IBM、IBM i 6.1を1年後に終了
時がたち、世界は変わり、オペレーティングシステムのバージョンとリリースは現れてはすぐに消えてゆきます。
IBMは4月末にPower8のスケールアウトシステムの発売と同時にIBM i 7.2ソフトウエアをリリースしました。統合ソフトウエア・スタックのアップデートであり、この新しいハードウエアの利点を享受するために調整されたリリースでした。これは新しきを迎え古きに別れを告げることを意味し、IBM i 6.1の顧客はアップグレードに備えるか、ソフトウエアのサポート契約の延長の予算を獲得する準備をするかを選択することになります。
IBMは発表レター 914-181で、これにより1988年6月にOS/400 V1R1で始まったオペレーティングシステムファミリーのIBM i 6.1リリースを終了させるプロセスに入ったと通告しています。
IBM i 6.1は2008年1月29日に発表され、3月21日に出荷が始まりました。このソフトウエアはPower SystemsマシーンのPower6世代と多かれ少なかれ一致しており、各ソケットにつき2コアを誇っていました。OS/400ファミリーのオペレーティングシステムでIBM iブランド名を有する最初のシステムでした。我々はIBM iのネーミングに反対で、しばらくi5/OS V6R1と呼んでいました。このIBM i 6.1のリリースには、仮想化によってAIXを周辺機器とIBM iの論理区画に接続させるための無償Virtual I/O Server (VIOS)が含まれていました。そして特に重要なのはTechnology-Independent Machine Interface (TIMI)の大掛かりな変更が含まれていたことです。この機能はOS/400とその後継を支えて、IBMがハードウエアを変更しながらも多くのハードウエア世代にわたってアプリケーションの互換性を維持するのを可能にしてきました。この大きな変更はSystem/38から1988年6月のAS/400導入以来、基本的に必要としなかった再コンパイルを必要としました。このプログラムの変更処理は特にソースコードを持っていない顧客にとっては楽な作業ではなく、そのために多くの顧客がOS/400 V5R4に留まりました。結局IBMは2009年10月にIBM i 6.1.1アップデートをリリースしました。IBM i 6.1 とIBM i 6.1.1の両リリースがサポートの段階的な縮小プロセスに含まれていたか否かは明らかではありません。しかしながら、6.1 と6.1.1はマイナーチェンジのリリースであり、あらゆる意味で、終了に向かっていると考えるのが妥当でしょう。しかしながら、IBMのセールス・マニュアルを開くと、IBM i 6.1だけが2014年12月9日に営業活動を終了し、2015年9月30日に標準サービスを打ち切ることになっています。IBM i 6.1.1については不明ですが、従来の例に従えば約1年長くなると予測されます。
いずれにしても、プログラム番号5761-SS1は、皮肉にも発表レターでi5/OSに分類されていますが、2015年9月30日以降は通常のソフトウエアメンテナンスとしてはサポートされません。これはIBM i 6.1バージョンとしてのサポート日数合計2,749日であり、多くのリリースに比べてかなり長いものであり、IBMがOS/400 V4と早期V5リリースで10年前にサポートサービスを延長したときとほぼ同じ長さになります。もし、OS/400、i5/OS、IBM iリリースの時系列を比較したいのであれば、私が1988年以降のIBMミッドレンジプラットフォームの全てのオペレーティングシステムに関して発表日、出荷日、営業終了日、標準サポートの終了日、延長サポートの終了日を一覧表にしたので以下でご覧ください。
http://www.itjungle.com/tfh/tfh091514-story01-table01.html
IBM i 6.1のソフトウエアメンテナンスを約1年後に終了することに加えて、このソフトウエアに関連する多くのシステムソフトウエアのサポートサービスが終了しようとしています。それらは、WebSphere、WebSphere Studio、DB2 Web Query、Query Tools、DB2 Query ManagerとSQL Development Kit、BRMS、CICS、Performance Tools等です。
過去いつも行われてきており、特に最近は多いことですが、今回もIBMはIBM iの使用を止めるまでにさらに時間を要する顧客に向けてサポート契約を有料で延長することを計画しています。この計画が実行された場合、上記の一覧表からIBM i 6.1の延長サポートがいつ終わるかを予測することができます。2013年5月、i5/OS V5R4の延長サポートが発表され、IBMは3年間の延長を約束しています。この発表の1年少し前にIBMはV5R4の3年間の延長サポート計画と、その料金はコアベースで通常のソフトウエアメンテナンス料金の約70%アップとなることを顧客に伝えました。ただし、その後、実際の料金は約60%の増額でした。延長契約ではIBMが新しいバグの修正は行わないため累積PTFのアップデートは含まれません。延長サービスはIBM iオペレーティングシステムのリリースをカバーしており、またSWMAに基づくライセンスプログラム製品をも含んでいます。
使用サポート、すなわち顧客が試してみて正しく機能しない場合、あるいは理解に援助が必要な場合のサポートがサービス延長の一部として含まれています。またIBMはコードにバグが発見された場合にはパッチを当てることも合意しています。
IBMはIBM i 6.1の新しいフィーチャー開発は行いません。