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IBMi海外記事2023.10.11

ACSのアップデートと「SQLスクリプトの実行」の新機能

Alex Woodie 著

IBM i Access Client Solutions(ACS)の「SQLスクリプトの実行」機能のファンの方には朗報です。IBMは、ACSの最新リリースで、どのように機能を改善させたらよいかということに関する、ユーザー提案をいくつか採用しています。

先月、IBMは、ACSバージョン1.1.9.3をひっそりとリリースしました。これにより、IBM i プロフェッショナルがこのプラットフォームとのやり取りに使用するポピュラーなJavaベースのユーティリティで、一連の新機能が利用可能となりました(フィックスもいくつかあります)。

新リリースに関する IBM Supportのドキュメント によれば、リストの先頭に挙げられているのは、ユーザーがSQLのスニペットを実行して、IBM i環境における様々な管理者、オペレーター、および開発者向けのタスクを完了できる便利な機能、「SQLスクリプトの実行」(RSS: Run SQL Scripts)の機能強化のようです。

たとえば、RSSでは、ユーザーは複数のタブを横断して検索できるようになりました。これは、今年初めにIBM顧客によって IBM Ideas Webサイトに提案されたアイデアが採用されたものです。その他のRSSの新機能としては、SQL構文のフォーマットおよび色分け機能のアップデート、「コンテンツ・アシスト」のパフォーマンス向上、「例から挿入」の用例の追加などがあるとIBMは述べています。

スキーマでの作業に関しては、SQLベースのデータ操作言語(DML)を生成する新たなアクションのおかげで、作業がしやすくなるはずです(DML: Data Manipulation Language。データベースのデータを追加、変更、削除するのに使用される言語)。また、今回のリリースでは、表およびビュー向けのSQLステートメントも追加されているとIBMは述べています。

また、今回のリリースでも、IFS関連の機能強化がいくつか行われていますが、それらはすべて、IBM Ideasによって促されたものです。それらの例としては、「Upload From Location(アップロード元の場所)」を指定する設定オプションの追加や、同時アップロードおよびダウンロードで可能な最大スレッド数を指定する設定オプションの追加があります。また、ユーザーがアクセスを許可されるトップ レベルのIFSディレクトリーを管理者が制限できるようにするセキュリティ強化がなされています。これも、IBM Ideasからのアイデアです。

また、ユーザーが1MBより大きいIFSファイルをダウンロードしようとしたときに、その特定のファイル タイプを表示するための適切なビューアーがインストールされていない場合のACSの挙動も変更されています。 IBM Ideasでのこのアイデアについての説明によれば、この件は、少なくとも2年前から問題となっていたようです。ACSで、1MBより大きいファイルのダウンロードを開始できるのに、サイズが大き過ぎるためにそのファイルを開けないことに一部のユーザーが不満を感じていたということです。IBMは「使い勝手を改善」したと述べていますが、それが具体的に何を意味しているのかははっきりしていません。

また、IBMは、ACSで、パスワードで保護されたSSH鍵またはパスフレーズをサポートするようになりました。 Microsoftの記事によれば、SSHパスフレーズは、パスフレーズを知らない誰かによってユーザーの秘密鍵が使用されるのを防止するということです。「パスフレーズがない場合、ユーザーのコンピューターにアクセスできれば、誰でもそのユーザーの秘密鍵をコピーできる可能性があります」とMicrosoftは述べています。

また、IBMは、この製品のSSL機能で、FIPS (Federal Information Processing Standards: 連邦情報処理標準)準拠チェック機能のサポートを終了すると発表しています。FIPSは政府機関および請負業者にとっての必須の標準ですから、今後は別の場所で検証される必要があるでしょう。

「FIPS準拠の要件が変更され、Javaランタイム環境(JRE)が進化しているため、IBM i Access Client Solutions(ACS)が、JREがFIPS準拠をサポートするかどうかの検証を試みることは意味を成さなくなっています。」

また、「ツール」メニューには、「System Debugger」へのリンクが追加されています。ACS 1.1.9.3についての詳細は、 https://www.ibm.com/support/pages/ibm-i-access-acs-updatesを参照してください。

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