DB2 Web Query用のETL Solutionの出荷
Alex Woodie 著
IBMは2月に発表した新たな抽出、変換、ロード(ETL)ソリューション、DataMigrator for iの出荷を始めました。このソリューションはDB2 Web Query ソフトウエアで稼働する設計になっています。顧客はDataMigrator for iによってIBM iベースのBI(ビジネス・インテリジェンス)と分析アプリケーションにそのプラットフォームの外部からのデータを高度に自動化された方法で組み入れることができます。
最近のデータ量の激増が、販売促進、コスト低減、マーケティングの改善、顧客満足度の向上に役立つ新しいビジネス・インテリジェンスと分析ソリューションの導入に企業を駆り立てています。IBM iサーバーは一般的にトランザクションの処理に活用されていますが、他にサードパーティーの分析ソフトウエアあるいはこのプラットフォームに向けたIBMのBIオファリングであるDB2 Web Queryを使って、分析作業を行うこともできます。
DataMigrator for iはDB2 Web Query ExpressとDB2 Web Query Standard Edition バージョン2.1及びそれ以降で稼働するアドオンツールです。ETLと同様に、このソフトウエアはユーザーがひとつあるいは複数のデータソースからDB2 for i上にデータベースのテーブルを作成、追加、維持するのに役立ちます。データの大量ロードとインクリメンタル・アップデートが可能であり、データマートあるいはデータウエアハウスといったレポーティング・データベースの維持に役立つとIBMは説明しています。
ETLはDB2 Web Query で使用できるあらゆるデータで稼働します。ユーザーがDB2 Web Query for i用に定義した既存のシノニムあるいはメタデータをDataMigrator for iで使うことができるとIBMは説明しています。ほとんどの場合、データソースはDB2 Web Queryが稼働している、同じシステム上に存在するDB2 for iのデータベースです。しかしながら、DataMigratorはひとつあるいは複数の遠隔システムからのデータのインポートに使うことができます。遠隔システムにはDB2 for Linux、Unix、Windows、DB2 for System z、Microsoft SQL Serverが含まれます。
これらが現時点でサポートされるデータベースですが、IBMは多分将来のリリースでさらに追加するでしょう。OracleデータベースあるいはMySQLなどが考えられます。
なお現在、OracleのJD Edwards ERPシステムをDataMigrator for iのデータソースとしてJDEアダプターを使用して利用できます(但し、DB2 Web Query Standard Editionに限定されます)。
DataMigrator for iは、データベースの他に、IBM iのIFSファイルシステムに有るフラットファイルを利用することもできます。さらに興味深いことにDataMigrator for iはローカル及びリモート・ジャーナルに保管されているデータを読むことができます。
「ジャーナルはデータのファイル/テーブルへの変更が大変低いオーバーヘッドでキャプチャーできるインクリメンタルメンテナンスのフローに特に有用」とIBMは説明しています。
データフローのコンセプトはDataMigrator for iによる作業の中核を為しています。
データフローはデータが来る場所、変換方法、その結果のデータがロードされるファイルを定義する、とIBMの発表レターは説明しています。定義されたデータフローは直ちに稼働させることができ、あるいは後に稼働させるスケジュール化、さらに稼働を繰り返す方法も可能です。ユーザーは必要とする大量のデータフローを作成することができデータフローが稼働する時と方法を制御する包括処理フローの一部分として多数のデータフローを稼働させることもできます。
ユーザーはDataMigratorで作業を行い、WindowsベースのDB2 Web Query Developer WorkbenchのコンポーネントであるData Management Consoleを通してデータフローを定義します。これらは馴染み深いインターフェース内で作動するので、ユーザーはすぐに生産性を高めることができると思われます。
この新オファリングはIBM DB2 Web Query for i DataMigrator ETL Extensionの製品名で3月27日にPTFとして出荷が始まりました。