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IBMi海外記事2024.10.23

ACS 1.1.9.6での「SQLスクリプトの実行」の機能強化

Alex Woodie 著

先週、IBMは、Access Client Solutions(ACS)の新リリースの一般向け提供を開始しました。これには、ユーザーがSQLステートメントを実行できるようにする人気のツール、「SQLスクリプトの実行」(RSS)に対する、いくつかのユーザー要望によるアップデートが含まれています。また、ACS 1.1.9.6では、データ転送、IFS、および5250エミュレーターなどのコンポーネントにも機能強化がもたらされます。

言うまでもなく、ACSは、IBMがClient Accessを置き換えるべく12年前に発表した、様々な場面で利用できるJavaベースのユーティリティです。RSS、データ転送、IFSファイル表示、スプール ファイル管理、5250エミュレーター、5250プリンター エミュレーション、およびLANおよびHMC管理のための仮想コンソールなど、システムとのやり取りを行うための数多くの機能が含まれているため、ACSは、あらゆるIBM i ユーザーにとっての必須ツールとなっています。

このところ、RSSは、IBM i コミュニティからの注目を浴びています。これは、とりわけIBMが、社内での開発の取り組みで、IBM i のSQL環境を強化し、管理者に従来のコマンドの使用から最新のSQLでの同等機能の使用への移行を促すことに力を入れてきたためです。IBMは、豊富なSQLの用例(RSSの特長です)を提供することによって、ユーザーに自身の環境でSQLを試してみるよう促しているということです。

IBMは、 ACS 1.1.9.6で、RSSに対するいくつかのアップデートを提供しており、それらは先週木曜日に利用可能となっています。まず、ユーザーは、SQLの用例を次々に新規作成し続ける代わりに、RSSで既存の用例を修正できるようになりました。

以前のリリースでは、ユーザーが既存のSQL用例を修正または改良した場合、ユーザーによる変更内容を保存するための唯一の選択肢は、新たに用例を作成することでした。また、古い用例を削除することもできませんでした。今回のアップデートで、ユーザーは、SQLの用例をアップデートしたり削除したりできるようになりました。

IBMがRSSで提供しているSQL用例は、すべてユーザーから評価されているようですが、一部には、用例が単純過ぎるという不満の声もあるようです。IBMは、こうしたユーザーからの要望に応えるべく、特にMERGE SQLステートメント関連の用例をいくつか「例から挿入」に追加しています。

また、ユーザーがRSSを起動し直したときに、RSSでユーザーのタブが自動的に再表示されるようになりました。これも、IBM Power Ideas Portalを通じてユーザーによって要望されたアップデートでした。

RSSの「開く」ダイアログ ボックスで、スペースが無駄遣いされることはなくなりました。

IBMは、RSSに関するもうひとつの要望の多かった問題、すなわち、「開く」ダイアログ ボックスをサイズ変更できなかった点を修正しています。あるユーザーは、ダイアログ ボックス内の一部の領域が「まったく利用できない」状態になっているため、列幅を拡げて「実際のファイル名やフォルダー名」の処理を行える十分なスペースがないと不満を述べていました。

さらに、ダイアログ ボックスを開くたびにユーザーはサイズ変更を行う必要があり、これは「モダンなアプリケーションとしてはあり得ない挙動」だと、IBM Power Ideas Portalに変更の要望を投稿したユーザーは記しています。IBMは、要望されたこれらの変更を実装しましたが、これはWindows上で稼働するACS専用です。

ようやく実現されたもうひとつのRSSの機能強化は、ユーザーが、標準的な「開く」ダイアログ ボックスを使用することなく、SQLファイルをIFSパネルからRSSパネルへドラッグ&ドロップできるようになったことです。IBMは、以前から、他のIBM i 機能ではIFSへのネイティブなドラッグ&ドロップ機能をサポートしていましたが、ACSではこれまでサポートしていませんでした。

ACSで、IFSからファイルを開きたいという場面はないでしょうか。ユーザーは、マウスのダブルクリックでファイルを開くことに慣れていますが、ACSの場合、ダブルクリックでは、「表示」ダイアログ ボックスが開くだけでした(右クリックした場合と同じ)。IBMはACS 1.1.9.6でこの挙動を変更し、ユーザーはダブルクリックでファイルを開くことができるようになりました。

IBMのダブルクリック担当の部署は忙しかったに違いありません。というのも、IBMはACSのデータ転送コンポーネントにも、ダブルクリック機能を追加しているからです。具体的には、「IBM i データベース・ファイルの作成」を使用してデータをインポートする際にマウス ボタンを素早く2回続けて押すと、スキャンの詳細が表示されるようになりました。

また、IBMは、ユーザーがグリーンスクリーンを通じてシステムとの対話処理を行えるようにする5250ディスプレイ エミュレーターにも、ユーザー要望の機能強化を行っています。エミュレーターは、「画面を画像として保管」機能を通じて画面キャプチャーをサポートしていますが、画面がキャプチャーされた日時は記録していませんでした。この点が、今回のリリースで、タイムスタンプ オプションの追加によって修正されています。

スクリーン ショットは、手順のトレーニング用だけでなく、コンプライアンスを目的とする内部監査の一部として頻繁に利用されています。IBMは、こうした目的のためにアーカイブ ビューアーを提供しています。今回のリリースでIBMは、ユーザーが、フォルダーに画面キャプチャーを保存するためにファイル パスを保存できるようにする、SCRCONV(画面変換)プラグインを追加しています。

また、IBMは、ACS 1.1.9.6で、一般的な機能強化もいくつか提供しています。それらはすべて、IBM Power Ideas Portalを通じてユーザーから要望されたものです。たとえば、IBMは、ユーザーがLANコンソール接続構成を作成できるように、コマンド ライン プラグイン「cfg」をアップデートしています。

ACSの2つの機能強化によって、ユーザーは、より簡単にパスワードを変更できるようになります。まず、IBMは、パスワード変更用のグリーンスクリーン プラグイン「pwchange」を改良して、GUIオプションを提供するようにしています。これにより、システムへのアクセスが制限されている一時ユーザーにとって、パスワード変更が容易になるはずです。また、IBMは、「パスワードの変更」パネルの「説明」および「Group name」列をソートできるようにしました。これにより、複数のシステムのパスワードを一度にリセットしたいユーザーにとって、パスワード変更の操作の簡略化になります。

IBMは、ACS 1.1.9.6で、他にも様々な修正を行っています。それらの修正についての詳細は、上述した機能強化と同様に、 こちらのリンクでご覧になれます。

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