ASPってそもそもなんでしょう?
Question
IBM i (AS400)を利用して久しいのですが、今までディスク容量を確認するときに、コマンドWRKSYSSTSを用いて"システムASP使用率(%)"を確認していたのですが、そもそもASPとは何でしょうか。
IBM i (AS400)独自のディスク容量の言い方でしょうか?
Answer
この部分のことですね。
概ねお客様のご理解で正しいようで、実はPCのディスク容量の考え方とは若干異なります。
IBM i (AS400)では、物理ハードディスクをディスクプール、または補助記憶域プール(ASP)と呼ばれる一つの記憶域に纏めてプールします。
※ASPはAuxiliary Storage Poolの略になります。
ASPの理解としてはざっくり"1つの大きなハードディスクに見えるようにした複数ハードディスクの群体のこと"とお考えいただいてもよろしいかもしれません。
例えばWindowsにハードディスクを追加しても、ハードディスク単品で認識され、ハードディスク単品での記憶域として存在することになるかと思います。
※Windowsでも記憶域プール(ASP)の概念は存在しますが省略します。
IBM i (AS400)では、まず必ずシステム記憶域プールというプールが存在します。
それ以外に(いわゆる実際のディスク容量と考えて概ね差し支えない)1~255の番号を振られるASPが存在します。
システムがどのASPに所属しているかは、WRKDSKSTSコマンドを用いて確認することが出来ます。(例では2本のディスクをASP1として単一記憶域プールとして扱っています。)
単一記憶域(1つのハードディスク)として認識しているため、一つのデータが複数のハードディスクにまたがって存在します。
上の例では非保護ですが、例えばこのASP1に対してディスク保護(RAID5保護等)をすることで、一つのディスクが障害になってしまった場合にでも他の装置とのパリティチェックにより、データが復旧可能となるという利点があります。
また内容が脱線してしまうため内容の明示を避けますが、ミラーリングというディスク保護機能もこのASPによる単一記憶域の派生だからこそ為せる技術と言えます。
ASPについて、より詳しい解説はメーカーのナレッジにも記載がございます。
参考:
https://www.ibm.com/support/knowledgecenter/ja/ssw_ibm_i_73/rzahq/i5osstoragemanagement.htm
by 大熊猫橋