IBM i の保管ファイル(SAVF)に保管できるサイズに上限がある?
Question
当社では、日次処理の中で保管ファイルに主要なライブラリーを保管しています。
昨日保管ファイルへの保管に失敗してしまったので、原因を調査したところ、「CPF3708 LIB の保管ファイル SAVF が小さすぎる。 」というメッセージを見つけました。
おそらく保管ファイルのサイズが小さかったことで失敗したようです。
保管ファイルの作成時に、サイズの指定はなかったような気がするのですが、保管ファイルのサイズを大きくするようなことは可能でしょうか。
Answer
メッセージ「CPF3708 LIB の保管ファイル SAVF が小さすぎる。 」が出ていたとのことですが、メッセージの詳細を見ていただくと、詳しい原因が書かれています。

メッセージの詳細には、保管ファイルに保管できる最大サイズは「約2テラバイト」と書かれています。
残念ながら、これはOSの仕様となり、2TBを超えるオブジェクトを保管することはできません。
保管と復元の制限
https://www.ibm.com/docs/ja/i/7.5.0?topic=capacities-save-restore-limits
では2TBを超えるオブジェクトを保管したい場合はどのようにすればいいのでしょうか。
考えられる方法は以下の2点です。
IFS上に作成したファイルをZIPにする方法は2通りございます。
- 保管ファイルを使用したい場合は、複数の保管ファイルを用意しオブジェクトを分けて保管する
- 保管ファイルではなく、仮想テープ装置などの別の方法に変更する
「 1 」の方法の場合、オブジェクトを分けて保管することになりますので有事の際の復元が少し手間になると考えられます。
「 2 」の場合、もし仮想テープ装置を使用する場合は別途を用意することになりますが、一度用意すれば物理テープのように使用することができます。
設定方法は、過去の関連記事をご参照ください。
1つのテープドライブでテープの複製をしたい
https://www.e-bellnet.com/category/technology/1803/1803-130.html
仮想テープ装置の場合、イメージカタログを使用することになります。実はイメージカタログの最大サイズも制限があり、1TBが最大となります。
そのため、仮想テープ装置を使用する場合は、あらかじめ必要な分のイメージカタログを用意する必要があります。
また、システムを再起動した後、仮想テープ装置にイメージカタログをセットする必要があることにも注意が必要です。
保管ファイルは使い勝手がよく、ディスク上への保管の際にはよく使われていたものと思います。
しかしユーザーデータはどうしても日々増えていくものですので、いずれは制限を超えてしまうこともあります。
処理する内容によって、保管ファイルを選択するのか、仮想テープ装置に置き換えたほうが良いか、今一度検討してみてはいかがでしょうか。
by . かんぴょう木綿さん