ACSを新規でセットアップしたのですが・・・- 表示装置名と半角カタカナの文字化け -
Question
新年度のため新規PCをセットアップすることになりました。
IBM i Access Client Solutions(ACS)のインストールまでは完了しましたが、いざ5250エミュレーターを起動させると既存のPCの5250エミュレーターとは違う所があります。
具体的には、サイン・オン画面の右上にある「表示装置」がQPADEVnnnnとなっていたり、半角カタカナが文字化けしていたりします。
インストールの仕方が悪かったのでしょうか、それとも何か設定が違うのでしょうか。
今後のPC入替作業などがあった時のために、標準化したマニュアルを作成しようと思うので教えていただけますでしょうか。
Answer
どちらの事象も、ACSの新規セットアップ時によくあるご質問です。
5250エミュレーターの設定を変更することで対応できます。
【5250エミュレーターの表示装置名】

QPADEVnnnn はシステムが自動で割り当てた表示装置名です。
表示装置名に特定の名前を指定したい場合には、以下の手順で指定してください。
5250エミュレーターを起動
→通信
→構成
→「ワークステーションID」に表示装置名を入力(例としてDSP_TSUKI=と入力しています)

ここで、ワークステーションIDについて補足をしますと・・・
ワークステーションIDは、ほかのセッションと重複する値にすると同時接続ができなくなりますが、それを回避するためのいくつかの設定がございます。
ワークステーションIDの右側にある「生成」ボタンを押すことで、以下のウィンドウが開きます。

ウィンドウ中部からの各チェックボックスにチェックを入れることで、それぞれ以下の通りワークステーションIDを修飾します。
ディスプレイまたはプリンターを示す接頭部を追加:
ディスプレイセッションの場合はS、プリンターセッションの場合はPがワークステーションIDの頭に追加されます。
プレビュー上では「%」で表記されます。
このワークステーション上での重複名を避ける:
ワークステーションIDの末尾(「他のワークステーションとの重複名を避ける」より手前)にA、B、C、D...と連番のアルファベットが割り振られます。
プレビュー上では「*」で表記されます。
他のワークステーションとの重複名を避ける:
ワークステーションIDの最後尾に1、2、3,4...と連番が割り振られます。すでにシステム上に自動生成されているワークステーションID(表示装置記述)と連番が重ならないように連番の数字が割り振られます。
プレビュー上では「=」で表記されます。
※プレビューにもあるように、ワークステーションIDは最大で10文字の制限がございます。
これらのチェックを入れることで10文字を超える場合、指定したワークステーションIDの頭から1文字ずつ文字が置き換えられます。
例の通り、DSP_TSUKIは9文字ですので、3つにチェックを入れた場合はDSの部分が置き換えられています。
【半角カタカナの文字化け】
ご利用環境のコード化文字セットID(以下、CCISD)が65535/5026の場合、5250エミュレーターのホスト・コード・ページが原因かもしれません。
CCISDの確認方法はコマンドラインからWRKJOBを実行し、「2. ジョブ定義属性表示」を開きます。
ページダウンをすると、「コード化文字セット ID」と「省略時のコード化文字セット ID」で確認可能です。
Personal Communications(パーソナル・コミュニケーションズ 以下PCOMM)や、現在はサポート終了しているIBMi Access for Windowsの5250エミュレーターでは、デフォルトのホスト・コード・ページは930でした。
しかし、ACSではCCSID:5035に合わせてデフォルトのホスト・コード・ページは939となっています。
ご利用環境のCCSIDが65535/5026であればホスト・コード・ページを「930日本語(カタカナ)」若しくは「930日本語(拡張カタカナ)」に変更して解消されるかお試しください。
既存の5250エミュレーターがある場合にはそちらの設定と比較して、設定し直してみてください。
5250エミュレーターを起動
→通信
→構成
→「ホスト・コード・ページ」の値を「930日本語(カタカナ)」若しくは「930日本語(拡張カタカナ)」に変更

上記で上手く解消されたら、作成した5250エミュレーターを別名保管しておいてください。
後から同じ事象で悩むことがないように、このあたりもしっかりマニュアルに組み込むようにしましょう。
by . 槻樹