RPGの使用が「飛躍的に増加」、IBM i 市場調査レポート
RPGは常に、最も密接な繋がりがあるプラットフォームであるIBM i で使用される、1番の開発言語であり続けてきました。しかし、PHPやJavaのようなオープンソース言語の利用がIBM i で広まると、RPGの人気は衰え始めるという見方もありました。Fortra社の最新の「IBM i Marketplace Survey Results」レポートによれば、そのようなことは起こっていないようです。実際、RPGの使用は「飛躍的に増加」していると同社は述べています。
Fortra 社(旧HelpSystems社)の市場調査で、開発言語の1つとしてRPGを選んだ回答者のパーセンテージは、2015年から2020年まで、84%~89%の間で安定していました。SQL(構造化照会言語)が常に2番手に着け、CL(制御言語)がこれに続いていました。
しかし、「2022 IBM i Marketplace Survey」(2021年秋に実施された調査を反映)では、思いがけないことが起こりました。RPGによる93%のシェア獲得です。つまり、RPG言語の採用がさらに増えたということです。RPG(Report Program Generator)は、その勢いを2022年にも維持し、最新の2023年版の調査にも反映されています。
「いつも上位のRPGとSQLが、それぞれ93%と80%で、今年も1位2位を占めています」と、Fortra社はIBM i市場調査レポートに記しています。「しかし、RPGの使用は飛躍的に増加しています。RPGは徐々に消えて行くだろうと心配する向きもありましたが、IBMによるモダナイゼーションのおかげで、RPGは将来に向けて生き残る言語へと変貌を遂げています。」
何がRPGの急増をもたらしたのでしょうか。Fortra社では、RPG言語の全般的な有用性と汎用性がその理由だと推察しています。
「RPGは、サービスを呼び出し、オープンソース、SQL、およびその他の最新技術を統合することができます」と同社は記しています。「組織は、新規の開発に、モダンなモジュール型のフリー フォーマットRPGを使用しており、これを他の言語と組み合わせて使用しています。それは、使用率の高い言語の数が多いことからも明らかです。」
今年の調査結果( こちらでご覧になれます)は、昨年秋に、IBM iコミュニティの約300人のユーザーが回答したアンケート調査が基になっています。また、今年の調査では、PHP、Node.js、Python、およびJavaなど、オープン言語の採用が増加していることも明らかになっています。
Javaは昨年の40%から42%へと増加し、PHPは20%から21%へと増えています。また、Pythonも1%の微増で20%に、Node.jsは3%増えて20%となりました。興味深いことに、COBOLの使用も、3%増えて20%となっています。2020年版レポートの14%からすると、かなり増えたことになります(おそらく、COBOL on IBM iの世界では ちょっとしたルネッサンス が起きているのでしょう)。また、C++も、昨年の8%から11%へと堅調な増加を示し、.NET/C#は8%から9%へ増加しています。
では、RPGの話に戻ります。 IBMのIBM i CTO(最高技術責任者)およびDE(Distinguished Engineer: 技術理事)であるSteve Will氏は、この言語の採用が93%に達したことは喜びだったようです。
「フリー フォーマット、モジュールといった方式で作業を行えるように、RPGのモダナイズを行うのにつれて、パーセンテージは増えてきました」と、1月26日のウェビナーでWill氏は述べています( 動画はこちらでご覧になれます)。「そのため、顧客が今抱えている要件に対応できるRPGの開発に労力を投じれば、オープン言語のようなものによって補足されることで、成果が現れるように思われます。」
言語そのものも重要ですが、さらに重要なのは、言語と、開発者がモダンなアプリケーションを作成するのに必要となる他のツールとの連携です。そのためには、GitのようなDevOpsツールとの統合も重要だとWill氏は述べています(Gitは調査回答者の25%によって使用されており、昨年の20%から5%増加しています)。
p>「DevOpsの実現を支援する、そうしたソース管理製品への移行が進んでいます」と彼は述べます。「私たちは将来を見据え、open on iコミュニティと協働して、コミュニティを利用することで必要なものが得られるようにするべく取り組んできました。」Will氏は、ILE言語でのIBM iアプリケーション開発のための主力のIDE(統合開発環境)であるRational Developer for i(RDi)を、どのように顧客が採用してきたかという点でも満足していると述べています。IBMはFortra社と協働して、GitをRDiに統合することで顧客の利便性を高めるべく取り組んできました(参考までに言えば、Fortra社は、IBMに代わって、RDi、PowerHA、およびBRMSの開発を行っています)。
p>「モダンなソフトウェアが求められるようになり、モダンなツールの使用が望まれようになってきたことを受けて、このツールがそうした希望を叶える手助けになるように労力を投じてきました」と彼は述べます。「全体として、このツールを利用する顧客がますます増えていることは嬉しいものです。唯一無二の存在というわけではありませんが、非常に強力なツールであり、これほど広く利用されるようになったことをありがたく思います。」