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IBMi海外記事2018.04.12

新たなIBM iテクノロジー・リフレッシュ、3月中旬に提供開始

Dan Burger 著

昨日、IBMは、IBM i 7.2向けのテクノロジー・リフレッシュ8(TR8)およびIBM i 7.3向けのTR4を発表しました。今回のTRでは、Power9ハードウェアのサポート、RPGの機能強化、セキュリティ強化、およびライセンス製品の様々な新機能が提供されることになります。Power9のサポートについては、今号の『The Four Hundred』の別の記事で取り上げています。ここでは、IBM iオペレーティング システム、ライセンス プログラム、およびソフトウェアについて概観してみようと思います。

TRの機能強化にRPGが含まれていますので、まずはそこから見ていきましょう。Rational Development Studioを使用しているアプリケーション開発者は、DATA-INTOと呼ばれる新規の演算コードに注目すべきです。これにより、構造化データを解析してRPG変数にする機能が加わります。

製品情報01

XMLがRPGおよびIBM iに導入された際、XML-INTOというキーワードがRPGに加わりました。これにより、RPGでのXMLデータの解析、読み取り、および使用が簡単に行えるようになりました。DATA-INTOは、そのようなアイデアのバリエーションであり、JSONを処理します。これは、RPGプログラムでのより良いデータ管理に向けた次のステップです。RPGが、すでにDb2 for iにあるデータと連携を取りやすくなります。

これは、過去数年間に渡って段階的にOSに追加されてきたJSONサポートへの進化と考えることができます。

「JSONは、実働ワークロードでXMLと同じように使用できる段階になっています」と、IBM iチーフ アーキテクトのSteve Will氏はTR発表日のインタビューで『IT Jungle』に述べました。「今では、XMLと同じようにテーブルへロードできるようになっています。」

チーフ アーキテクトのWill氏は、これでJSONサポートの中核となるインフラストラクチャーが完成すると述べつつも、今後のTRおよびOSリリースで、さらなるJSON機能強化が加えられることも示唆しています。以前には、JSON関連の機能強化と言えば、プログラマーがJSONに慣れ親しむことはできるものの、本番業務に十分に対応できる機能ではないテスト環境向けのものがほとんどでした。 統合Webサービス(IWS)を使用しているWeb開発者およびシステム管理者は、いくつかの機能強化に注目すべきです。最も重要なのは、認証ユーザーのもとでのWebサービスの実行を可能にするセキュリティ機能です。以前は、Webサービスがデプロイされた際にユーザーを指定する必要がありました。

また、統合WebサービスにはVarCharサポートも加わりました。これは、渡されたデータの量または戻されるデータの量を判別するVarCharフィールドを定義するのに使用されます。また、フィールドの長さの検出および判別を簡潔に行えるようにします。

システム管理者は、サービスを更新するためにサービス エンジンを更新する際に使用されるWebサービスの再デプロイ機能をありがたいと思うはずです。

統合Webサービスのクライアント トランスポート サポートの機能強化により、クライアントはRPGプログラムからSOAP定義済みエラー障害指定を検索できるようになりました。エラーがWebサービスで発生した場合、障害メッセージはSOAP仕様で定義されています。各障害メッセージには、特定のエラー状態を記述するXMLを組み込むことができます。

製品情報01

いつものことながら、TRの発表ではAccess Client Solutions(ACS)の機能強化が注目されます。ACS開発チームは、データベース、オープンソース、および言語ランタイム開発を専門とするチームと密接に連携しています。

Db2チームは、この数年間に導入されてきたSQLサービスにアクセスするACS機能に特に取り組んできました。以前は、SQLサービスへのアクセスは面倒だったため、今回の最新アップグレードでは、より簡単なアクセスに重点が置かれました。 複雑さが軽減されることは、ソフトウェア機能強化によってしばしばもたらされるメリットです。そのまま使用できる、またはより具体的な用途に合わせて修正して使用できる、SQLサービス コードの用例を引き出すことができます。IBMは、長年の間、数多くのデータベースの機能強化を行ってきました。そうした機能強化のなかには、それらを利用しやすくするための機能強化を必要とするものもありました。

また、ACSでは、フォルダーおよびファイルごとの許可の表示も強化されました。これは、ACSユーザーから要求のあったセキュリティ管理のための機能強化です。

「ACSは、Client Accessの時代に比べてはるかに大型の製品になっています」と、『IT Jungle』へのブリーフィングの際に、IBMシニア プロダクト オファリング マネージャーのAlison Butterill氏は述べました。「ACS開発チームとデータベース チームは連携しています。そして、データベース チームは、オープンソースおよび言語ランタイム開発チームとも連携しています。それらのチームはすべて協働し合っているということです。」

ACSでのデータベース固有の機能強化としては、以下のものがあります。SQL Performance Center内でのShow Statementsの分類の機能強化。「プロパティー」、「開始/終了」、および「レシーバー交換」のサポートが、「ジャーナル」セクションに追加されました。Visual Explain内で、新規の凡例が、表示されている内容の理解をユーザーが深めることができるように支援するために組み込まれています。

その他にも、次のようなアップグレードが行われています。Backup, Recovery and Media Services for i(BRMS)7.2以降は、クラウド リモート システム リストアによって機能強化されています。クラウド リモート システム リストアは、元のシステム以外のシステム上で仮想バックアップ メディアをクラウド ロケーションから代替ロケーションに復元するための機能です(ただし、クラウドでのデータの保管にはIBM Cloud Storage Solutions for iが必要になることに注意してください)。IBM Access for Webは、最新バージョンのWebSphere Application Server V9上で稼働できようになりました。インストール機能については、USBフラッシュ ドライブに加えて、RDXメディアもサポートされるようになったことで、IBM iのインストールをより簡単に行えるようになりました。また、IBM i区画またはWindows PCへのダウンロードに加えて、Macへのダウンロードがサポートされたことは、Macユーザーにとって喜ばしいことでしょう。

予定されているIBM i 7.1の標準サポートの終了とオペレーティング システムのアップグレードに関することとして、IBMerたちは次のようにアドバイスしています。

「Power9のI/Oおよび他の機能についての私見によると、7.2よりも7.3へOSアップグレードするほうが、顧客が得るものは多いように思われます」とWill氏は述べます。「顧客が、来年か、あるいは2~3年のうちに7.1からのアップグレードを考えており、Power9ボックスへ移行するのであれば、7.3へ移行するのが断然良いでしょう。もちろん、Power9サポートは、7.2および7.3をカバーしています。」

Will氏は続けてこう述べます。「今後、IBMがTRを使用して機能強化をより良いものにし、より迅速に行い、その数量を増やしてゆく対象は、7.2よりも7.3になってゆくと私は思います。7.1から移行するのであれば、7.3への移行がお勧めです。」

HelpSystems社の「IBM i Marketplace Survey」によると、昨年、7.3の導入は大幅に増加したということです。データが収集された2017年の秋の時点で、調査回答者の15.6%が7.3を稼働していたようです。 「OS導入に関するこれまでの傾向とは少し異なる傾向を目にすることになると思います」とButterill氏は述べます。「我々は、OSがハードウェアへ依存する関係を変えてきました。ショップは、OSとハードウェアを同時にアップグレードすることを計画する必要はもうありません。我々は、現在、これまでとは少し異なる曲線上にいるようです。」

これらのTR機能強化の一般向け提供開始日は、3月16日です。

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