IBM i BRMSおよびSMTPメール クライアントのアップデートの発表
IBMは、春のIBM i テクノロジー リフレッシュ(TR)をまだ発表していません。予想されているIBMの新たなエントリーレベルのP05クラスのPower11マシンの発表に合わせて、 今年は少し遅くなりそうだということは先週の記事でお伝えしたところです 。しかし、そのことが、IBMが先週、BRMSおよびSMTP(簡易メール転送プロトコル)メール クライアントに対するいくつかの重要なアップデートなど、他のIBM i 関連の発表を行うのを妨げることはありませんでした。
IBMが 4月14日に発表した、BRMS(Backup, Recovery, and Media Services for i )のアップデートで、IBMは、新たなWeb GUIを強化して、この製品の有用性を高め、より使いやすくする最新機能を追加します。具体的には、ユーザーは新たなGUIで、ライブラリーおよびIFSレベルで保存および復元操作を実行できるようになります。今後のリリースでは、Webインターフェースからファイルおよびオブジェクト レベルで保存および復元操作を実行する機能を提供するとIBMは述べています。
コマンド ライン、API、またはSQLコマンドを通じてこの製品と対話処理する従来の方法に対して、Web GUI内で作業したいユーザーにとっては、これは大きな機能改善となります。Angular JavaScriptライブラリーがベースになっている新たなGUIは、元のIBM Navigator製品で導入され、 例のLog4jセキュリティ脆弱性の問題に加えて、大きな制限に直面している従来のWeb GUIを置き換えます。
IBMは、BRMS向けのWeb GUIを新たなNavigatorから切り離すことを選びました。新Navigatorは、ユーザーがIBM i 環境と対話処理する方法を提供し、PowerHA、AJS(拡張ジョブ スケジューラー)、およびPDI(Performance Data Investigator)などの製品で作業するための画面も備えています。ユーザーはNavigatorでブックマークから新たなBRMS Web GUIを表示することができますが、IBMは、主に依存関係を回避する方法としてGUIを切り離すことを選びました。
「時には、モジュラー タイプの設計がある方が良いこともあります。1つのことにすべてを賭けることにはならないからです」と、IBM i エンジニアのKris Whitney氏は『 IT Jungle』に述べています。「そして、別々に開発できるため、より速く進めることが可能になります。」
現時点でBRMSのGUIをアップデートするのには、もうひとつの理由があります。すなわち、BRMSバージョン1のユーザーにBRMSバージョン2へのアップグレードを促すことです。
IBMは、サポートが終了しているレガシーなBRMSバージョン1で稼働している顧客をまだ数多く抱えています。IBMによると、すべてのBRMSユーザーの半数以上が旧バージョンを使用しているということです。華やかな新しいGUIは、バージョン1のユーザーがバージョン2へ移行する誘因となるはずです。また、概してBRMSの使いやすさも向上するはずだとWhiteny氏は述べています。
「私たちはBRMSを新たに活気付けることを目指しています。VR1を終了して以降、BRMSは実際にかなり刷新されているため、VR2に移行するべき理由があるのです」と彼は述べます。「また、BRMSを使用しない顧客もまだ多くいます。非常に強固であり、きちんと設定する必要があるため、BRMSは難し過ぎると思っているからです。そのため、新たなBRMS顧客を連れて来るためには、新たなGUIは重要になるでしょう。」
また、新たなGUIは、オンプレミスおよびクラウド環境でのバックアップの一元化に関してIBMが想定してきた新たなユース ケースも可能にするとWhitney氏は述べています。
「クラウドでは、たくさんのことを行います」と彼は続けます。「クラウド バックアップは、オンプレミスに比べて少し複雑です。だからこそ、ここ数年間そうしてきた以上に、BRMSにハイライトを当てようとしているわけです。それは、当たり前とみなされるようなプロジェクトの1つでした。」
SMTPクライアントのアップデートは、1つの重要な新機能をもたらします。すなわち、IBM i バージョン7.4以降での、Gmail(Google Workspace)およびOffice 365(Microsoft 365)プロバイダー向けのOAuth 2.0のサポートです。
メール プロバイダーは、パスワードから脱却しつつあり、ユーザー認証にOAuthトークンを要求するようになっています。IBMは、引き続きシームレスな統合が確保されるようにするためにIBM i SMTPクライアントで変更を実装しました。
一部のIBM i 顧客は、SMTPクライアントを使用して、GmailおよびOffice 365メール サーバーへメールをリレーします。そのため、IBM i サーバーから発信されたメール(IBM i アプリケーションによってプログラム的に生成されたものなど)は、代わりにGoogleまたはMicrosoftメール サーバーから送られたように見えます。
これまでは、IBM i 管理者は、こうしたユーザー名およびパスワードとの統合で、認証をセットアップすることができました。しかし、GoogleおよびMicrosoftの両社は、ユーザーによるパスワードを使用した認証から脱却し、OAuth 2.0トークンを要求するようになっています。IBMのOAuth 2.0のサポートは、Google社およびMicrosoft社の要件の範囲内で、SMTPクライアントを引き続き使用できるようにします。
しかし、OAuth 2.0の構成を完了するには、IBM i ユーザーが行わなければならない、ちょっとした管理作業がまだ残っています。 IBMの説明によれば、ユーザーは、プロバイダー固有のOAuth 2.0認証情報が記載されたIFSファイルをJSONフォーマットで作成する必要があるということです。セットアップの関連で行わなければならない作業があるとしても、IBMがようやくこの要件をサポートすることは、ユーザーにとって喜ばしいはずです。
IBMは、6月19日までに、SMTP OAuth 2.0サポートのためのPTFを提供する予定です。それらに注意を向けておくようにしてください。あるいは、さらにお勧めなのは、IBMからのアップデートを見落とさないように、 Doug Bidwell氏による「 IBM i PTF Guide」 を毎回確認するようにすることです。
