メニューボタン
IBMi海外記事2022.02.09

IBM、IASおよびIWSユーザーにJava 8への移行を推奨

Alex Woodie 著

現在、IBMでは、統合Webアプリケーション サーバー(IAS: Integrated Web Application Server)および統合Webサービス サーバー(IWS: Integrated Web Services)環境を使用するIBM i 顧客に、Java 8への移行を推奨しています。先月の同社の発表によると、IASおよびIWS環境は、引き続き、以前のバージョンのJavaで稼働できますが、それらはIBMによって完全にはサポートされないということです。

IASは、IBM i 向けの軽量Javaアプリケーション サーバーであり、Java Server Pages(JSP)およびJavaサーブレットベースのアプリケーションを開発および実行するための基盤となります。IASは、従来の IBM WebSphere環境のスリム化されたオープン バージョンである、WebSphere Application Server Libertyをベースにしています。IASのメモリー フットプリントはTomcatと同様ですが、IASには、エンタープライズJava機能(Tomcatにはありません)を導入するオプションを顧客に提供できるというメリットがあります。

一方、IWSは、ILEアプリケーション(たとえばRPGおよびCOBOLで開発されたアプリケーションなど)を、SOAPおよびREST標準を使用しているWebサービスとしてエクスポーズするための統合されたIBM環境です。また、IWS環境は、IWSクライアントでAPIを生成することに加えて、それらを本番で稼働するためのエンジンも提供します。これら2つの環境(IWSとIAS)はコンポーネントを共有しているため、IBMはそれらを同様に扱います。

Java 7からの移行は、2年間にわたって作業が進められてきましたが、この度、それは公式なものとなりました。IBMは、「Deployment of web services requires Java 8 or higher JRE(Webサービスのデプロイメントには、Java 8以降のJREが必要)」と題する 11月1日付けのアナウンスメントで、次のように発表しています。

「2021年11月以降、統合WebサービスPTFは、IWSサーバーがJava 8以降のJavaランタイム環境(JRE)を使用していることを要求するJavaコードを生成するようになります。これまでは、Java 7 JREを使用しているサーバーを稼働することができました。」

IBMは、11月22日、IASおよびIWS向けの「 オフィシャル サポート ステートメント 」を通じて、補足情報を発表しました。このステートメントでは、顧客の環境で、Java、IWS/IAS、およびIBM i オペレーティング システムのどのような組み合わせをIBMが実際にサポートするかについての細かな違いについて説明しています。手短に言えば、IBMは「Java 8が必要」としていますが、少なくとも、サポートの領域に関して言えば、「フル」サポートで対応しなくてもよい場合は(そして古いIBM i OS上での稼働の場合のみ)、全くその通りというわけではありません。

たとえば、IBM i 6.1.xおよびIBM i 7.1の延長サポート契約を結んでいるIBM i 顧客は、JDK 5.0でのIASバージョン7.1およびJDK 6.0でのIASバージョン8.1を含め、以前のバージョンのIASを稼働している場合は、引き続き「ベスト エフォート サポート」を受けることができます。一方、IBM i 7.2の延長サポート契約を結んでいる顧客は、JDK 6.0でIAS 8.1を稼働し、IBMから一部のサポートを受けることもできます。

同様に、IWSについては、IBM i OSバージョン6.1.xおよび7.1の延長サポート契約を結んでいる顧客は、引き続き、JDK 5.0でのIWS 1.3およびJDK 6.0でのIWS 1.5向けの「ベスト エフォート サポート」を受けられることがIBMのサポート一覧表で示されています。また、IBM i 7.2の延長サポート契約を結んでいる顧客も、JDK 6.0で稼働しているIWS 1.5向けの「ベスト エフォート サポート」を受けることができます。

ただし、IBMによってフル サポートされているバージョンのIBM i(バージョン7.3または7.4)を使用している顧客の場合は、そうした以前のIWS/IASおよびJava環境を使用しつつ、さらにIBMからのサポートも受けるオプションはありません(「ベスト サポート」またはそれ以外のサポートも含めて)。新しいバージョンのIBM i を使用している場合は、フル サポート(それらのIBM i OS向けに提供される唯一のサポートのタイプ)を受けるためには、IBMでは、JDK 8.0で、Web環境の最新リリースであるIWS 2.6およびIAS 8.5を稼働していることが必要となるとしています。

「ベスト エフォート サポート」というのは、その名の通りの方式でのサポートです。顧客はIBMサポートのCaseを作成することもでき、「サポートは可能な限りの支援を行います」とIBMは述べています。もっとも、これでは何の保証にもなりません。さらに、不具合または開発のサポートは、「ベスト エフォート サポート」の顧客には利用可能ではありません。そうしたサポートを受けるには「フル サポート」契約でなければなりません。

IBMは、IWSおよびIAS環境の上位バージョンへの移行を検討している顧客向けに、推奨事項を示しています。「現在、IWS v1.3/1.5またはIAS v7.1/8.1を稼働している場合は、IBM i を7.3以降にアップグレードする前に、IWS v2.6またはIAS v8.5へのアップグレードを行っておくことを強く勧めています」とIBMは述べています。

IBMは、IWSユーザーに対しては、バージョン1.3または1.5からバージョン2.6へ移行する手順については、 こちらのIBM Supportドキュメント を参照するよう推奨しています。残念ながら、IAS 8.5については、直接、移行する方法はないため、顧客は手作業で環境を再構築する必要があるとIBMは述べています。

ここまでの説明だけでも非常にややこしく感じられた方もいるかもしれませんが、IASおよびIWSを構成する特定のライセンス プログラム製品(LPP)(製品番号、57xxSS1、57xxDG1、および57xxJV1)に関しては、さらに細かな違いがあるようです。57xxJV1製品の配下の特定のオプションは、IBM i の各種バージョンによって、フル サポートされるか、「ベスト エフォート」サポートで提供されるか、あるいはまったくサポートされないかのいずれかになるようです。IBMでは、それらについて不明点がある場合は、IBMサポートへ問い合わせるよう推奨しています。

あわせて読みたい記事

PAGE TOP