春のIBM i テクノロジー リフレッシュ、今年は少し遅くなる模様
IBMは、現在、新たなテクノロジー リフレッシュに取り組んでいますが、毎年この時期にそうするのは例年通りです。しかし、『 IT Jungle 』が入手した情報によると、今月末にPOWERUpカンファレンスが開催される前には、春のTRの発表は行われないということです。代わりに、IBMは、より広範なPowerの発表に合わせて、春のTRを先延ばしするようです。
IBM i のショップは、毎年、春のTR(通常は4月)と秋のTR(通常は10月)の、2つのTRが提供されるのが当たり前のようになっています。春のTRは、 COMMON が毎年恒例のPOWERUpカンファレンスを開催する前のタイミングで発表されるのが通例です(今年のPOWERUpは4月の最終週にルイジアナ州ニューオリンズで開催)。
IBM i ユーザー ベースは、IBM i オペレーティング システムおよび関連する製品スタックに対する最新アップデート(おそらくはIBM i 7.6 TR2およびIBM i 7.5 TR8)に関する知らせをずっと待っていました(現時点ではIBMが一気にIBM i 8.0へ移行するとは思われませんが、先のことはどうなるか分かりません)。
今年は、少なくとも春のTRについては、例年と違うようです。IBMは、春のTRがいつになるかについて、少し言葉を濁しています。あるIBMエグゼクティブは、IBMが、来るPowerハードウェアの発表と春のTRの発表の時期を揃えようとする背景について、『 IT Jungle 』に述べています。
IBMは、現在進めているPower11アップグレードについては、まだ状況を明らかにする段階にはないようですが、IBMが今年上半期に新たなエントリーレベルのPowerサーバーを発表する準備を進めていることは広く報じられているところです(おそらく、提供開始は第3四半期または第4四半期となりそうです)。
このマシンは、おそらく、「Bonnell」 Power S1012( 2024年5月に発表されたハーフワイドのシングルソケット マシン)の後継となる見込みです。この「ミニ」マシンは、おそらくPower S1112と呼ばれることになり、ローエンドのPower11ラインアップの隙間を埋めるものになるでしょう(具体的にはP05ティア向け)。
IBMは、新たなPower11サーバーの販売が始まるのにつれて、Power10ラインアップの販売を段階的に縮小し始めています。IBMは、昨年8月にS1012の 値下げ を発表しました。そして、IBMが他のPower10ラインアップの 販売を終了し始めて も、このマシンは今のところ引き続き入手可能です。
茶葉占いで未来を占ってみるとすれば(IBMの茶葉からははっきりしたことが読み取れないので)、IBMが主催するカンファレンス(5月4日から6日までボストンで開催されるIBM Think 2026)で、エントリーレベルのPower11サーバーの発表とIBM i の春のTRの発表が両方行われると予想するのは妥当なことだと思われます。
もちろん、IBMはいつでも考えを変える権利を留保しています。したがって、その時になってみないと分からないことです。
長い年月の間に、TRの性質は少し変わってきました。そして、ある意味では、新たなハードウェアの導入に合わせて春のTRを遅らせることは、TRサイクルを本来の意義により近付けることになります。
IBMは、 2010年4月13日のIBM i 7.1の発表でTRサイクルを導入しました。当時、TRは、新たなハードウェアをサポートするためにIBM i オペレーティング システム内部を更新するための手段でした。しかし、近年では、TRは、中核となるIBM i OSだけでなく、Navigator、ACS、Power HA、BRMS、RDiなど、他のすべてのスタックも含めて、IBMが提供している様々なIBM i 製品の最新のリリースをまとめた、主に年2回提供されるロールアップになっています。これらの製品には、それぞれ独自の開発リズムがあり、アップデートはTRサイクルとは別個に行われています。それでも、IBM i エコシステムは、年2回のTRの際にこれらのアップデートの提供を期待するようになっています。
その意味では、TRの発表を数週間だけ遅らせることは、理にかなっています。しかし、単に時期を揃えること以上に、影響が大きいより実務的な理由があります。すなわち、IBMは、IBM i 7.6 TR2およびIBM i 7.5 TR8(あるいは新たなバージョンおよびリリースの名称となるもの)が、公式には存在していない新たなPower11サーバーをサポートするとはどうしても言えないということです(ファームウェアを詳しく調べた場合に、そのような発表されてない製品のサポートがリリース内に隠れていることもよくありますが、それは、IBMがより多岐にわたる顧客でハードウェアの早期テストをより幅広く行っていたときに、私たちが存在に気付くことができるものです)。
IBMは、現在、並行して取り組んでいる数多くのソフトウェア開発プロジェクトを抱えています。そして、ラボでは多くのイノベーションが起きています。TRの発表が遅くなる理由は、主として、来るべきPower11の発表に合わせるためですが、IBMは、こうしたイノベーションをまとめて、IBM顧客が期待できそうな、十分に練り上げられたパッケージ製品の形にするために、自ら捻出した数週間の猶予期間を利用するようです。
