮に入れれば違ってくるかもしれません。
HelpSystemsのエグゼクティブ・バイスプレジデントでこの調査の著者、Tom Huntingtonは「IBM iのユーザーは信頼性、スケラビリティー、セキュリティーを強く要求している厳しいコミュニティー。これらの組織は、業務が現代抱えている課題を達成するためにこのパワフルなプラットフォームを活用し続けて行くであろう」と述べています。
Huntingtonはさらに「IBM iのショップ及び他のシステムを使っているショップから頻繁に聞く言葉は、ITスタッフが自分のタスクを実行する時間が十分に無く、ましてや新しいタスクを受け入れる時間など無いという不満」と指摘しています。このことをさらに深く掘り下げると、Huntingtonは自動化プロセスに関する質問を調査項目に含めています。質問は、IBM iを自動化で稼働させているか否かで、Yesが56パーセントでNoが44パーセントの結果になっています。彼は「自動化は自分のタスクを実行する時間が無い、あるいは新しいタスクを受け入れる余裕のない44パーセントを救うことができる。自動化はスタッフに他の仕事をする時間を提供する。IBM iを稼働させることのメリットを高めるパワフルなツールが有る」と述べています。
既存のプラットフォームをさらに活用する方法を知る方が、そのプラットフォームを手放すことを正当化する理由を知るよりは有難い回答になっています。
この調査にはiが有益であることを論証する多くの事項が含まれています。
例えばアプリケーションとデータベースを含むモダニゼーションのプロジェクトに対する強い関心が存在していることを示しています。RPGに加えて、大変人気のある開発言語の使用が大幅に増えています。SQLの使用が顕著に増えており、これはIBM iを過去の遺物と言っている人々を多分驚かせます。また、Power7とPower8サーバーの販売がi OSのアップグレードと相俟って増加しています。
サーバーのアップグレードについて、小誌の編集長は、Power5とPower6マシーンからPower7とPower8への移行は、最近のアップグレードのペースと全く一致していると言います。
彼は「古いモデルのハードウエアがいまなお大変多く使われていることに驚いている。この調査は顧客ベースのうちの私が呼んでいるアクティブな部分を表している。これらのアクティブなショップでさえ3分の1がPower5あるいはそれ以前のモデルを使っており、私には理解できない。これは良いプラクティスとは言えない。これらのマシーンは10年あるいはそれ以上の年月を経ている」と調査結果の感想を述べています。