海外にあるIBM i (AS/400)のNTPの参照先に日本のIBM i (AS/400)を指定した場合、正しく動作しますか
Question
弊社は海外にも何拠点かIBM i (AS/400)を使用しています。
時刻ズレが無いように、各国でNTPサーバーを設定しているのですが、国ごとにNTPサーバーを立てると、時差を考慮した時間に差異が出てしまうことはあるのでしょうか。
例えば日本のIBM i (AS/400)を日本のNTPサーバーと同期させ、日本のIBM i (AS/400)をNTPサーバーとして、各国のIBM i (AS/400)に設定した場合、基準となる時間は日本のIBM i (AS/400)の時間から±何時間として各国のIBM i (AS/400)は計算するのでしょうか。
Answer
何れのNTPサーバーと同期する設定としても、時間ズレが発生する可能性は低いと考えられます。
NTPサーバーでやり取りされるのは、常にUTC-GMTの値、つまり国際標準時の値でやり取りをしています。
各システムは国際標準時で受け取った値から、自らはタイムゾーンがどこに所属しているかをOSに設定することで、自らの時間を計算し決定します。
IBM i(AS/400)ではTIMZONの設定はWRKSYSVAL QTIMZONにて設定できます。
日本でしたら値をQP0900JSTに指定すると、国際標準時から+9:00を自身の時間としてシステムが動作します。
この+9:00された日本のIBM i (AS/400)を別の拠点のNTPサーバーとして設定した場合、+9:00された値を他に共有するのかと言われるとそうでは有りません。
上記の通りNTPとしては常に国際標準時のみを共有しますので、日本と時差1時間の国のIBM i (AS/400)に、+8:00のTIMZONを指定していれば値は正しくなります。
日本IBM i (AS/400)をNTPサーバーとして見た場合でも、海外のNTPサーバーを見た場合でも、それぞれの地域によって時間がズレてしまう可能性は低いと言えます。
設定値の一括管理の側面から考えると、各国のIBM i (AS/400)に各国のNTPサーバーを指定するよりも、特定の値、今回で言えば日本IBM i (AS/400)を指定するのはベターな判断といえます。
by 大熊猫橋