今年、大規模エンタープライズ企業の大多数はITスタッフを増員予定
サンプル数は少なく、データは少し古いものの、朗報ではあるようです。
昨年の10月および11月、Gartner社のマーケット リサーチャーは、世界各地の大規模エンタープライズ企業のCIO(最高情報責任者)に調査を実施し、501名のCIOから回答を得ました。そのうち、北米、欧州/アフリカ/中東、およびアジア/太平洋地域の企業のCIOは182名でした。この調査は、実質的に、中米と南米からの回答に偏り過ぎていたということになりそうです。そのため、調査結果としては、少し割り引いて受け止めた方がよいかもしれません(あるいは、大幅に割り引く必要があるのかもしれませんが)。
Gartner社の定義では、大規模エンタープライズ(LE: large enterprise)企業というのは、年間売上10億ドル以上の企業ということなので、この調査データが当てはまるのは、IBM i on Power Systemsベースの一部のみかもしません。この調査によれば、調査に回答したそれらの企業のCIOの81%は、今年、IT部門の人員を増やすと回答しています。そして、調査に回答したそれらのCIOの67%(なかなかの数です)は、ITスタッフを少なくとも10%は増員して、DXおよびモダナイゼーションの取り組みに当たらせると回答しています。
そのような傾向が中小規模の企業にどの程度当てはまるかは分かりませんが、ITスタッフの増員に関して言えば、そうした活況はほとんど見受けられないとの予想が堅そうです。
そして、IT人員を増やそうとしている大規模エンタープライズ企業も、そうすることを難しくする、実に様々な問題に直面しています。それらは、規模の大小を問わず、すべての雇用主に影響を及ぼす問題です。以下は、不安定な経済情勢に対するIT人員配置における対応策を示したグラフです。
今年の採用に際してCIOが直面した問題を分類することに加えて、この調査では興味深いことをCIOに尋ねています。すなわち、IT部門において実際の業務を誰が担っているかについてです。その回答では、フルタイムの従業員が業務の56%を担っており、様々なオートメーション(新興の生成AIツールを含む)が占める割合は、9%を少し超えるくらいとだいうことでした。残りは、システム管理、監視、およびその他の業務で不足を補うことが多い、パートタイム従業員および様々なリモート管理サービス プロバイダーが担っていたと推定されます。