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IBMi海外記事2025.11.12

時間節約をもたらすIBM i 7.6での大きなネットワーク機能強化

Alex Woodie 著

IBM i 7.6では、様々な領域がある中でも、特にセキュリティやデータベース開発に関連する領域で、数多くの新たな機能強化が提供されました。しかし、IBMは、このオペレーティング システムのネットワーキング環境にも、1つの大きな新機能を提供してくれています。一部の大規模なIBM i 環境にとっては、アップグレードするだけの価値が十分にある新機能だということです。

IBMは、 2012年にリリースされたIBM i 7.1テクノロジー リフレッシュ3(TR3)で、イーサネット リンク集約(Ethernet Link Aggregation)サポートを導入しました。イーサネット リンク集約は、複数の全二重イーサネット リンクを、単一のMAC(Media Access Control: メディア アクセス制御)アドレスを持つ単一の回線記述にまとめることを可能にします。これにより、スループットだけでなく信頼性も向上させることができます。

この機能は、顧客に代わって数多くのIBM i 環境をホスティングしているマネージド サービス プロバイダー(MSP)など、多くのIBM i のショップによって長年にわたって採用されてきました。また、IBM i 7.1 TR6では、個々のイーサネット リンクに障害が発生したときに自動復旧が行われるように機能強化もなされています。

しかし、この機能には、1つの大きな不具合がありました。すなわち、回線を追加したり、イーサネット リンク集約環境に何か変更を行ったりする場合は、顧客はサーバーをネットワークから切り離す必要があることです。

幸いなことに、IBM i 7.6で、ネットワークからサーバーを切り離して本番ワークロードを中断することなく、ネットワーク接続を追加および削除できるようになりました。

この新機能は、 Rowton IT Solutions 社のマネージング ディレクターでIBM ChampionのSteve Bradshaw氏に大歓迎されました。先日、IBM i CTOのSteve Will氏とSteve Wolk氏とともに行った、 IBM i 7.6に関する「3人のSteve氏」によるウェビナー で、Bradshaw氏は、イーサネット リンク集約の従来の動作方法に対する不満を吐露するとともに、新機能によってもたらされる安堵の気持ちを露わにしています。

「特段、これといった理由が他にないのに、本番サーバーをダウンさせなければならなくなる一番の理由がこれです」とBradshaw氏は述べています。「アプリケーションやオペレーティング システム環境やPowerにアップデートを適用しようとしているわけでも、パッチを当てようとしているわけでもないのです。ただただ、ネットワーキング要素について作業する必要があるだけなのです。」

「それらを使用しながら変更できるこの機能のおかげで、より多くのカードを追加したり、カードからよりの多くポートをネットワーク回線に追加したりすることができるようになります。おまけに、それを段階的に行うことができ、さらには、その背後にあるスイッチ ファブリックの保守作業も行えるようになります」と彼は述べています。

「これは、私にとっては大変革をもたらす新機能です。そして、マネージド サービスの業務に従事していたり、クラウド環境や大規模環境で業務を行ったりしている多くの人々にとっては、そのためだけでも7.6に移行する価値がある新機能だと思います。」

Bradshaw氏がそれとなく述べているように、イーサネット リンク集約環境でネットワーク構成要素を追加または削除するこの新機能は、IBM i 7.5 TR6では利用できません。また、この機能は、 今月始めの記事で取り上げたように、IBM Ideas Portalで最も要望されていた新機能の1つでもありました。

IBM i 7.6およびIBM i 7.5 TR6は、いずれも4月18日に出荷開始されています。IBM i の新リリースの詳細については、IBM Support Webサイトの「 IBM i Technology Updates 」ページを参照してください。また、IBM i 7.6の発表レターは こちらで参照できます。

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