日次バックアップの時間が長くなった
Question
先日、OS V7R2からV7R3 にバージョンアップを実施しました。
バージョンアップ後からだと思うのですが、日次バックアップの所要時間が大幅に伸びています。バックアップの内容は変わらず、保管対象オブジェクトに容量に大幅な増加は見られませんでした。
OSが違う事で仕様変更などがあったのでしょうか。因みに、バックアップは「*ALLUSR」で取得しています。
Answer
バックアップ時のジョブログを確認させていただいたところ、パフォーマンス・ライブラリー「QPFRDATA」のオブジェクトでオブジェクトロックが発生し、結果バックアップ全体の処理時間が長くなっていることがわかりました。
以前のOSでも、パフォーマンス収集ライブラリー「QPFRDATA」は保管対象にしていたという事ですので、パフォーマンス収集設定を確認したところ、パラメータ「データベース・ファイルの作成」が「*YES」になっていました。
この「データベース・ファイルの作成」は、パフォーマンス収集オブジェクト(*MGTCOL)のほかに、その収集オブジェクトから展開したデータベースを作成する、というものになります。
V5以前のシステムでは、このパラメータはデフォルトが「*NO」でした。 V6から「*YES」に変更されているのですが、以前のシステムからバージョンアップやリプレイスで使用している場合、このパフォーマンス収集設定は引き継がれる為、もともと「*NO」で使用していた場合、そのままデータベースは作成されませんでした。
ですが、V7R3からはこのパフォーマンス収集設定がリセットされ、データベース・ファイルの作成のパラメータがデフォルト値の「*YES」に再設定されています。
これにより、バックアップ時にファイルに対するロック待ちが発生し、バックアップ全体の処理時間が長くなった、という事が考えられます。
対応策としては、パフォーマンス収集設定の「データベース・ファイルの作成」を「*NO」にするか、またはパフォーマンス収集ライブラリーをバックアップから除外するか検討できます。
保管毎にデータベースの作成をしなくても、後からでもパフォーマンス収集オブジェクト「*MGTC」からデータベースを作成することは可能です。
パフォーマンス収集ライブラリーは、システム復旧に必須なライブラリーではありません。 お客様のポリシーにもよりますので、上記内容を踏まえ、パフォーマンス収集ライブラリーの対応をご検討いただければと思います。
by かんぴょう木綿さん