IBM、ACSバージョン1.1.9.0をリリース
今週、IBMは、多くのIBM i プロフェッショナルがIBM i プラットフォームとのやり取りに使用しているポピュラーなJavaベースのユーティリティ、Access Client Solutions(ACS)のアップデートをリリースしました。IBMはACSバージョン1.1.9.0でいくつかの機能強化を提供していますが、そのいくつかは機能改善要求(RFE)プロセスを通じて追加されることとなったものです。また、Navigator for iに関しては、デフォルトで、Log4jセキュリティ脆弱性の影響を受けやすい旧バージョンではなく、IBMの新たなNavigator for iが起動するようになります。
ACSは、以前のClient Access製品を置き換えるべく、 IBM が 10年前の8月 に公開した、様々な環境で使用できるJavaベースのユーティリティで、Windows、Linux、およびMac向けの製品があります。このソフトウェア(製品番号5733-XJ1)には、5250エミュレーター、5250プリンター エミュレーション、データ転送機能、IFSファイル表示機能、スプール ファイル管理、LANおよびHMC管理のための仮想コンソールなど、IBM i オペレーティング システムおよびその様々な機能とやり取りするための非常に重要なツールが数多く含まれています。
ACSの最近のリリースでは、システムに関する様々なコマンドおよびタスクを自動化する、数々の作成済みのSQLスクリプトが利用できるようになったおかげで、「SQLスクリプトの実行」(RSS)ユーティリティは、ACSスキーム内で最も使用されているユーティリティの1つとなっています。また、ACSは、YUMを通じてIBM i における数多くのオープンソース ソフトウェア パッケージをアップデートする際の推奨方式でもあります。そのため、このパッケージは、先進的なIBM i プロフェッショナルにとっていっそう重要なものとなっています。
今週月曜日、IBMは、予想されていたACSのアップデートをリリースしました。 IBM Supportページによると、ACSバージョン1.1.9.0では、ユーザーとシステム グループとの対話処理など、IBM i ユーザーに興味がありそうな、いくつかの一般的な機能強化がもたらされます。
まず、ACSには、システム構成でのシステム グループのサポートが加わりました。また、IBM Supportサイトによれば、システム用のメインGUIと、システム グループ用のビューを切り替えることができるようになりました。さらに、システム グループを使用して利用可能な別のシステム選択ダイアログも追加されたとIBMは述べています。
「オープン・ソース・パッケージ管理」コンポーネントが、メインGUIに移動されました。また、ハードウェア管理インターフェース1および2の名前のカスタマイズもサポートされるようになったとIBMは述べています。
RSS(「SQLスクリプトの実行」)には、1つのRSSウィンドウでの複数のスクリプトのサポートなど、いくつかの新たな機能強化が加わっています。IBM i IFSでファイルを保存または開くときに、ユーザーは新たな「FileChooser」(ファイル選択)機能を利用できるようになったとIBMは述べています。「スキーマ」および「SQL Performance Center」ダイアログは、RSSを使用することなく、SQLおよびCLを表示できるようになり、また、SQL用例の検索はホバー ヘルプで利用できるようになった、とIBMは述べます。
IBM i Navigatorに関するものとしては、顧客は、新たなIBM i Navigatorを使用するために構成ファイルを修正する必要はなくなります。これまでは、デフォルト構成では、自動的に旧バージョンのNavigatorが起動していました。旧バージョンのNavigatorは、Log4jの脆弱性の影響を受けやすく、IBMでは修正を行う予定がないため、これは良い知らせと言えるでしょう。
2021年末にLog4jの脆弱性が明らかになった直後に、IBMは、 New NavがデフォルトになるようにACSの更新を行う予定だと『 IT Jungle 』に述べています。IBMでは、3月に変更予定としていました。結果的に数週間遅くはなりましたが、遅れても変更しないよりはましということです。
前述のACS 1.1.9.0での機能強化に加えて、IBMは、今回のリリースで数多くの修正も発表しています。
ACSが機能するには、Javaランタイムが必要です。IBMでは、ACS向けに、Open Java Development Kit(OpenJDK)をベースにしたいくつかの無償のオープンソースのJavaランタイムを推奨しています。たとえば、IBM提供の IBM Semeru ランタイム、 AdoptiumによるEclipse Temurinランタイム、および AWSによる Amazon Corretto などです。
前回、11月に、 Javaに関する状況 についてIBMに話を聞いた時点では、ACSにはJava 8以降が必要とされていました。しかし、IBMでは、顧客はJava 11でACSを稼働するよう推奨しています。IBMによれば、Macの顧客はJava 11を稼働する必要があり、Amazon Correttoが推奨されています。これは「キーストローク問題向けの最新のアップデートが含まれている」ためです。
ACS 1.1.9.0および5733-XJ1向けの累積的なサービス パックについての詳細は、 www.ibm.com/support/pages/ibm-i-access-acs-updatesを参照してください。