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IBMi海外記事2023.07.12

Java 17がIBM i で利用可能となり、WebSphereに仲間が加わる

Alex Woodie 著

先月、IBMは、Java 17がIBM i で利用可能になると発表しました。これにより、このプラットフォームに、Java 11以来となる大きなJavaの機能強化がもたらされます。また、IBM i 上でのJavaベースのWebアプリケーション サーバー環境も進化しています。IBMがWebSphereに加えて、さらなる選択肢を追加しているためです。

長年待ち望まれていた、IBM i でのJava 17の導入がようやく実現し、 最新のIBMテクノロジー リフレッシュ(TR)サイクル(IBM i 7.5 TR2および7.4 TR8)の一部として提供されました。IBMは、それら2つのTR上の5770JV1製品で、IBM Technology for Java 17と呼ばれる最新の64ビットJava Development Kit(JDK)をサポートするようになりました(より古いリリースでは、より古いJavaバージョンを使用する必要があります)。

2021年9月にOracle社によって正式にリリースされたJava 17は、2018年9月にJava 11がリリースされてから2つ目の長期サポート(LTS)リリースです。IBMは、従来、IBM i でのJavaの採用に慎重でしたが、2021年4月にJava 11のサポートを発表しています。

IBMのSemeruのWebページによれば、IBM i および他のプラットフォームでは、IBMは、IBM Semeru Certified Edition(OpenJDKクラス ライブラリーおよびEclipse OpenJ9 JVMで構築された無償のプロダクション レディのJavaバイナリーのセット)を使用します。IBM i 7.4および7.5の顧客は、Java 17、Java 11、またはJava 8.0を実行する選択肢もあります(すべて64ビット バージョン、またはJava 8の32ビット バージョン)。Javaの詳細については、IBMの「 Java on IBM i 」Webページを参照してください。

Java 17での機能強化としては、新たなコンテキスト固有のデシリアライズ フィルターのサポートによるセキュリティの強化、常に厳密な浮動小数点セマンティクスのリストア、およびSwitchステートメント向けのパターン マッチのプレビューなどの新機能があります。

また、先月のTRの発表では、IBM i でJavaアプリケーション サーバーを稼働するためのさらなる選択肢についても述べられています。

Java17

IBM WebSphereを稼働したくないユーザーには、Apache Tomcat(長年にわたってWebSphereの代わりに使用されてきたオープンソース製品)以外にも、数多くの選択肢があります。TRの発表で示されたように、IBMは、PASE for i(Portable Application Solutions Environment for i )環境をアップデートして、他の3つのオープンソースのJavaアプリケーション サーバー(Wildfly、Open Liberty、およびEclipse Jetty)をサポートしています。

WildFly は、2006年6月にJBoss社を4億2,000万ドルで買収したRed Hat社によって積極的に開発されたJBossのオープンソース バージョンです(言うまでもなく、IBMは2019年7月にRed Hat社を340億ドルで買収しています)。WildFlyは、その軽量で高度なメモリー管理で知られています。IBMは、WildFly向けのテクニカル サポート パッケージを提供しています。また、WildFlyからRed Hat JBoss Enterprise Application Platform(JBoss EAP)へのアップグレード パスもあります。

Eclipse Jetty は、元々は1995年に独立系オープンソース プロジェクトとして始まった、軽量ながらフル機能のJava Webサーバーです。今日では、このソフトウェアは、たとえば、Apache Spark、Maven、およびApache ActiveMQなど、他のオープンソース フレームワーク上で開発されたアプリケーションをサーブするためのプラットフォームとして使用されることがよくあります。また、IBMは、Jetty向けのテクニカル サポート パッケージも提供しています。

一方、Open Liberty は、クラウドネイティブなJavaマイクロサービスを稼働するのに効率的なアプリケーション サーバーとされています。高速な起動時間、devモード、およびコンテナ化されたデプロイメントのサポートにより、Open Libertyは、クラウドでマイクロサービスをデプロイしている開発者の間で多くの支持を集めています。Open LibertyはIBMが後援するオープンソース プロジェクトですが、IBMは、IBM iでのOpen Libertyの稼働に向けてのサポート パッケージは提供していないようです。

これらのオープンソースJavaアプリケーション サーバーの詳細については、 「IBM i OSS Docs」Webページを参照してください。

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