IBM i パーティション間のユーザー・プロファイルの移植に関するさらなる情報
IBM i ユーザー・プロファイルを、あるパーティションから別のパーティションへ移植する方法について、私の最新のヒントに関しての読者の電子メールを受け取ったのですが、その後 1) 複数のユーザーのユーザー・プロファイルのリストア 2) リストアされたプロファイルに必要な関連パラメーターとオブジェクトという、2 つの項目について、説明と訂正が必要なことがわかりました。多少の訂正と、前号で欠けていた隙間を埋める情報を追加説明します。
複数のリストア済みユーザー・プロファイルの RSTAUT の使用方法を訂正する
読者の David Miller 氏から、Restore Authority (RSTAUT) コマンドを使用して、リストア済みユーザー・プロファイルの専用権限をリストアする点について、私が話した内容の意味を明確にするよう求められました。
RSTUSRPRF コマンドと違い、RSTAUT は一度に 1 人のユーザーの権限のみリストアします。つまり、リストアしているプロファイルごとに RSTAUT コマンドを 1 回実行しなければなりません。複数のユーザー・プロファイルまたはワイルドカード・プロファイル名の権限はリストアできません。
私の間違いは、RSTAUT コマンド 1 回であるパーティションから、別のパーティションに移植された複数ユーザーのすべての専用権限をリストアできないと言ったことでした。
私の間違いでした。実行できます。
コマンドを見直してみたら、RSTAUT コマンド 1 回で、マシン間で移植したすべてのユーザーの専用権限をリストアできることがわかりました。
それはこのように行います。
David Miller 氏が指摘したのは、この容量で何度か RSTAUT を使用し、パラメーターを指定せずに RSTAUT を実行すると、1 回さっと実行するだけで、すべてのユーザー・プロファイル権限をリストアできるということでした。 パラメーターを指定せずに RSTAUT を実行すると、IBM i システムは実際には以下のコマンドを実行します。
IBM の RSTAUT 資料によると、ユーザー・プロファイル・パラメーターを *ALL に指定してコマンドを実行すると、リストアされる専用権限は「リストアされたものの、その専用権限はリストアされていないすべてのユーザー・プロファイルのものです。これには前回の Restore User Profile (RSTUSRPRF) コマンドを複数回使用してリストアされたユーザー・プロファイルが含まれます。」
私の前回の記述を訂正しますが、つまりは、複数のユーザー・プロファイルを、あるパーティションから別のパーティションに移動する際に以下のことができます。
- 複数の Restore User Profile (RSTUSRPRF) コマンドを使用して、あるソース・システムからターゲット・システムへ、 1 つ以上のユーザー・プロファイルをリストアする。
- ターゲット・システムで RSTAUT USRPRF(*ALL) コマンドを 1 回使用して、ステップ 1 でリストアした各ユーザー・プロファイルのすべての専用権限をリストアする。IBM によれば、これにより、リストア済みプロファイルのすべての権限をリストアできるということです。他の専用権限のリストアは実行されません。
さらに、RSTAUT は、複数のユーザー・プロファイルの専用権限をリストアする際の 2 つのフィーチャーを提供しています。YRSTAUT をこのように実行することで、特にリストアップされたリストア済みユーザー・プロファイルの権限をリストアすることができます。
ここで user1、user2、user3 は正確なユーザー名になります。
この構文を使用して、専用権限をリストアするユーザーの正確なリストを指定できます。また、RSTAUT はこのコマンドで、特にリストされているユーザーの専用権限のみをリストアします。
専用権限をリストアする際は、ワイルドカード文字も指定できます。この構文を使用して、単に RSTAUT を実行するだけです。
このコマンドは、ワイルドカード文字列が「*」で終了する、任意のユーザー・プロファイルの専用権限をリストアします。このコマンドについては、RSTAUT は文字列 USER で始まる任意のユーザー・プロファイル名の専用権限をリストアします。
元の記事のこの間違いについては申し訳ありません。David Miller 氏から今週学んだように、1 回のコマンドで複数ユーザー・プロファイルの専用権限をリストアできます。
リストア済みユーザー・プロファイルに必要なもの
別の読者が、ユーザー・プロファイルを新しいシステムにリストアする際の最後のステップとしていた内容について、尋ねてきました。それは、プロファイルが新しいシステムにない任意のオブジェクトを参照しているかどうか、リストア済みプロファイル内の参照パラメーターを確認することです。彼は、「リストア済みプロファイル内のパラメーター」を参照する、という意味についてさらに詳しい説明を求めてきました。
すべてのユーザー・プロファイルでは、多数のパラメーターがパーティション上の他のオブジェクトを参照しています。これら参照オブジェクトは、ユーザー・プロファイルをリストアするときに、ターゲット・マシン上に存在する場合も、しない場合もあります。
そのため、Change User Profile (CHGUSRPRF) コマンドまたは IBM i Access for Windows’ System i Navigator プログラム (OpsNav) を使用して、リストア済みプロファイルの以下のユーザー・プロファイル・パラメーターが、ターゲット・マシンにあるかどうかダブルチェックする必要があります。リストア済みユーザー・プロファイルが、ターゲット・パーティションに存在しないパラメーターを参照している場合、サインオンで問題が発生するおそれがあります。
リストア済みプロファイルについて、これらのユーザー・プロファイル・パラメーターが、ターゲット・システムの有効な IBM i オブジェクトを正しく参照するよう確認します。
- 呼び出す初期プログラム (INLPGM)--ユーザー・プロファイルが、 IBM i パーティションで対話式セッションを開始する際に呼び出されるプログラム
- 初期メニュー (INLMNU)--対話式セッションにサインオンした後にユーザーに最初に表示されるメニュー
- ジョブ記述 (JOBD)--このプロファイルを使用して、サブシステム・ワーク・ステーション・エントリーから始まるジョブに使用されるジョブ記述
- メッセージ・キュー (MSGQ)--サインオン・プロファイルに関するメッセージが送信されるユーザー・プロファイルに割り当てられたメッセージ・キュー
- アテンション・プログラム (ATNPGM)--ユーザーが 、Attention (ATTN) キーを押すときに対話式セッションが使用するプログラム
自分の DR システムのプロファイルをリストアしている場合、これは問題にならないかもしれません。これらすべての参照パラメーターは 、DR ボックス (ターゲット) とソース・ボックスの両方にすでに存在している可能性があるためです。しかし、ターゲット・システムに存在したことがないプロファイルを移植している場合、リストア済みプロファイルがポイントしている、これらのオブジェクトを 1 つ以上再作成するか、ユーザー・プロファイルをシステムに存在する、別のオブジェクトをポイントするよう変更しなければならない場合があります。
一般に、あらゆるリストア済みユーザー・プロファイルを見直し、ライブラリーを参照するすべてのパラメーターの値が、現在有効かどうかを確認する必要があります。
ユーザーの移植にサード・パーティー・パッケージを使用しない理由
あるベンダーが、パーティション間の移植でのサード・パーティー・パッケージの使用について、私が言及していなかった理由を書面で尋ねてきました。彼曰く、彼の使用している製品といくつかの競合他社の製品では、パーティション間でプロファイルを簡単に移動でき、さらに機能を提供しているということでした。質問は、なぜ私がそうした製品を指摘しなかったのか、ということでした。
いくつかサード・パーティー製品が気に入って使っていますが、それらを使用していることは、私の Four Hundred Guru コラムで時折触れており、推奨しているにすぎません。Admin Alert カラムと Four Hundred Guru ヒントは、全 IBM i 管理者が使用できる手法を説明しています。私は、コマンド、API、IBM i オペレーティング・システムと IBM 提供のいくつかの無償ユーティリティーに組み込まれている構成といった、 IBM 提供の共通ツールのみ使用しているユーザー向けの管理上のヒントを書いています。これにより、ネイティブ・ソリューションを目立たせ、ほとんどサード・パーティー・パッケージを使用できなくするような Admin Alert の「自分でやる (DIY)」が中心になります。
自分自身、いくつかのサード・パーティー・パッケージが好きで使っていますが、このコラムは、これからもすべての IBM i ショップにアクセスできる DIY ソリューションを中心に取り上げるつもりです。特定のソリューションについては、サード・パーティー・パッケージについて適宜お話ししますが、全体的にほとんどのソリューションは、すべての IBM i 管理者が使用できる DIY に関連したものです。