本当にリカバリーに必要なものをバックアップしていますか?
ソフトウェア・ベンダーや IBM ビジネス・パートナーに指示されたバックアップ・プロセスを実行することはよくあることです。実行しているバックアップが、障害が発生した場合のシステムのリカバリーに適切でない場合にこうしたケースを見たことがあります。
では、システムを正しくバックアップしており、障害の後にリカバリーできるかどうかどのように確認できるのでしょうか。
IBM は、ユーザー・ライブラリーのバックアップ状況を確認できるコマンドを提供しました。このライブラリーには、最終保存日とライブラリーが最後に保存されてから変更されたかどうかに関する情報が含まれています。コマンド Display Backup List (DSPBCKUPL) を使用して、ディスプレイ画面上や印刷レポートの形でリストを取得できます。
DSPBCKUPL BCKUPL(*LIB) は画面リストを取得するコマンドです。その結果、図1 のような画面になります。
図2 に示すように、DSPBKUPL コマンドで DSPBCKUPL BCKUPL(*FLR) を指定して、フォルダーの最終保存日をリストすることもできます。
オペレーティング・システムの新しいリリースを読み込み、PTF を読み込む場合、通常は IBM のアップグレード指示に従い、Save the System (SAVSYS) コマンドを使用してオペレーティング・システムのコピーを保存するでしょう。定期的に PTF を読み込んだり、オペレーティング・システムに変更を加える場合、オペレーティング・システムを再読み込みしなければならない場合を考えて SAVSYS オペレーションで変更を保存するでしょう。しかし、最後にオペレーティング・システムを保存したのはいつだったのでしょうか。
IBM では SAVSYS オペレーションを実行した場合、QSYS オブジェクトを保存とマークしません。というより、ライブラリー QSYS の QSAVSYS という特殊なデータ域の最終保存日を更新します。最新の SAVSYS を判断するためには、DSPOBJD OBJ(QSYS/QSAVSYS) OBJTYPE(*DTAARA) にある QSAVSYS データ域の最終保存日を確認します。次に図3 に示すように、データ域の最終保存日を確認します。
図4 に示すように、DSPOBJD OBJ(QSYS/QSAVUSRPRF) OBJTYPE(*DTAARA) にある QSAVUSRPRF データ域の最終保存日を確認します。
最終保存日を判断するその他の QSAV* QSYS データ域は、次のようになります。
SAVCFG QSAVCFG
SAVLIB *ALLUSR QSAVALLUSR
SAVLIB *IBM QSAVIBM
SAVLIB *NONSYS QSAVLIBALL
SAVSECDTA QSAVUSRPRF
SAVSTG QSAVSTG
SAVSYS QSAVSYS, QSAVUSRPRF, QSAVCFG
SAVSYSINF QSYSINF
IFS オブジェクトの最終保存日を表示する優れた方法は知りません。IBM では、SAV コマンドで OUTPUT(*PRINT) を指定して SAV コマンドの出力を印刷レポート形式で保存することをお勧めしています。あるいは、SAV オペレーションの出力をストリーム・ファイルに保存できます。SAV コマンドのヘルプ・テキストを参照してください。