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IBMi海外記事2024.09.25

Code For IBM i の現状はどうなっているのか

Alex Woodie 著

IBMがIBM i 向けグリーンスクリーン開発ツールを削減し始めていることから、IBM i 開発コミュニティにとって、Code for IBM i の重要性は、かつてないほど高まっています。喜ばしいことに、現在のところ、Visual Studio Codeプラグインの周りでは数多くの開発アクティビティが進行しており、廃止されるグリーンスクリーン機能の代わりとなる新たな機能も生み出されています。

IBMは、5月初めに、IBM i 7.4および7.5向けテクノロジー リフレッシュ(TR)の一部として、ADTS(Application Development Toolset: 適用業務開発ツール セット)の一部のグリーンスクリーン開発ツールの サポート終了 を発表しました。2025年4月30日に、RLU、SDA、FCMU、APF、CGU、およびDFUなどのツールが サポート終了となる ということです。

サポート終了となるADTSコンポーネントの代替となる機能は、主に、Rational Developer for i(RDi)および Code for IBM i で提供されることになるとIBMは述べています。 Fortra社の2024年版「 IBM i Marketplace Survey 」によれば、すでにミッドレンジの37%によって使用されているCode for i(Code4i)の採用ペースを考えると、Code for i で新たな機能を受け入れるのは良い選択と言えるでしょう。

2年前にIBMの一員に加わる以前にCode4iを共同開発し、現在もその開発の陣頭に立っているLiam Allan氏は、先日の COMMON POWERUpカンファレンスで、この製品についての今後の開発アイデアをいくつか披露しています。

オープンソース担当IBM iビジネス アーキテクトのJesse Gorzinski氏と、Db2 for i担当IBM iビジネス アーキテクトScott Forstie氏とともにホスト役を務めたセッションで、Allan氏は、広範囲にわたる新たな製品アイデアを聴衆に投げ掛けています。明らかに聴衆の共感が得られたと思われるアイデアもあれば、そうでないものもあったようです。

Allan氏、Gorzinski氏、およびForstie氏がCOMMONの聴衆に投げ掛けたCode4iの新機能のアイデアと、それに対する聴衆の反応は、おおよその印象として、以下のようなものでした。

  • WYSIWYGエディター:このアイデアは好意的に受け止められたようでした。特にSDA(Screen Design Aid: 画面設計機能)の除去に関しては好意的でした。
  • CLプロンプター:このアイデアは好意的に受け止められなかったようです。
  • サーバーサイド設定を変更する機能:あまり期待感は見受けられませんでした。
  • 2025年までの、IBM i 7.3でのCode4iサポートの終了:このアイデアは聴衆の共感を得られたようです。
  • IBM i でのNodeおよびPythonのリモート デバッグ機能:歓迎。
  • RPGおよびSQL向けのAI搭載開発ツール:歓迎。
  • IBMによるCode4i向けエンタープライズ サポート(バグ修正など):どちらでもよい。どっちつかずの曖昧な反応でした。
  • SQL向けのVSCodeでのデータベース アドバイスの提供:どちらでもよい。どっちつかずの曖昧な反応でした。
  • IBMのIWS(Integrated Web Services: 統合Webサービス)サーバーとの統合:必要なし。
  • Code4iへのパッケージ管理機能の組み込み:必要なし。ACSを使用すればよい。
  • COBOLのサポート:歓迎。
  • SQLフォーマッター:必要なし。ACSを使用した方がよい、との聴衆の声。
  • Code Outlineのサポート:歓迎。よりRDiのようになってもらいたい、との聴衆の声。
  • CLフォーマット機能の改善:歓迎。
  • コード スニペット、または例から挿入のサポート:歓迎。

これらの機能が本当にCode4iに実装されるかどうかは定かでありません。SDAなど、一部のADTSツールのサポート終了が来年に迫っていることからすると、これらの機能のいくつかが追加されることは、ほぼ間違いないでしょう。また、Allan氏、Gorzinski氏、およびForstie氏がその日フォートワースで触れなかった他の機能についても、Code4iコミュニティによって追加されるということもあるかもしれません。

いずれにしても、IBM i開発者が、RDiなどの従来のIDEや、SEUおよびPDMなどの年代物のツールの代替製品を探し求めるようになるのにつれて、Code4iが勢いを増しているのは明らかです。それら2つのグリーンスクリーン ツールは、今回はサポート終了となりませんでしたが、10年後に存続している保証はありません。

Microsoft社のVS Codeが、世界で一番人気のあるIDEとして登場したことは、不都合なことではありません。それは、IBM iプロフェッショナルが、ILEアプリケーションを開発および保守するための、モダンで使いやすい無償のツーリングへと移行する絶好の機会となり、そのことはIBM iにとって好ましいことです。

Code4iの新たなアップデートは、随時、GitHubページ( github.com/codefori/vscode-ibmi)からリリースされています。

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