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IBMi海外記事2022.07.27

New Nav for i に加わる新機能

Alex Woodie 著

先日のIBM i 7.5のリリースで、IBMは、「New Nav」(約1年前にリリースされたIBM Navigator for iの新バージョン)に、注目せずにいられない新機能をいくつか追加しています。IBM i 管理者の皆さんにとって朗報と言えそうなものとしては、監査ジャーナルのサポート、Content Manager OnDemand for iとの統合、およびPerformance Data Investigatorのアップデートなどがあります。

IBM は、 昨年9月の7.3および7.4向けのテクノロジー リフレッシュ で、全面的に刷新されたIBM Navigator for iをリリースしました。IBMは、Webおよびモバイル アプリケーションを構築するためのJavaScriptフレームワークであるAngular、およびAngular向けの一般的なコンポーネント ライブラリーであるPrimeNGで、一からNavigatorを作り直しました。

このソフトウェアは、以前のNavigator for i製品(「Old Nav」または「Heritage Navigator」とも称される)に比べてはるかに高速であることに加えて、ユーザーが同時に複数のLPARで作業を行うことを可能にします。旧製品では、そうするには複数のタブを開く必要がありました。また、SQLベースのサービスおよびRESTを内部的に利用することも、以前の製品との技術的な違いとなっています。

昨年、New Navをリリースした時点では、IBMはOld Nav製品のすべての機能や特長を移行させる時間があると考えていました。しかし、今年初め、Old Navには、 Log4jにおける重大かつ修正不可能なセキュリティ脆弱性があることが判明したことから、IBMは、New Navでの新機能のデリバリーのテンポを速め、Old Navとの機能等価性の実現を促進しています。

New Navの新機能として最初に取り上げるのは、監査ジャーナルのサポートです。監査ジャーナル項目カウントの棒グラフを、日ごと、週ごと、または詳細ビューで表示できるようになりました。これにより、セキュリティ障害、パスワード変更、またはオブジェクト削除の増加など、知っておく必要があるセキュリティの動向があるかどうか迅速に確認できるようになります。

日次ビューでは、グラフの上にマウス ポインターを合わせると、それぞれのセキュリティ項目のカウント数の値や完全な項目名(AF、PW、CAのような、IBMが使用している略語ではなく)などの詳細情報を表示することができます。また、グラフをダブルクリックすると、その項目タイプの詳細ビューを表示することができます。

New NavでQAUDJRNのデータを表示できるようになりました。

週次ビューでは、それぞれのグラフの上にマウス ポインターを合わせると、グラフを生成するのに使用されるSQLコマンドを表示できるとIBMは述べています。また、グラフをダブルクリックすると、その項目タイプの詳細ビューが表示できます。QAUDJRNとNew Navとの統合についての詳細は、 こちらを参照してください。

また、New Navでは、Content Manager on Demand (CMOD) for iが最初からサポートされるようになりました。CMOD for iは、報告書、領収書、計算書、請求書、さらにはX線などの画像ファイルといった、大量の業務文書を取り込み、索引付け、保管、および配布できるようにするIBM i プログラムです。このソフトウェアは、過去には紙やマイクロフィッシュで処理されていた文書の長期的アーカイブとして機能します。

今回のリリースでは、New Navインターフェース内で、ユーザーがいくつかのCMOD for iタスクを実行できるようになっています。たとえば、データの移行先となるストレージ メディアの定義、データがディレクトリーまたは出力待ち行列から自動的にロードされるようにするモニターの定義、および各種のストレージ メディアへデータを移行するポリシーやデータを期限切れにするポリシーの定義、といったタスクを実行できます。

IBMは、New Navで管理者によって表示できる、約10のCMOD for i定義のリストをサポートしています(ただし変更はできない)。たとえば、インスタンス、ディスク プール、NFSディスク プール、クラウド ストレージ リソース、光ディスク ボリュームなどがあります。また、光ディスク ボリューム、テープ ボリュームに関するものなど、開発段階にあるCMOD for i機能もいくつかあります。これらの機能強化の詳細については、 こちらを参照してください。

New Navには、以前は部分的にサポートされていた、Performance Data Investigator(PDI)に対する機能強化も追加されています。今回のリリースでは、新たなブラウザ タブでPDIパースペクティブ図表を開くことができるようになりました。

IBMは、複数のコレクションをパースペクティブで表示することを可能にする新たな「ヘルス標識」パッケージも提供しています(ただし、1つの照会につき2つのコレクションに制限)。また、よりユーザー フレンドリーになるように、パースペクティブ パス リストが更新され、「アクティブ・ジョブ」リストから起動してデータを調査できるようになりました。また、ユーザーが以前に表示したビューへ安全に戻れるようにする、新たな「パンくずリスト(Breadcrumbs)」機能も加わりました。これまでは、これは簡単には行えませんでした。これらの機能強化の詳細については、 こちらを参照してください。

LDAP関連では、New Navを使用して、一定の情報(システム、プリンター、印刷共用、ユーザー情報、およびTCP/IPサービス品質ポリシーなど)を、同じシステム上または別のシステム上のDirectory Serverへ公開するようにシステムを構成することもできます。New Navを使用してこの情報を変更すると、OSによってその情報がDirectory Serverに自動的に公開される とIBMは述べています。

また、New Navで、いくつかのNetServer機能が使用できるようになりました。IBM i NetServerプロパティ(一般の設定、セキュリティの設定、およびWINS構成など)を表示し、構成する機能、ステータス情報を表示する機能、および使用不可になったユーザーIDを管理する機能(使用可能にする機能を含む)などです。

この他にも、IBMは、New Navでいくつかの小さな機能強化を行っています。たとえば、AngularおよびPrimeNGに対するアップグレードでは、一部の表の列レイアウトが変更されるかもしれません。また、New NavでのSMTPプロパティのアップデート、VPNサポートでの動的キー接続の追加、およびモニター タイプごとに使用できる代替変数をすべてリストするウィンドウの追加などもあります。

New Navは、IBM i 7.3以降でのみ稼働します。以前のリリースを使用している場合は、セキュリティ リスクを認識した上でOld Navを使用し続けるか、グリーンスクリーン コマンド使用へ戻るかのいずれかです。

Old Navとの機能等価性という点では、まだそこまで到達しているようには思われません。Old Navでは利用できた、Advanced Job Scheduler、PowerHA、BRMS、およびAFPフォーム機能などの機能は、現時点では、まだNew Navで利用できません。

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