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IBMi海外記事2024.12.11

IBM、新たなクラウド オファリングの「Migrate While Active」およびHAのサブスクリプションを発表

Alex Woodie 著

IBMは昨日、IBM i 向け継続的可用性および高可用性製品(それぞれDb2 MirrorおよびPowerHA)の新たなサブスクリプション提供を発表しました。また、IBMは、IBM i インスタンスを、IBMのPowerVSクラウドまたは他のPowerベースのクラウドで稼働しているサーバーへ移行するための、「migrate while active(アクティブなままマイグレーションを行う)」プログラムについても併せて発表しています。

この2年半の間にIBMは、IBM i ソフトウェア スタック(オペレーティング システムや、BRMSおよびCloud Storage SolutionsのようなOS補助的機能など)を、永続ライセンスからサブスクリプションへ移行させてきました。それと同時に、オペレーティング システムのサブスクリプションの一部に、Performance Toolsや拡張ジョブ スケジューラー(AJS: Advanced Job Scheduler)など、より多くのユーティリティを含めることによってスタックの簡素化を図っています。

PowerHAおよびDb2 Mirrorは、この夏にIBMが製品の簡素化およびサブスクリプションの取り組みに関するウェビナーを行った時点で、サブスクリプション モデルへ移行されずに最後まで残されていたIBM i 向けサポート製品でした( 先月の記事を参照 )。しかし、 2024年10月22日付けのIBMの発表レターで、それらの製品についてもようやくサブスクリプションへの移行が発表されました。

発表レターで示されているように、IBM i 顧客は、90日、1年、2年、3年、4年、および5年の、6通りのサブスクリプション期間を選んでPowerHAおよびDb2 Mirror製品を利用できるようになります(IBMソフトウェア メンテナンス(SWMA)も料金に含まれています)。

PowerHA SystemMirrorは、内部のDASDベースのレプリケーション メカニズム(地理的ミラーリング)と同様に、SANベースのレプリケーション メカニズム(メトロ ミラー、グローバル ミラー、およびFlashCopy)を使用して、プライマリー サーバーまたはストレージ システムから、1台または複数台のセカンダリー サーバーまたはストレージ システムへ自動的にデータを移動する、IBMの高可用性(ハイ アベイラビリティー)ソフトウェアです。

Db2 Mirrorは、低遅延のRemote Direct Memory Access(RDMA: リモート ダイレクト メモリ アクセス)プロトコルをサポートする、100 Gb/秒のイーサネット リンクで接続された2台のIBM i サーバーにインストールされるアクティブ-アクティブ データベース クラスターを作成する、IBMの継続的可用性ソフトウェアです(IBM i 7.4で導入)。RDMA over Converged Ethernet(RoCE)接続をサポートするHigh Speed Link(HSL)ケーブリングには長さの制限があるため、Db2 Mirrorでは、地域規模の災害に対するレジリエンスは提供されません。

新たなサブスクリプション オファリングは、PowerHA SystemMirror for i 7.5およびPowerHA SystemMirror for i 7.4 Enterprise Editionにとって有用性が高いようです。また、IBM i 7.4以降でDb2 Mirrorを稼働している顧客は、誰でもサブスクリプションを利用することができます。

また、昨日の発表には、まったく異なる予想外のものも含まれていました。すなわち、顧客がIBM i の実装をPowerVS、IBMのPowerクラウドへ移行させるのを支援する、新たなIBM i Migrate While Activeオファリング(5770-DBMフィーチャー5102)です。

新たなオファリングは、マイグレーションを行いながら、ユーザーが作業し続けることを可能にするとIBMは述べます。マイグレーションを始めるには、ユーザーはシステム保存を実行して、ソースからPowerVSまたは他のクラウド プロバイダー内のコピー ノードへ移行します。

「システムが保存されると、IBM iワークロードを再開することができ、IBM i Migrate While Activeはインスタンス全体で発生した変更を追跡します」とIBMは続けます。「PowerVSでシステムの保存が復元され、安全なネットワーク接続が確立されると、追跡された変更がPowerVSのシステムに同期されます。」

完全なシステム移行には、2回の計画停止が必要です。1回目は、最初に行うシステムおよびユーザー データの保存のためです。2回目の停止は、データの同期および評価を完了するためです。

現行のすべてのIBM i 製品と同様に、IBM i Migrate While Activeは、サブスクリプション期間オファリングとして利用可能です(これは当然です。永続的にマイグレーションを行うことはないからです)。この製品に関する詳細情報は、 IBMのサポート サイトでご覧になれます。

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