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IBMi海外記事2020.01.15

Db2 Web QueryはV2.1で終わらない

Alex Woodie 著

IBMはDb2 Web Query for iを終了させようとしている、あるいはCognosに置き換えようとしている、といった噂があります。IBMによれば、どちらも真実ではないそうで、先日、IBMはDb2 Web Queryのサポートについて若干の変更を行ったようです。

Db2 Web Query for iは、言うまでもなく、 Information Builders 社の主力のBIおよびアナリティクス ツールであるWebFOCUSのOEMバージョンであり、 IBM が2007年に市場投入した製品です。このJavaベースのツールは、ユーザーがDb2 for iデータベース(およびその他のデータベース)に対して照会を書き、様々な組み込みおよびカスタムのダッシュボードおよびレポートで結果を表示することを可能にします。

Db2 Web Queryは、以前のQuery/400製品と比較してはるかに先進的で、何千もの企業が採用しており、IBMは2年ごとに新リリースによってDb2 Web Queryの更新と機能強化を続けてきました。

2018年9月の IBMの発表 では、Db2 Web Queryバージョン2.1.xのサポートが2019年9月30日に終了するということでした。その終了予定日を1か月半過ぎた今、サポートされていないバージョンを使用しているIBM i のショップは、IBM i 7.2および7.3向けのTRで 2年前に発表 されたDb2 Web Queryバージョン2.2.1への移行計画を積極的に実施しているはずです。

IBM i 7.4 TR1およびIBM i 7.3 TR7に関する 最新の10月のアナウンスメントで、IBMはDb2 Web Queryのアップデートを行いませんでした。つまり、Db2 Web Queryバージョン2.2.1は、引き続き同製品の最新バージョンのままということであり、なおかつIBM i 7.4で稼働する唯一の製品リリースということにもなります。今回の発表に関してIBMから『 IT Jungle』に提供されたチャートでは、IBMはDb2 Web Queryの新リリースに向けて作業を行っていることを認めています。

その一方で、IBM i コミュニティは、Db2 Web Queryバージョン2.2.1のまだ比較的新しいいくつかの既存の機能をさらに広く活用することもできます。2.2.1が最初にリリースされた際、小誌でも、ユーザーがグラフィカルな手法を用いて大量のデータを調査して、データに埋もれているトレンドをより簡単に見つけられるようにするビジュアル データ探索機能など、いくつかの大きな機能について記事で取り上げています。

しかし、その他にも、2017年にIBMが導入した新たなEZ-Installオプションなど、改めて取り上げる価値のあるDb2 Web Queryの機能がいくつかあります。EZ-Installは、Db2 Web Queryをインストールするための簡略化されたプロセスを提供し、IBMではすべての顧客が新規インストールとアップデートの両方でEZ-Installオプションを使用するよう推奨しています。Db2 Web Queryのライセンスを購入していないユーザーも、EZ-Installを使用して、この製品の70日間有効なトライアル版をロードすることができます。

もうひとつ、取り上げる価値のある機能としては、システム管理者向けの新たなサンプル レポートおよびダッシュボードがあります。これらのレポートおよびダッシュボードは、システムおよびデータベースの上限への接近や、どのオブジェクトが最も多くの一時ストレージを使用しているか、どのジョブが最も多くCPUを使用しているかなど、システムに関する主要なパフォーマンス指標を素早く確認する機能を管理者に提供するように設計されています。

また、管理者は、複数のLPARに対してどのPTFグループを適用済みかについて精密に報告するレポートなど、システム全体の管理情報を収集したレポートも利用できます。IBM i 環境が拡大し、PTFが増大化しているため、このフィーチャーは、管理者にとって真の時間節約機能となります。

また、EZ-Installオプションは、多数のレガシーな日付フォーマットの処理に苦労しているIBM i のショップにとって役に立つ、新たなデータ ディメンション表ユーティリティも自動的に作成します。システムでの日付の処理には多種多様な方法があり、IBMはそのユーティリティでこれに対応しました。IBMでは、このユーティリティは、日付範囲内の日付ごとに表内に1つの行を自動的に作成すると述べています。また、「思い付き得るあらゆるレガシーな日付フォーマット」ごとに1つの列を作成するとIBMは述べます。さらにまた、データ属性(たとえば休日など)に対しても1つの列を生成します。

IBMは、Db2 Web Queryを現状にとどめようとしているわけではないようです。IBMが新リリースを明らかにするときには、初めて耳にするのは『 IT Jungle』で、ということになるでしょう。

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