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IBMi海外記事2022.11.09

LTOコンソーシアム、ロードマップを第14世代まで延長

Alex Woodie 著

今月、Linear Tape-Open(LTO: リニア テープ オープン)仕様を策定するコンソーシアムが発表した新たなロードマップによると、LTOカートリッジのネイティブ容量は、再び、世代ごとに倍増するようになるということです。

LTO Programを支援するTechnology Provider Companies(TPC: 技術提供企業)である、IBM、HPE、およびQuantumの3社によって発表された新たなロードマップでは、LTO Ultriumフォーマットがさらに4つの世代まで延長されることが示されています。おそらく10年以上先のことになるでしょうが、LTO Gen 14テープが市場に登場する際には、ネイティブ容量(非圧縮時容量)は「最大576TB」、圧縮時容量は最大1.44PBとなるようです。

LTO Ultriumロードマップ
LTO Programは、LTO Ultriumフォーマットを第14世代まで延長しました。

LTO Programがロードマップを延長するのは ほぼ8年 振りです。LTO Programが第9世代および第10世代を追加したのは、市場に記憶容量3.2TBのLTO Gen 6カートリッジや、データ転送速度210MB/秒のLTO Gen 6ドライブが出荷されていた2014年9月のことです。実際にLTO Gen 9機器が提供されるのは遅くなりましたが、これには訴訟の影響もあったようです。IBMは、 昨年の今頃に、LTO-9機器の出荷を始めたばかりです。

今回、LTO Programは、このフォーマットをさらに4つの世代まで延長しました。これまでのように世代間隔が2~3年のままで、 現在開発中である LTO Gen 10機器が2023~2024年を目途に出荷されるとすれば、LTO Gen 14機器の登場は、おそらく、その10年後、すなわち2033~2034年頃ということになるでしょう。

提供スケジュールはともかくとして、記憶容量の増加は著しいものが期待されます。LTO-14は、現行のLTO-9カートリッジの容量の32倍になるとLTO Programはロードマップに示しています。なお、データ転送速度についての推定値は示されていません。

もうひとつ、今回の発表で重要な点があります。それは、世代ごとのテープ容量の倍増が復活することです。LTO Programは、初期の世代では容量倍増を何度も実現していましたが、直近の世代での容量増加は50%にとどまり、壁にぶつかっているようです。同コンソーシアムがどのようにその目標を達成しようとしているかは明らかではありませんが、各世代間での「最大で」100%の容量増加を表明したことは、同コンソーシアムが、ますます高まる容量需要を真剣に捉えていることの現れと言えるでしょう。

アナリスト グループ、IDC社のリサーチ担当バイスプレジデント、Phil Goodwin氏によると、2021年の磁気テープ市場の成長率は10.5%だったということです。データ量は2~3年ごとに倍増しているため、複数ペタバイトの実装は普通になりつつあると同氏は述べています。

「カートリッジ1個当たりの圧縮時容量が1PBを上回るとされる第14世代まで延長された今回のLTOロードマップは、今後数年間の組織の大容量ストレージのニーズに応えるべく、LTOテクノロジーがどのようにして前進を続けるかを示すものです」とGoodwin氏はプレス リリースで述べています。

データ生成およびデータ ストレージが増加の一途をたどる一方で、テープのようなエアギャップで守られる記憶方式の需要を刺激したのは、1つにはCOVID-19パンデミックによって引き起こされた、ランサムウェア流行の拡大もありました。

「LTOテープは、長期のデータ保管のための低コストで持続可能なストレージとして、また、サイバーセキュリティを強化するためのセキュアなデータ ストレージの選択肢として、かつてないほどに重要性を帯びるようになっています」と、IBMのストレージ製品管理担当バイスプレジデントのSam Werner氏はプレス リリースで述べています。「今回、第14世代までの仕様が策定されたことにより、LTOテープは、急激かつ加速度的なデータの増大に対応する態勢が整いました。これで、クリティカルなビジネス データを保護および保管するための、持続可能で信頼性の高い、低コストのソリューションを組織に提供できるようになります。」

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