メニューボタン
サポートチーム便り2025.04.23

IBM i のオブジェクトが損傷してしまっている!

Question

新年度になり今までIBM i (AS/400)を担当していた担当者が部署移動となりました。

前任者からIBM i (AS/400)を引き継いでからの最初の仕事として、現在のシステムのフルバックアップを取得することとしました。

フルバックアップ中に何らかのメッセージが出ていたのですが、フルバックアップを完了させるべく、いったんメッセージ応答し最後まで進めました。

フルバックアップ完了後、再度メッセージを確認したところ「損傷のあるオブジェクトが見つかった」というメッセージを発見しました。

F1キーでメッセージの詳細を見てみましたが、損傷があったという事以外の内容が見受けられませんでした。

フルバックアップ完了後に主要なプログラムを簡単に動かしたところ問題なく動作したため、そのまま業務を開始していますが、現状特に大きな問題はないようです。

とはいえ何がしか壊れている、という事で対処が必要と思いますので、問題の状況確認と回復方法を教えていただけませんでしょうか。

Answer

まずは脅かすような事を申し上げますが、良くチェックし気づいていただけて良かったです。

場合により非常に大きな問題が発生する可能性もございました。

オブジェクト破損のメッセージがあったという事は、恐らく今回のフルバックアップは失敗してしまっているでしょう。

もし、次回もイレギュラーな事象が発生した場合は、フルバックアップ完了後にコマンド「DSPJOBLOG OUTPUT(*PRINT)」を実行し、ジョブログを保管しておくと後々調査が可能です。

IBM i (AS/400)内でオブジェクトというと非常に広義の為、場合によりシステムオブジェクトの破損で機能が利用できない、そんな場合もあるかもしれません・・・。

さんざん驚かしてしまった所で、改めて今回のケースに関して、まずは何のオブジェクトが損傷状態にあるのか調べてみましょう。

DSPOBJD OBJ(*ALL/*ALL) OBJTYPE(*ALL) OUTPUT(*OUTFILE) OUTFILE(MYLIB/MYFILE)

→こちらは周辺にメッセージが無く、オブジェクト名、ライブラリー名が分からない場合です。オブジェクト名などが確認できるならOBJ(LIB/OBJ)にて指定し実行してください。

ODOBDM 損傷 オブジェクト 項目
0=損傷なし
1=全部
2=一部

※画面例:損傷オブジェクトの箇所にフラグが立っていれば破損している状況になります。

損傷しているオブジェクトを確認いただきましたら必要に応じて回復処置を行います。

何処に、どうするといった、それらの指標については以下のIBMドキュメントをご参照いただくとよろしいでしょう。

参考:タスク 4: 損傷したオブジェクトおよび読み取り不能セクターからの回復
https://www.ibm.com/docs/ja/i/7.5?topic=rys-task-4-recovering-from-damaged-objects-unreadable-sectors

今回のケースでは、即時に問題にはなっていないようですが、勿論ゆくゆく問題になる可能性があるので対処の必要があります!

オブジェクト全体に対する属性の変更失敗や、今回のように保管操作時に保管が失敗するといった問題が発生します。

何が破損しているか?が分かるだけでも、当方のその後のサポートに迅速かつ的確にご案内できるようになりますので、「破損したオブジェクトが見つかった」メッセージを見つけたらご説明した手順でお調べいただけると幸いです。

なお、今回ご取得いただいたフルバックアップは、損傷オブジェクトがどこにあるかによってはシステム復旧で使用できない可能性があります。

損傷オブジェクトを修正し、場合によってはフルバックアップの再取得もご検討ください。

by . 大熊猫橋

あわせて読みたい記事

PAGE TOP